本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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第九の季節 最終楽章

もうあと2週間で今年も終わり。
ちまたではここぞとばかり、宴会が開かれていることでしょう。

そして、正しい日本の宴会にはコレが必要。

さあ、お手を拝借!

ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぱん!

ありがとうございましたー!ぱちぱちぱちぱち…。
〆はこうでないとね…。

当然、年の瀬を締める大一番、第九の〆もこのノリで参りますよ。
なお、この記事を最初からご覧になりたい方は、序章からどうぞ。

世にも美しい10小節が終わると、弦楽器チームがきょと、きょと、きょときょときょときょと…と、挙動不審のカッコー鳥みたいなメロディーを奏でます。時あたかも Poco allegro,stringendo il tempo,semple piu allegro。つまりこの8小節は
常に切迫した速さで!

終わると、そらきたっ!Prestissimo(プレスティッシモ)攻撃だ!
プレスティッシモ、それはすなわちメチャメチャ速く!
メトロノーム132でカッツンカッツン振り切れそう!

メチャメチャ速い序奏4小節の後、合唱団が歌います。

ザイトゥム シュルンゲン ミリオーネン ディーゼン クス デア ガンゼン ヴェルト!
いだきあえ、幾百万の人びとよ!この口づけを全世界に!

出ました、お懐かしや「いだきあえ」パートです。
しかーし!ここの演奏記号は、またの名を早口大会とも言われる、「プレスティッシモ」様ですよ。「ザイトゥムシュルゲンミリオーネン」の持ち時間、2秒くらいですよ。どうやって発音せいと言うんですか。

何とかこの早口を規定の拍数に押し込むため、指揮者の先生はやおら両手を広げ、
「はい、それではお手を拝借!」

さん さん ななびょーし!!せーの、

ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱぱ ぱぱぱん
ザイトゥム シュルンゲン ミリオーネン ディーゼン クス デア ガンゼン ヴェルト!

うりゃ

ぱ ぱ   ぱん、     ぱぱ ぱん、 
ザイトゥム シュルンゲン ミリオーネン 

ぱ   ぱ  ぱ  ぱ  ぱ ぱ   ぱん
ディーゼン クス デア ガンゼン ヴェルト!

おお、できた!
つか、本当にこのリズムですね、驚いた。
しかも、伴奏にオーケストラが入ると、シンバルが、ちょっと間は抜けてるものの、ちゃんと337拍子をやってる(借りも借りたり、でっかいお手ですなあ)のが笑える。

もうこの辺になると、シラーもベートーベンもどっちでもいいって感じ。
こうだから、第九は下品とか言われてしまうのでしょうか。
でも押し詰まって後がない!ってこの切迫した雰囲気が年末にぴったりだから、許してやってくださいな。

間に、えーらやっちゃ、えーらやっちゃ、えーらやっちゃとしか聞こえない間奏3小節をはさんで、勢いついたまま、兄弟よ!星空の上に愛する父なる神が住んでいるに違いない。に突入。

あっ「住んでる」(ヴォーネン)が入ってる、やな予感がする、と思ったら、繰り返し部分でここがやっぱり「」に上がる!しかしソプラノは譜面よりも舞い上がってるので、ここを外す人は滅多にいません。もう行け行けどんどん。

抱擁せよ、抱擁せよ、この口づけを全世界に!
抱擁せよ、抱擁せよ、この口づけを全世界に! 全世界に!


もうこの辺まで24小節くらいずーっとラとかソとかなんですけど、もはや舞い上がっているので誰も気にしない。そして、大詰めはやっぱりこの言葉。

フロイデ!
フロイデ シェーネル ゲッター フンケン!


歓喜よ、美しい、神々の火花よ!

ちなみに、ここの頭の「フロイデ」が、全曲中一番強く歌うように、と言われております。巻き舌もいつもより多く巻く!フルルルルルルオイデ!

ところが、ここで終わらないところが、ベートーベンのもったいぶってるところ。

なぜかいきなりブレーキを踏んで、曲はMaestoso(マエストーソ、荘厳に)に代わります。
速さは先ほどから50パーセントダウンの60へ。
そしてついに、最後の歌詞になります。

トフター アウス エリジウム
楽園の乙女たちよ!

フロイデ シェーネル ゲッター フンケン! ゲッター
歓喜よ、美しい、神々の火花よ、神々の


ここでまためちゃめちゃ速いプレステッシモに!って歌では最後の1小節だけですが!

フン犬!
花火よ!

この後はオーケストラが、最後のご奉仕とばかりスターマインは上げるは尺玉は上げるは、阿鼻叫喚の花火大会を繰り広げます。

そしてジャン!と終わったところで、観客の皆様におかれましては、一番大事な儀式がございます。ここですかさず、

玉やーーー!!

じゃないや、ブルルルルルアボー!!をお願い致します。
この曲に限っては、どんなヘタな演奏でもこれでオッケー。大向こうからのかけ声のない花火大会なんて、寂しいじゃないですか…

というわけで、観客参加型イベント、第九も無事終了。なんか練習がとてもハードで腹筋が痛くなりますが(←あまりに笑いすぎたのでお腹の皮がよじれたという噂もあるが、この際無視)、面白そうでしょ?来年は是非、ご一緒に歌いましょう。

来年はまだ先だしなーと思う方、今年はN響の第九で締めてみてはいかがでしょうか。平日ならまだチケットがあるようです。詳細は こちら


あるいは、NHK教育で大晦日の午後8時から(BSは午後13時から)放送もあります。
詳細は こちら

それでは、本シリーズもこれにて終了。ご静聴(?)ありがとうございました。玉や~!!
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Commented by Thaun at 2008-12-20 19:44 x
大変ご無沙汰いたしておりますm(_ _)mお元気そうでなによりです。

「第九」の解説、楽しく読ませていただきました。
私のパートはSopなので、そうよ、そうなのよ、高いところは大変なのよ、最後は五尺玉の打ち上げ花火ドンドン、ナイアガラ花火がバチバチバチバチっといくのよ、と納得&頷くところ多々の連載でした。
実は私、フーガの部分、特に「高いラーーー×13小節」が好きなんですよ(←変人)。あのフーガに早くたどり着かないかと思っている位でして。
最初は、他のSopの人に「私、あのラはどうやっても無理。後は頼んだ」と託されることが多くて、「私だって出ないんだけど…」と渋々歌っていたのですが、だんだん苦しまずに出るようになってきまして、高い苦しい息が続かないと悲鳴を上げていたのがウソのよう。嗚呼、慣れとは恐ろしくも素晴らしい。あの瞬間芸的「高いシ」も抵抗がありませんが、あれはフォルテだから何とかなるようなもので、ベートーベンが意地悪根性を出して、ピアニッシモのところにあの音を使っていたら、まず間違いなく無理です(^^;)
でも、ここ6年くらい歌っていません。高いソも出ないだろうなぁ。高いラ×13小節なんて、もう、絶対無理。
Commented by elfarran_in at 2008-12-20 23:52
ドコに帰着するのか、息をのんで見守って参りました(爆笑)
いやぁ~そんな歌詞だったんですね!
必ず耳にするヨロコビの歌♪っても
その歓喜の内容は意外と知らないモンですなぁ。。。
感服致しましてゴザリマスゾ!
友人でコーラスやってるヒトがクレのダイクに今度Tryする
コトがあれば、面白いので聞きに行くことにしますわ
(* ̄m ̄)プッ
Commented by silverspoonsjp at 2008-12-24 00:05
☆Thaunさん
こんばんは。おっ、メリー・クリスマス!こちらこそ、ご無沙汰しております。Thaunさんもソプラノでいらしたんですね。それにしてもあのラ×13がお好きだったとは、さぞかし皆さんの人気者だったことでしょう、「後は頼んだ」って。(笑)

あそこ、交代でこっそり息継ぎしてね、と言われていたのに、みんな同じタイミングでブレスして苦笑いしたことがありますよ。あのときThaunさんが居てくださればねえ…。

毎年同じ歌をうたってると飽きちゃうということもあるのですが、機会があれば、ここは一つ、ボランティア精神でぜひ。
Commented by silverspoonsjp at 2008-12-24 00:08
☆Elfarranさん
メリー☆クリスマス!
歓喜の内容?それはもちろん難攻不落の城壁が破れ…(G=(^。^G))
暮れの第九にいらっしゃるなら、最後のぶらぼー!のご発声はよろしくお願い致しますね。それから、妙なタイミングで吹き出したり、なさいませんように…。
by silverspoonsjp | 2008-12-20 23:45 | プチ日記 | Trackback | Comments(4)