本と読書をめぐる冒険


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「ザ」・ロード・オブ・ザ・リング「ス」

専門誌に、「ザ・映画タイトル考」という題で、映画のカタカナタイトルについてのエッセイが載ってて面白く読みました。

そういえば、英語タイトルをカタカナにして、そのまま日本語タイトルにしちゃうっていうの、よくありますよね。というか、ほとんどそうですね。

試しに「ぴあ」を見てみると、
「トゥー・フォー・ザ・マネー」なんて、‘to ,for the money’って…金の方へ、金のために、ってこと??と思ったら‘two for the money’だったり、 なかには「ウェス・クレイヴン's カースド」なんて、呪文みたいなタイトルまであります。(一体どうやって読めと?…いや、気になった時点で宣伝としては成功か?)

「calvaire」の邦題が「変態村」になったごとく、さすがに原語が英語じゃないと、このワザは使わないだろう、と思ってたけど、もちろんそんなことはなくて、映画雑誌をめくってみたら韓国映画や中国映画なんて、わざわざ英語タイトルからカタカナに訳してるんですよね。

かと思えば、カッコつけてるつもりが、herが「ハー」なんてカッコ悪い字面になったりする場合もあるせいか、最近は英語のスペルのあとにふりがなをふる(!)
「bird call〈バードコール〉」とか
「The Myth 神話」のように、後ろに訳をくっつけるっていうナゾの構成もあったり。

要は、カタカナに置き換えた時点で、それはもはや英語ではなく外来語なので、意味不明でも説明不要となり、日本語の体系の中に無理やり組み込まれてる、ということなんでしょう。

そうなると、タイトルの最後の「s」が落ちる、なんてのは複数を意識しない日本語への適応としては当たり前の部類に属するわけです。

冒頭のエッセイで話題になったのは、タイトルにつける「ザ」なんですけど、大抵のカタカナタイトルだと省略されるものなのだそうです。外来語としての「ザ」には集大成、といった意味合いもあるらしい。

だとすると、
‘the Lord of the Rings’が「ロード・オブ・ザ・リング」なのは
お約束のs省略に加え、
頭のtheは出さないくせにうしろの「the」は入れるという基本に忠実で、
カタカナタイトルの付け方の見本みたいな作品だということですね。
(「ザ・ロード…」とやったら、「これぞロード・オブ・ザ・リング」って意味になるわけだから、総集編を出すときにはいいかも♪)
邦訳についてはだいぶ異論があったけど、カタカナになった時点でもう英語じゃないんだから、
これはこれでいいんじゃないの、と思います。

中国語だったら(日本語にすると)「魔の指輪」「指輪王」という訳ですが、
邦題としては付けづらいでしょうね。
だとしたら、日本語訳を創作するしかないでしょうが、
「指輪の王」はマヌケだし、「指輪物語」は甘口すぎるから勘弁して欲しいし。

ところが、映画タイトルの頭に「ザ」がついてる例もある。
著者によると、それはアクション映画やミステリー、ホラー映画なんだとか。
「ザ・ロック」「ザ・リング」…
うーむ。
日本語でタイトルにわざわざ最初に「ザ」をつける場合は、どうやらこれらの分野に属する映画という目印になる、というご意見で、なるほどと思いました。逆に、これらに属さないとなったら「ザ」は削除してしまう訳です。

おや、ピーター・ジャクソン版「ロード・オブ・ザ・リング」はホラーなんだから、やっぱり頭の「ザ」が要るんじゃないの…?
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by silverspoonsjp | 2006-03-20 01:07 | プチ日記