本と読書をめぐる冒険


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詩的遊戯術〈黄金の馬車叢書Ⅰ〉/未生 響 著 

a0003079_234249.jpgプライベート出版社、空中線書局による、さりげない造本も洒落ている本です。

作者によれば「言語遊戯」には、暗号やクロスワードなど遊び自体が目的のもの、掛け言葉など修辞上の技巧、そして言葉を使う本人にも予想外の驚きをもたらす、「詩的遊戯」があると言います。

たとえば、ランダムに単語を選んで、そこから連想を広げる「言葉のコラージュ術」、レイモン・ルーセルが使った「類音異文」(彼の著書「アフリカの印象」Impressions d'
Afrique〈アンプレッション ダフリック〉は、「自費出版」Impression a fric〈アンプレッション アフリック〉という言葉から連想されたものだとか。)等々、上げられている例はフランス語のものですが、とても面白いです。中でも、音響詩というのは圧巻(厳密には詩的遊戯ではない)でした。「樹」を「樹」といわず、自分で作った響きのよい言葉に入れ替えてしまい、全体として、とても響きはいいけど他人には何のことだかわからない詩を作ってしまうなど、まさに遊戯の極北の例が出ています。…といっても、英語もよくわからないくせに英語の歌を聴いているときは、ただ響きだけを楽しんでるわけでして。これからは「音響詩」をたのしんでるんだと思うことにしますかね(;;)

何の変哲もない材料から金が生まれる錬金術のように、日常的な言葉の組み合わせだけで豊かな世界を創り出すイマジネーションに感動する1冊。

76ページ
2004年 
書肆啓祐堂(サイトはこちら
1500円(税込)

空中線書局の手製本展についてはこちら
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by silverspoonsjp | 2004-07-07 23:44 | センス・オブ・ワンダーの本