本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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Bel diabolica ベル デアボリカ

療養中のお友達に、何か面白い読み物をと思って、本屋に駆け込みました。

それにしても、初めて入る本屋さんって、他人様の台所以上に勝手が分からないものですね。どこから手を付けて良いのかわからないので、まずはごく最近、「指輪物語よもやま」のたかなしさんに勧めて頂いたヤマザキマリさんのマンガ、『イタリア家族』を探しました。

お昼休みの時間帯には(迷惑になるから)やりたくなかったのですが、結局店員さんに尋ねて、さんざん検索して頂いた挙げ句、結果は「お取り寄せ」。『テルマエ・ロマエ』を面出しするくらいなら一緒に並べておかんかい!と突然コワイ人になりたくなる気持ちをぐっと堪え、他に何かないか物色する羽目に。しかし、マンガは全てビニールがかかっていて、どれが面白いんだか素人にはさっぱり。これで書泉なら店員さんにオススメを聞くところだけどここは御茶ノ水○善だし(あ、言っちゃった)困った…。

と、振り向くと、そこに何か私をぐっと惹きつけるオーラを放つ、新刊書の山が!

なになに、坂田靖子先生の「ベル デアボリカ」、美しき魔物…?(って意味だと思うけど、間違ってたらゴメンなさい) 

中味が見えないから何とも言えないけど面白いかも、とお会計しようとしたけど、これは第2巻。聞けば案の定第1巻は置いてない(怒)。取りあえず2巻を買って読んでみて、それから1巻を買おうか…でも、私の「この本面白いはずですよ」アラームが振り切れているし(3分間しか点滅しないけど)…

もう時間もなかったので、速攻神保町まで行って、三省堂で買いました(「イタリア家族」もちゃんと売ってた)。
(で、最初の店に後日行ってみたら、全然別の場所に1巻が置いてあることがわかって激しく脱力…)

ということで、前置き長かったですが入手した坂田靖子先生の「ベル デアボリカ」。つまんないものをお見舞いで渡すのもどうかと思って開けて読んでみたら、面白いのなんのって(いつもマンガを読みつけてる方ならとっくにお読みになってるでしょうけど)、まだ自分の勘も捨てたもんじゃないとちょっと嬉しかったりする今日この頃でございます。


設定はまあ、ありがちといえばそうなんですけど、とある小さな国の年若い領主が、周りがさんざん諫めるのも聞かず、国防上重要な場所に居座る魔法使いを、邪魔なら殺す位の気持ちで捉えて幽閉してしまう。

ところが、一国の軍隊を全滅させた無慈悲な魔物という噂の大魔法使いは、一見弱々しい少年にしか見えず、殺すこともできなくなった領主は途方に暮れてしまいます…。

一筆書きみたいなシンプルな線で書かれた絵なのですが、それがまた何となく中世の絵巻物みたいで、とても雰囲気が出てるのです。

この本が単行本で出るまでには、いろいろといきさつがあったらしく、今はweb上で連載されていて、第一話と最新話はココで無料で読むことができます(ぜひ、第一話から読んでみてください)。

自分の心の自由のためには、人を殺すことも厭わない魔物-何だか、芸術家を彷彿とさせますが、そんな孤高の境地に少しずつ変化が現れるという繊細な描写が何とも良いんです(人はそれをツンデレと言う)。更新が2ヶ月に1回なのが何ともじれったいですけど…。ただ、この本を読んでから時間が経つのが遅く感じられるようになりましたので、アンチエイジング効果は抜群だと申し上げておきます(爆)

さて、大変気に入ったのでもう一回読もうかと、週明け○善に行ってみたところ、まるで魔法のように、デアボリカ山はなくなっていました。つまり、数日違えばこの本に偶然出会うということはなかったって事です。洪水のように新刊書が出るとは知っていましたが、しみじみ実感しました(ちなみに、山はかなり低くなって、別の場所に移動していました)。

しょうがないので、ネットで最新話を反芻することに。

そして顔を上げると、現実とは思えない怖ろしい現実のニュースが。どうぞこれ以上、犠牲が増えませんように…!
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by silverspoonsjp | 2011-03-14 23:24 | センス・オブ・ワンダーの本