本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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図書館戦争

世間様は春闘ということで、ふだんはあまり聞かない業界ゴシップ、業界ニュースが飛び込んで参ります。

なかでも驚いたのは、岩波書店が訴えられた、という話。岩波書店が出した沖縄戦に関する本が、名誉毀損に当たるとして裁判になっているそうです。

この件に関しては原告・被告双方の関係者の記事しか見つからなかったので、詳細を知りたい方は検索して両方読んでみてください。

この訴訟に勝ったところで、特段名誉が回復されるとも思えませんが、訴えている側は、この手の本を出すと厄介なことになるからやめとこう、と、出版側が自主規制する風潮を作りたいんでしょうね。

それにしても、高額の経費や弁護士団を用意して、戦争に反対する個人や出版社をバッシングして回る人たちって、何が面白いんだろ。それに、これがネオナチとかブッシュ支持者の話だったら冷静に反対できる人たちでも、こと自国のことになると、自虐的なのは良くないとか思っちゃうのはなぜかな…。

と、先行き暗そうなところで、なんかこれがSFじゃなくなったらやだな、という小説を読んでしまいました。

その名も 「図書館戦争」 (有川浩 著)。

中味もタイトル通り(ええーっ!?)
公序良俗に反するという名目で抹殺されてしまう本を、武装して守る図書館(と図書館員たち)の話です。

登場人物の描き方とか文体が軽いのが、ちょっと好みに合わなくて、30ページくらいでギブアップしてしまいましたが、私の頭がもうちょい柔らかかったら面白く読めたかもしれません。この荒唐無稽な話を考えついたきっかけが、この本の扉に掲載されている「図書館の自由に関する宣言」という、本当に各図書館に掲げられている決議文である、というエピソードが、自分にとっては一番面白かったです。

図書館の自由を守るために、

第1 図書館は資料収集の自由を有する
第2 図書館は資料提供の自由を有する
第3 図書館は利用者の秘密を守る
第4 図書館はすべての検閲に反対する
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。


どうですか…?カッコいいでしょ。確かに、何かお話が書けちゃいそうです。でも、勇ましいばかりじゃありません。前文には、こんな一文もあります。

わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。

検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館は、これらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。
それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいることなく、国民の知る自由を守る。


こうまでして守って貰えるような本を出してるのか、だんだん疑問になりつつあるけど…。

宣言の原文はこちらからどうぞ。
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by silverspoonsjp | 2007-02-17 02:40 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(0)