本と読書をめぐる冒険


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華麗なる中華ロココの世界―「全本紅楼夢」

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「紅楼夢」といえば昔から、中国文学のなかでもオタ…もとい、マニアの多い小説で、この小説を究めんとする学問は「紅学(ホンシュエ)」、フリークは「紅迷(ホンミー)」という用語まであるほどです。

本文は18世紀に書かれたものとされ、当初のタイトルは「石頭記」(石ころの物語)といいました。天をつくろうために集められた石ころが結局役立ててもらえなかったのを悲しみ、せめて人間世界を見てみたいという望みをかなえてもらい、そのときの事柄を記した物語だという意味です。石は裕福な家の少年・贾宝玉として、彼をとりまく美少女たちとの恋物語を織りなします。

ですから、宝玉の生活を描いた部分は、清朝のお金持ちの日常がこと細かに描かれ、リアルそのものなのに、前ふりの仕掛けによって、どこのいつの話かつかみどころがなくなっているという趣向なのです。

この本もの装丁も、線装の本に、中の絵が覗き見える帙をつけた、内容にマッチしたものになっています。
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本書は晩清の時代の画家・孫温による、「紅楼夢」全編に渡る絵物語になっています。本編に登場する小道具(時計や調度)や壁に飾られた書画なども緻密に描きこまれています。必ずしも本の中の記述をそのまま描いたものではないようで、ここに描かれた内容を研究する人も出てきそうな、まさに入れ子の物語にふさわしい凝りようになっております。

オールカラーで色は綺麗ですが、若干版ズレがあるのか、あまり画像がシャープでないのは残念です。古籍書店で買ったとき、棚には1冊しかありませんでしたが、他のないですか?と聞いたら、奥からビニールでパックした開封してないのを持ってきてくれました。さすがです。

作家出版社 2004年
298元 270ページ 大型本
ISBN7-5063-3044X
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by silverspoonsjp | 2005-01-19 23:07 | 素敵なヴィジュアルの本