本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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まったき動物園

【練習問題】

センター試験もやっと終わったところで恐縮ですが、問題です。

以下は短詩です。英文を日本語に訳してみなさい。

The Posby goes into a trance
In which it does a little dance.



できましたか?
ナニ?わかんない単語がある?
しょうがないなー、サービスね、サービス。

The Posby : ポスビー(生き物の名前)
goes into a trance: トランス状態になる
In which:その中で
it:それは
does:~する
a little:ちょっと
dance:踊り

…わかりましたか?





ハイ、それでは答え合わせをしてみましょう。

【柴田元幸先生による模範解答】

ポスビーは 忘我の境(きょう)に 浸りつつ
繰り広ぐるは ささやかな舞。


ああー、受験生の皆さん、暴れるのはやめてください~~~!
そう、全ての単語の意味を日本語で書いてもらっても、
出てきませんて、こんな訳。

しかも意味はまったくその通り。
これはまったきプロのお仕事。

ホント、前回「うろんな客」の時も思いましたが、
どうやったらこんなことが出来るんだろうと不思議でたまりません。

原著の価値を3割増しに高める訳業に加えて、
日本語の活字の選び方や並べ方など、造本も良いお仕事ぶりです。
カバーを邪魔する無粋なバーコード類はシールに印刷して、
きれいさっぱり剥がれる工夫がしてあるのも嬉しい。
さすが河出。

本はいつものエドワード・ゴーリーぶりに、
26匹の幻獣が見開きに1匹ずつ登場し、どんな生き物であるかという説明の短詩が添えられている、ありていに言って、ただそれだけの本です。

しかも、訳者の言葉を借りれば
「華麗であったり、雄々しかったり、温かく優しげだったりすることは絶対ない。どれもみんな、情けなかったり、あさましかったり、影が薄かったり、むさくるしかったり、性格が悪そうだったり、ただ単に訳がわからなかったり、とかそんなのばっかりである。」
あ、おまけにモノクロです。

買う価値あるんだろうか、そんな本、と思う方はいないでしょうけどいちおう背中を押しとくと、怖いものみたさでホラーを見るならば、ヘンなものみたさでこの本を読んだって悪くはないというか、そういうことです。

「まったき動物園」
エドワード・ゴーリー著
河出書房新社 1000円

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Commented by elfarran_in at 2009-01-27 01:23
おおおぉ~♪
ゴーリーが千円は高くないですよね。
しかもそんな一粒で二度美味しい♪みたいな
解説されると財布はたいてみたくなるぢゃありませんか!
思いっきり本を処分してる最中なので、本屋には
近寄らない、熱帯雨林もあけない!というラマダンを
続けているのですが・・・・・
そうよ、本は図書館で借りましょう!お家はすっきり
シンプルに暮らしましょう←辺りを美しく訳して欲しい。
Commented by ラッコ庵 at 2009-01-29 00:37 x
翻訳って結局は日本語なんですね・・・。
語学力は当然として。
Commented by silverspoonsjp at 2009-01-29 22:42
☆elfarranさん
世の中すべてのラマダンには、「ラマダン明け」というものがあるのですよ。朝から晩までぽちっとな状態!親戚一同集まって読書会!ご存じなかったですか、ふふふふ…( ̄ー ̄)ニ
Commented by silverspoonsjp at 2009-01-29 22:46
☆ラッコ庵さん
うまい人の翻訳を見ていると、元の文章の「キモ」を良く捕まえてるなーと思います。そういう人はどっちの言葉もセンスよく使えますよね。羨ましい。
by silverspoonsjp | 2009-01-22 23:31 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback | Comments(4)