本と読書をめぐる冒険


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おとなの基礎英語 シーズン1

こちらはシーズン1に関するエントリーです

私がいま一番ハマってる番組はこちら、

「おとなの基礎英語」

再放送の途中からなのですが、それが良かったみたい。ちょうど舞台が香港なので、興味を持って見ています。シナリオを書いた人が詳しいのか、コーディネーターの人が詳しいのか分かりませんが、ちゃんと香港らしい小ネタも織り込んであって、単にロケの背景じゃないのがいいところ。

取り上げられるのは基本、中学3年間で習った表現だけなのに、結構口に出てこなくて見ててショック…。

月~木の毎日たった10分の番組ですが、とてもよく考えて作られていると思います。シーズン1は、日本から、香港で働く姉の留守番を頼まれて出かけたミカが、いろいろな出来事に出合う…というストーリー仕立てになっています。

スキット中の「今日のフレーズ」の場所だけクイズのような形で伏せられていて、それをスタジオで見ているゲストの千里子さんが太田エイミーさんからヒントをもらって何とか言い当てようと頑張る。できないときは、もう1人のゲストのジェイソンさんが助ける。

で、答えをチェックし、講師の説明を聞いたら、今日のフレーズの箇所からスキットの続きをみる。そのあと、もう1回「今日のフレーズ」についてスタジオであれこれトークをして、似た表現も紹介。毎週最後の回には表現をチェックするテスト…という流れになっています。

番組のテーマは「伝えたい 心から 届けたい 素直な気持ち」という、オープニングの歌詞が、実によく表していると思います)。


で、スキットがほのかにラブストーリーになっていて、ついつい続きをチェックしてしまうんですねー。そういうお話の妙もさることながら、番組コンセプトが最近の外国語学習のトレンドをちゃんと押さえているなーさすがだなーと思うわけです。

たとえば、こんなところ。

・舞台をアジアに設定している。
・スキットの登場人物はいずれも英語が母語ではない。(今回は一人が香港人で一人が日本人)
・主人公は女性。
・中学で習った簡単な表現ではあるが、自然な会話で使われる英語がターゲット。
・さりげなく、英語を使って「何かができる」ように仕組んでいる。
・さりげなく、何度も復習している。
・さりげなく、追加表現も覚えるように仕向けている。
・主なスキットは英語でも、現地の言葉(今回は広東語)や文化を尊重する姿勢を崩さない。
・視聴者代表の千里子さんはごく一般的な日本人の英語レベルで共感できる。
・スキットに字幕をつけたり解説したりせず、まずは自分で内容を推測させようとしている。

たった10分で本当にスゴイ。

まず、舞台設定。ひところの、英語はアメリカ人かイギリス人のお手本を見習うもの、という常識をぶっ飛ばし、お互いの言葉が通じないときには共通語としてとりあえず英語を使っとけ!という「とりあえず英語」を前面に出してます。放送大学の「発音をめぐる冒険」という、これまた私の好きな番組があるのですが、その番組も、この「オトキソ」ほどぶっ飛んではいないものの、いろいろな地域のいろいろな英語の発音や表現を「可愛い発音ですね」「素敵な表現ですね」と肯定しています。

英語だけじゃなく、フランス語会話なんか見ると、いまや「花のおパリ」みたいな内容じゃなくて、アフリカ出身のフランス語話者の話題とか、きっちり出しています。いまは、こういうのがトレンドらしい。

主人公が女性というのも、昔はあまりありませんでした。最近は多いですね、こういうパターン。

英語が自然なのもポイント高いです。「おとなの」というだけあって、日本語から考えたらこう訳すけど、ふつう英語ではこういう言い方をする…という微妙なところをついてくるフレーズが多いです(しかも、なぁんだ、というくらい簡単な表現が多い)。

また、英語が話せるようになるというより、修理をお願いしてみたり、困った状況に救いを求めたりなど、何か達成したいことができるほうに目的があって、それを英語でするならどう?みたいな状況設定になっているので、勉強のために勉強してる感が皆無なのもいいですね。

それに、やむなく英語で話すとはいえ、現地語は現地語でちゃんと使われている、できればそっちにも興味を持ってね、世の中、英語一色じゃないんですよ、という隠れたメッセージが込められているのも、今風です。

そして、スタジオゲストの千里子さんがさっぱり英語ができない(!)というのも、実にホッとする演出で憎いですね…思いっきりカタカナ英語なんだもん。でも、これでも大丈夫だよ、という力強い励ましを感じます。彼女がまず今日のフレーズを推測して、ゲストが補強して、スキットで確かめて、応用して、番組終了時のあいさつにも使って…とさりげなくはありますが、何度も何度も復習の機会が設けられています。

さらにさらに、私が一番スゴイと思うのは、今日の表現以外のスキットを
・敢えて訳したり、解説しない。
というところ。

テキスト買ったら訳が載ってるのでしょうが、まずはテレビだけを観て勉強してみるのをおススメします。この方法で、相手が何を伝えたいかを「推測」する訓練を積む仕組みになってるんですね。文字に頼らず、音声とシチュエーションから内容を理解しようと集中することは、日本の外国語学習に弱い点。そこをカバーしてる構成はお見事です。

というわけで、この番組、金曜にないのがとても残念。土曜にはまとめて再放送があります。
詳しくはこちらのページでチェックしてみてくださいね。See you!

【追加情報】
この番組、やはり大評判になったらしく、2013年度は続編を放送中。また、シーズン1についてはまとめの単行本が2冊も出ました。


1)CD BOOK おとなの基礎英語 100のフレーズで話せる英会話 (NHK出版)
2)DVD BOOK おとなの基礎英語 シンガポール 香港 タイ (主婦の友)

1)は、スキットの中から今日のフレーズ+αを抜き出して解説し、類似表現も練習できるようにしたもの。
2)は、ドラマ部分だけを収録したDVDと、その訳をまとめたもの。

2)の方がストーリーの筋は追えますが、練習に役に立つのは1ですね。
ドラマがみたいなら2、勉強したいなら1かな。

ということで、See you!
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by silverspoonsjp | 2013-01-11 00:03 | 英語の本 | Trackback | Comments(0)