本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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おすすめSF その8 どんどん新しくなる遺跡の謎-「時間衝突」

安静状態も4日目になると退屈で退屈で、つい起きあがって本を読み出してしまいました。寝てると本を読めるというのはウソで、遠視気味の私には間近で本を読むのは辛いです。やはり健康第一ですね。

外に出られないのでせめて大ボラ系のSFを…と思って取りいだしたるはベイリーの長編。またしても「ありえねー」系のタイムトラベルものであります。

異星人の侵攻に怯える地球では、過去に撃退した異星人の遺跡調査が重要な任務として遂行されていました。考古学者のヘシュケはそんな中、奇妙な写真を入手します。それを信じるならば、異星人によって過去に作られ、破壊によってすでに放棄された遺跡が、現在に向かってどんどん新しくなっていくのです。

そんなアホな…。

しかし事態は彼の考えるよりずっと深刻でした。異星人はすでに時間を遡る機械を持っており、地球でも密かにその複製品が作られ、研究が進められていたのです。

後に書かれた「禅銃〈ゼン・ガン〉」でさらに大増量される、延々数ページを占領するゴタクの数々(今回は時間の概念についてみっちり教えて頂けます)に耐えられるかどうかが、この本を楽しめるかどうかの分かれ道-とは私は思いませんで、そんなページはひょひょいとタイムトラベルして先を読んでも、特に大筋に影響はないのであります。

しかし、時間というものの正体は一体何かということについて考えるには良いきっかけとなることは確かです。ただし、過去の出来事は見えるが、未来の出来事は起こっていないので存在しないという本書の考え方について我が家では大激論となりましたので、このくだりは平和を望むご家庭では特にワープした方が吉でしょう。

さて、複製されたタイムマシンに乗り、遺跡の謎を解くために送り出されたヘシュケには、思いも掛けない展開が待ち受けていました。時間を自由に操る技術を持った(なぜか)中国系のレトルト・シティとの邂逅、恐るべき運命に捉えられた地球の行く末など、著者一流の派手な話が展開いたします。

ちょっと過去へ行って一儲け、とか、ステキな運命の彼氏をゲット、とか、意外にささやかなお話の多いタイムトラベル・ジャンルのお約束をなぎ倒し、宇宙が道連れのタイムトラベル、果たして明日はどっちだ?!

バリントン・J・ベイリー 著
大森望 訳
創元SF文庫

長編
ハードSF度   ★☆☆☆☆(「竜の卵」を★5とカウント)
ファンタジー度  ★☆☆☆☆  
個人的好み   ★★★★☆

〈お好きかも〉
設定資料を読むのが好きな方
タイムトラベルものが好きな方
このさい、煙に巻かれてやってもいいという寛大な方
ベイリーのファン

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by silverspoonsjp | 2006-10-08 22:01 | センス・オブ・ワンダーの本