本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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CREA 2016年1月号 冬にしたい ふだんのこと、と映画。

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本が面白くなかったら、ほとんどの部分が書いた人の責任だけど、雑誌が面白くなかったら、それは100パーセント編集者のせい。

どんな素材を選ぶか、どう見せるか、誰に何を頼んで、何を載せ、何を載せないか。

限られた時間でこれらを的確に按配するのは難しいし、だからこそ、成功した号には心から感動します。

実は、最初特集タイトルを見たときは、全然ピンと来なかったんですけど、よくある映画紹介かな、と思ってめくってみたら素晴らしくて、初めてこの雑誌を買いました。

見開きのカラーで、冬らしいテーマをひとつ選んだ記事があり、テーマにまつわる映画が、隅のほうに控えめに載っている、というつくりなのですが、まずそのテーマというのが面白い。

普通、冬にしたいこと、というと、温泉に入りたいとか、暖炉であったまりたいとか、スキーに行きたいとか、そういうことを思いつきますが、「白い器」とか「コペンハーゲンの自転車」「帽子」とか、冬でもないし、「したいこと」でもない、というオキテ破りの記事がかなり挟まっているのに、ちゃんと冬の特集っぽく見えるのがまずスゴイ。

しかも見開きごとに、まったくバラバラな内容を扱っているのにもかかわらず、ちゃんと統一感がとれているのがスゴイ。

だから、眺めていて単調な印象がないし、「雑」な感じもしない。

ひとつのテーマは2ページしかありませんが、その中で過不足なく新鮮な情報が提供され、いい按配にテーマが展開している。

たぶん、レイアウトのフォーマットと写真の色味は厳格に揃える代わりに、内容はゆるく作っとく、という方針なのでしょう。

以前に眺めたことがある同じ雑誌の映画特集とかは、全然こんな洒落た作りではなかったので、編集した人が違うか、編集方針を変えたんだと思う。

同じ素材なのに、腕利きの料理人が作ると一味違うって感じでしょうか。

ほとんどが、読む人のことはともかく、広告が取れればいいや、みたいな印象しか与えなかった昔の女性誌に比べると、今はちゃんと中身で勝負しようという心意気が伝わってきて、ぜひこういう傾向が支持されて欲しいなと心から思います。

次号は児童文学特集だそうで、ちゃんと児童文学ファンにも声をかけて作っているらしい。同様の丁寧な誌面を期待しています。
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by silverspoonsjp | 2015-12-29 15:28 | 素敵なヴィジュアルの本 | Trackback | Comments(0)