本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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外国語をマスターするには?その2【付け足し】

さて、前回、外国語は嫌で嫌でしょうがないけど、
外国語で良い点を取らねばならない人はその言語の主に文法を勉強するしかない、
という話を書きました。

この方法は、試験の点数を上げる最短距離で、さして英語も読まずに済みます。ですから、英語が嫌いだったり、とにかく点さえ取ればOKならばオススメの方法です。

しかし!良いことばかりじゃございません。この方法には欠点もあります。
「聴く」「話す」には効かない、もしくは悪影響さえ及ぼしかねない、という点です。

なぜかというと、通常、英文法は日本語を通じて理解するため、
英語→日本語に直す→理解する
というパターンに陥りがちだからです。これでは音声にはついていけません。特に日本語と英語はかなり語順が違うので大変です。処理スピードを上げようとしたら、通訳なみの特訓が必要でしょう。

じゃあ、いちおう会話や聞き取りもしたいと思ってる人はどうするか。

そこで大事なのが「何のために勉強するか」、その目的です。

思うに、いつまで経っても外国語が上達しない…
その最大の理由はまず、

勉強する必要に迫られていない

からでしょう。

逆に言うと、勉強する必要に迫られていたり、英語にはまる、または何かを知りたい、という強い動機があって英語を始めるなら、どんなルートを通っても上達は間違いありません。

あなたが「語学の天才」で、特段努力しなくても他言語が操れるならともかく(そういう人は確かに存在する)、凡人はそれなりの時間と集中力を費やして外国語を習得しなければなりません。来年から海外赴任する、上司が外国人だ、翻訳されてないけどどうしても読みたい本がある、外国人をナンパしたい、等々、動機は不純でも一向に構いません(いやむしろ不純な方が…あ、何でもないです)。とにかく強い動機があるほど、言葉は上達します。将来何かの役に立つかも…くらいの考えで始めるのは、ハッキリいって時間の無駄です。

もちろん、語学が趣味なら、話は別ですが。(←私の場合は、実はコレ…^^;)

振り返れば、日本語を「書ける」ようになるまでに、どれほど時間がかかったことか。
第二言語を習得するにもそれ相応の時間がかかって当然。

この時点で一番の罠は「中高で6年間も習ったのに…」という考えです。
週に3時間から多くて7時間、総時間にして2200時間程度じゃ日数に直して91日分にしかなりません。それで出来るようになったらマジに天才です。

この状況は世界の中でも幸運な部類に入るのではないでしょうか。ま、日本だって例えば理系だったりすれば、いまや論文は英語必須ですけど、一般人は英語が出来なくたって困りませんからね。宗主国の言語ができないと、二等市民で終わってしまう国々とはエライ違いです。
…と言われたって、せっかくやるからには上達したいですよね。それならば、入り口が強烈でない分、出口にがっちり目標を設定しましょう。

で、目標が例えば、外国人と直接コミュニケーションを取りたいというものなら、「聞く」ことから始めるのがオススメです。特に日本人は視覚によるコミュニケーションに頼りがちで、どうしても、文字による情報に頼ろうとしがちです。そうではなく、例えば、ネイティブの人が身近に居れば、しゃべってもらって、その言語を注意深く聞くんです。

以前、私の家に、日本語を知らない人がホームステイしに来たことがありました。うちの家族が全員日本語で応対したため、どんなときに何と言われるか、非常に良く観察していました。数日経つと彼は「日本人は電話の最後と別れ際には『じゃーねー』という」「お辞儀をする相手には「じゃーねー」ではなく、『じゃ、…しつれいします』という」ことを発見してました。日本語に敬語があることは知らなかったと思うんですが、語調や表情から、「じゃーねー」が軽い言葉だと気づいたようです。

残念ながら、こういう24時間外国語漬けという状況は留学でもしない限り無理なので、このやり方には限界もありますが、母語を介さずに考えるクセを付けるのは重要です。

さもないと、いつも言いたいことを日本語で考えてから訳すことになり、それでは会話のスピードについて行けません。第一、伝えたい内容を言葉にするとき、大抵はそれぞれの言語で発想が違うので、通訳の訓練でも受けていない限り、すぐに頭を切り換えるのは難しいと思います。

私は英語と中国語を勉強しましたが、方法は途中まで180度違いました。

中学校で英語を習い始めたときは、今みたいに会話なんてなく、授業はひたすら英文和訳と英文法でした。中国語は、いきなり中国で、最初は漢字を介さず、会話と文法、のちに作文を習いました。最後まで授業で使われる言葉は中国語のみです。中国では常に「たくさん聴き、たくさん話し、たくさん読み、たくさん書け」と教えられてきました。学習もこの順序で行います。

結局、英語は10年以上習ったのに会話はしどろもどろ、知らない単語が出ると思考がストップし、ネイティブ同士の話はほとんど聞き取れないのに対し、1年習っただけの中国語は、流暢とは言えないにしろ、ネイティブ同士の会話に混ざることができますし、知らない単語はスルーして話の筋を追うことができます。

個人の経験談なのでご参考にもならないかも知れませんが、とにかく、学習方法を変えただけで違う結果が得られることがある、かもしれない?ので、今やっている方法が合わなかったら、別の手に乗り換えてみるのも良いんじゃないでしょうか。

じゃあ、文法なんて役に立たないんだ、という話ではありません。文法を学ばず、自分で自然にルールを見つけだすには時間がかかります。それに我が身を振り返ってみれば、日本語で文章が書けるのは学校で文法や言葉づかいを習ったおかげなのですから。

なお、目標が翻訳者や通訳者になることであれば、最終的には日本語から他言語、他言語から日本語へスイッチできるような訓練も必要ですし、双方の言語の多読の重要性もぐんと増します。


ということで、具体的な練習方法はその3に続く。
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by silverspoonsjp | 2008-03-08 23:59 | 英語の本