本と読書をめぐる冒険


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クレーの旅

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自分が、作品としての絵画というのを初めて意識したのは、クレーの絵ではないかと思います。母の趣味で、実家の玄関先に額装(って言ったって、ポスターですけど)したのが無造作に置いてあったのです。そして私は子ども心にこう思っていました。

こんなデクノボーみたいな絵のどこがいい?!

で、今は違うよね、と言われると、うっと詰まる自分がいるのですが、ま、何ですよ、残念ながら、趣味が合わないんでしょうね…念のために言いますが、抽象画が嫌いな訳ではありません。クレーが気にくわないだけです。それもたぶん、美術の課題でクレーの絵を示されて、貼り紙細工をやれとか言われたせいだと思います…(憎)

で、そんなクレーの本をつい買ってしまうあたりに人生の悲哀を感じて頂きたい訳なのですが、それはさておき、

「詩を書くことと 詩人であることとは 別なのだ」

とクレーは日記に書いているそうです。クレーは画家ですから、単に絵を描くという段階から画家になるという段階があるわけですが、その契機になったのが北アフリカ、チュニジアへの旅でした。

本書は、ほとんどを占めるクレーの作品と、わずかな解説文と、クレーの日記、手紙、クレー研究家へのインタビューからなる非常にあっさりした作りの本です。ある意味、クレーばりにフラグメントから出来ていると言えなくもありません。しかし、ごたくばかり並べてある研究書に飽き飽きしている者にはすがすがしく読めました。

新藤信 文
コロナ・ブックス
1600円
平凡社
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by silverspoonsjp | 2007-11-07 23:53 | 素敵なヴィジュアルの本