第九の季節 第4楽章
2008年 12月 14日
本日某所にて、イギリスのクリスマスのごちそうって何ですか、と質問したところ、こんなのがある、と教えてもらいました。その名も「マルチバード」といい、こんなものです。
親ガメの背中に小ガメが…じゃなくて、大きな鳥の中に小さな鳥を詰めて、そこにまたもっと小さな鳥を詰める…というもので、なんと↑上の記事では12種類もの鳥が入ってます。その話を聞いてたアメリカの人が、じゃ、一番外側の鳥はダチョウ?とせせら笑ったところ、「いや、白鳥だよ!(swan)」と澄まして答えてました。イギリスでは白鳥は全て王様のもの。特別な許可がないと食べられないのですが、ケンブリッジはその特別な許可をもらってるのだとか(←ヒアリングに自信がないので、間違ってたらすみません)。
私はそれを聞いて、エリザベス女王から中国に贈られたハトの話を思い出しちゃいました。大事に飼われてたそうなんですが、逃げ出したら現地の人に食べられちゃったらしい(前にも犬を贈って食べられちゃった(らしい)のに、懲りないな、イギリスも…)。食べちゃった人は地元警察に逮捕されたそうですが、被告に警官はじめ皆がした質問は「で、おいしかった?」だそうな…。
そういや、第九の話でしたね…
勝利の美酒に酔った先の副将軍・ツム爺ご一行…もとい、勇士たちが行進してゆくと、ひとしきり、オーケストラの演奏のみになります。戦場になり響くラッパか銃声のように、フルートとオーボエ、第一バイオリンの♪ぱぱーん、ぱぱーん♪という和音が入り、弦楽器は細かく音を刻んでいきます。ある指揮者はここの不安定な和音を、ローマ軍の戦車が車輪を傾けながら疾走する情景をイメージして…と指示していました。
この戦車競技の間、合唱団は「フロイデ!」を叫ぶために、うずうずしながら待っているのですが、入りのタイミングがなかなか難しい。
オーケストラがにわかに音量を下げ、オーボエとファゴットが、♯レーミファ、半音下げてレーミファ、最後にホルンが乗っかってファーソラときたら、やおら「フロイデ!!」と出るんですが、指揮者の先生によりますと、そのココロは…
「勝利の美酒にほろ酔い加減のオトーチャンが、手みやげを下げて千鳥足で帰ってくる!(♯レーミファ)」
「さすがに午前様なんで、家に着いたら電気も消えてて、一気に酔いが冷める(レーミファ)
「と思ったら、電気がついて、小さな娘がパパー!!と抱きついてくる!」(ファーソラ)そらきた、
「フロ(ロはいつもの倍巻き舌に!)イデ!!!」
この流れでお願いします。
この後は華々しく、「第九のメインテーマ」の大合唱+オーケストラのフル演奏となります。ただ、相変わらず音が高いんだな~。1番歌ったら息が切れちゃって、2番は声が小さくなる人続出なので、いつも注意されます。
と、ここでト長調に転調し、拍子が2分の3に変わります。そしてここが初お目見えの、荘厳なメロディーが現れます。歌詞も一段と高尚に…またまたカワイ版から引用させて頂きますと、
いだきあえ、幾百万の人びとよ! このくちづけを全世界に!
兄弟よ!星空の上に、愛する父なる神が住んでいるに違いない。
そして、わたし的には、歌詞のこの部分があるからこそ、この歌は1年の締めくくりに歌われるにふさわしいんだと、思うわけです。
指揮者の先生がおっしゃるには、この歌はハイになっちゃってもう大変「飲めや歌えの花火大会パート」とマジメで眉間にしわが寄ってる「全世界にくちづけを!パート」に分かれており、極端に言えば、この2つでは人格も変えて歌わねばならない(ホントすか?)とのことであります。
で、ここでは男声が「いだきあえ、幾百万の人びとよ」と力強く入ると、アルトとソプラノがそれに応えて「いだきあえ、幾百万の人びとよ」と歌うわけですが、ここは男声がユニゾンになるためベッタリしがちで意外と難しく、上手く誘わないと女声がヤダーって逃げちゃうからね…といつも諭されております。
もひとつ注意されがちなのは、歌詞の区切り方。
ein lieber Vater wohnen(アイン リーバー ファーター ヴォーネン;愛する父がおわします)を、ついリーバー(息継ぎ)ファーターヴォーネンって切っちゃうんですよね。リーバーファーターで愛する父なんだから、切らないであげてよ…っていつも言われるんだけど、メロディーがちょうどそこで切りやすいんだもん。CDで聞くと、たいていどの演奏でも、ここを切っちゃっています。私たちだけが悪いんじゃないやーい!!
と居直っているうちに、いよいよ恐怖の「Adagio ma non troppo, ma divoto(アレグロ マ ノン トロッポ、マ、ディヴォート)」、すなわち「荘厳に」パートに突入致します。
後に控えしドッペルフーガより、考えようによっちゃ難しい(そして、失敗するとすれば大体ここ)、魔の12小節、いったいナニが難しいのか、それはまた続く!!(←終わるのか…?)
親ガメの背中に小ガメが…じゃなくて、大きな鳥の中に小さな鳥を詰めて、そこにまたもっと小さな鳥を詰める…というもので、なんと↑上の記事では12種類もの鳥が入ってます。その話を聞いてたアメリカの人が、じゃ、一番外側の鳥はダチョウ?とせせら笑ったところ、「いや、白鳥だよ!(swan)」と澄まして答えてました。イギリスでは白鳥は全て王様のもの。特別な許可がないと食べられないのですが、ケンブリッジはその特別な許可をもらってるのだとか(←ヒアリングに自信がないので、間違ってたらすみません)。
私はそれを聞いて、エリザベス女王から中国に贈られたハトの話を思い出しちゃいました。大事に飼われてたそうなんですが、逃げ出したら現地の人に食べられちゃったらしい(前にも犬を贈って食べられちゃった(らしい)のに、懲りないな、イギリスも…)。食べちゃった人は地元警察に逮捕されたそうですが、被告に警官はじめ皆がした質問は「で、おいしかった?」だそうな…。
そういや、第九の話でしたね…
勝利の美酒に酔った先の副将軍・ツム爺ご一行…もとい、勇士たちが行進してゆくと、ひとしきり、オーケストラの演奏のみになります。戦場になり響くラッパか銃声のように、フルートとオーボエ、第一バイオリンの♪ぱぱーん、ぱぱーん♪という和音が入り、弦楽器は細かく音を刻んでいきます。ある指揮者はここの不安定な和音を、ローマ軍の戦車が車輪を傾けながら疾走する情景をイメージして…と指示していました。
この戦車競技の間、合唱団は「フロイデ!」を叫ぶために、うずうずしながら待っているのですが、入りのタイミングがなかなか難しい。
オーケストラがにわかに音量を下げ、オーボエとファゴットが、♯レーミファ、半音下げてレーミファ、最後にホルンが乗っかってファーソラときたら、やおら「フロイデ!!」と出るんですが、指揮者の先生によりますと、そのココロは…
「勝利の美酒にほろ酔い加減のオトーチャンが、手みやげを下げて千鳥足で帰ってくる!(♯レーミファ)」
「さすがに午前様なんで、家に着いたら電気も消えてて、一気に酔いが冷める(レーミファ)
「と思ったら、電気がついて、小さな娘がパパー!!と抱きついてくる!」(ファーソラ)そらきた、
「フロ(ロはいつもの倍巻き舌に!)イデ!!!」
この流れでお願いします。
この後は華々しく、「第九のメインテーマ」の大合唱+オーケストラのフル演奏となります。ただ、相変わらず音が高いんだな~。1番歌ったら息が切れちゃって、2番は声が小さくなる人続出なので、いつも注意されます。
と、ここでト長調に転調し、拍子が2分の3に変わります。そしてここが初お目見えの、荘厳なメロディーが現れます。歌詞も一段と高尚に…またまたカワイ版から引用させて頂きますと、
いだきあえ、幾百万の人びとよ! このくちづけを全世界に!
兄弟よ!星空の上に、愛する父なる神が住んでいるに違いない。
そして、わたし的には、歌詞のこの部分があるからこそ、この歌は1年の締めくくりに歌われるにふさわしいんだと、思うわけです。
指揮者の先生がおっしゃるには、この歌はハイになっちゃってもう大変「飲めや歌えの花火大会パート」とマジメで眉間にしわが寄ってる「全世界にくちづけを!パート」に分かれており、極端に言えば、この2つでは人格も変えて歌わねばならない(ホントすか?)とのことであります。
で、ここでは男声が「いだきあえ、幾百万の人びとよ」と力強く入ると、アルトとソプラノがそれに応えて「いだきあえ、幾百万の人びとよ」と歌うわけですが、ここは男声がユニゾンになるためベッタリしがちで意外と難しく、上手く誘わないと女声がヤダーって逃げちゃうからね…といつも諭されております。
もひとつ注意されがちなのは、歌詞の区切り方。
ein lieber Vater wohnen(アイン リーバー ファーター ヴォーネン;愛する父がおわします)を、ついリーバー(息継ぎ)ファーターヴォーネンって切っちゃうんですよね。リーバーファーターで愛する父なんだから、切らないであげてよ…っていつも言われるんだけど、メロディーがちょうどそこで切りやすいんだもん。CDで聞くと、たいていどの演奏でも、ここを切っちゃっています。私たちだけが悪いんじゃないやーい!!
と居直っているうちに、いよいよ恐怖の「Adagio ma non troppo, ma divoto(アレグロ マ ノン トロッポ、マ、ディヴォート)」、すなわち「荘厳に」パートに突入致します。
後に控えしドッペルフーガより、考えようによっちゃ難しい(そして、失敗するとすれば大体ここ)、魔の12小節、いったいナニが難しいのか、それはまた続く!!(←終わるのか…?)
by silverspoonsjp
| 2008-12-14 21:54
| プチ日記