本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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新暗行御史(しん あんぎょうおんし)

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 むかし、東方に聚慎<ジュチン>という国がありました。そこには、隠密裏に地方を回り、悪政を敷いた官吏を王に代わって糾弾する、「暗行御史<アメンオサ>」という特殊な官吏がおりました。御史は馬を描いた黄金の牌を持っており、中でも最高の三馬牌を持つ者は、幽幻兵士<ファントム・ソルジャー>をも召還することができたのです。
 その聚慎も滅んだ今、かつての暗行御史、文秀<ムンス>は、原因不明の呪いをかけられたまま、世を流離っていました…。

 あらすじを書きながらもうワクワクしちゃうんですけど、韓国の物語や歴史って、意外と知らないですよね。韓国の漫画家によるこの作品は「春香伝」のような有名な物語や歴史故事を取り入れつつ、一級のエンタテインメント作品に仕上がっています。ところどころ、引用したモチーフについて原作者が書いているコラムも楽しめます。

 一応舞台は現代じゃないとは思うのですが、主人公の服装はまるっきり現代風だし(顔も「コブラ」みたいだし)、銃はバンバン撃つし、その辺のセンス、大好きです。

 全編、先が読めないスリリングな展開ですが、特に第四巻は圧巻です。ここまで主人公の仇敵である、ということしかわからなかった阿志泰<アジテ>が姿を現わしますが、彼は下の引用からわかるように、まるで澄んだ湖のように悟りきった印象しか与えません。一体何者?? 


「文秀さん、知ってます?この世界の起源において、善悪は同じ存在だったそうです。まるで真っ白な折り紙のように…だから、その紙の色を決めるのは人間なんですよ。もとは無色だったものを人間だけの基準で…黒だの白だの、勝手に決めつけて塗りわけてるだけなんです。矛盾だらけの人間が…極めて脆弱な人間が、善と悪を決めるのです。」


 まだサンデーGXに連載中なんですが、月刊なので単行本の出るペースがすごく遅いんですよ。続きが気になる~。それから、どうか最後までこのテンションを保ってくれますように!ただいま10巻まで発売中。

公式HPはこちら

原作:尹 仁完、絵:梁 慶一
小学館  580円
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Commented by crann at 2005-03-21 23:04
こんばんは!
皇なつきさんも角川あすかコミックスから「李朝暗行記」を書いてますよね。これが日本初の暗行御使ものかな?と思ってます。
皇さんのは「あめんおさ」で、とっても悲劇なんですが・・・
続きが読みたいもののひとつです。
Commented by silverspoonsjp at 2005-03-23 00:26
☆crann様
こんばんは。当時は韓国を舞台にした漫画そのものが珍しかった気がします。今はいろいろあるのでしょうか。韓国の伝説は中国とも日本ともまた違う、面白いものが多いですよね。いくらでもネタがありそう。ちなみに韓国文学専攻の方に「暗行御史」って何ですか?と伺ったことがあるんですが「水戸黄門みたいなものです」とおっしゃってたのが印象に残ってます。
Commented by crann at 2005-03-23 19:17 x
銀の匙さま

わたしも韓国の方に聞きました<暗行御史ってなんですか?
その方は「隠密同心」っていってました(笑)
いまなら『編笠十兵衛』(「御意簡とく」っていう木彫りの葵紋の御札をもってますよね)かなとも思います。
日本と韓国が似ているなと思う所以だったり(笑)
Commented by silverspoonsjp at 2005-03-25 00:01
>その方は「隠密同心」っていってました

その方、日本文化詳しすぎ(笑。
見せれば皆がひれ伏すor幽霊軍団を召還できる、ということで申しますと

馬牌=葵紋の御札=アンドゥリル

おお、中つ国も似ているではありませんか(笑
by silverspoonsjp | 2005-03-21 20:56 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback | Comments(4)