オススメSF その12 圧倒的な破壊力- 「象られた力」(かたどられたちから)
2007年 02月 06日
表題作は圧巻。これは読んで頂くしかありません。
非常にユニークな作品です。褒め言葉以外見つかりません。
って言うか、中味に触れずに紹介するのは困難。
私が読んで最初にイメージしたものは「プリオン」。
で(えっ、もう終わり?)、
すごい筆力なので、かなりリアルに情景が想像できるため、読み終わった後、ちょっと気持ち悪くなるかも…(ホラーではないんですけど)。
2004年出版の本なんですが、ごく最近2つほど巻頭作「デュオ」を思い出させる邂逅があったので、何か引き合う力があるのかなとしみじみしてしまいました。
「デュオ」というのは、ピアノ調律師を通して描いた、とあるピアニストの物語なんですが、2007公開になった「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」と登場人物の設定が似てるので、おおっ!と思ったわけです。過去にも同様の設定を使った作品はありましたが、その枠をどう生かすか、ここが作家の腕の見せどころ。本作は最後の飛躍がSFらしくて好きな作品です。
飛浩隆著
ハヤカワ文庫
ISBN: 415030768
中編
ハードSF度 ★★★★☆(「竜の卵」を★5とカウント)
ファンタジー度 ★★☆☆☆
個人的好み ★★★★★
〈お好きかも〉
グレッグ・イーガンのファン
ミステリー、ホラーのファンもいけるかも(私は両方とも苦手だけど、この本は面白かった)
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by silverspoonsjp
| 2007-02-06 23:45
| センス・オブ・ワンダーの本