本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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それは一通のメールから…

ある日メーラーを立ち上げると、Amazon.comから妙な品物のお知らせが届いていました。

「キンドル-アマゾンの無線読書装置。英語書籍を100カ国以上の地点から60秒以内で購買可能。クリスマスの贈り物として好適」


一読した時点では、またケッタイな電子本を薦めてきたものだこと、どうせリブリエとかと同じで長続きしないに違いない…とスルーしたものの、1500冊内蔵できる!とか、60秒以内に本が手元に送られてくる!とかいう文句にちょこっと心が動いたのであります。パソコンにつながず、キンドル単体でAmazonにアクセスできて、しかも通信費はAmazon持ち(海外はちょっと料金体系違うらしいけど、アメリカ在住の人は通信費が全くタダらしい)

詳細ページ(リンク先の下の方まで見てみてください)には、むかーし昔にエントリーしたこの記事に関連する技術の名が。そう、超使えそうなハイテク、電源を切っても表示が消えないe-inkであります。

キンドルはすでにアメリカでは大人気とのこと、元記事書いたとき、この会社の株を買っておけば…(って株を買うお金がないんですけど)

あーでもアメリカが作るこういうのって、最初は図体が大きいからやっぱやめた…と忘れていましたが、神保町のスタバに入ったら、これで本読んでる人がいるではありませんか。

超薄い!(思ってたより比)

超カワイイ!

超白い!

実物を目の当たりにして、にわかにキンドルが欲しくなった私。よし、買うか!と思って調べてみたら、またまた人心を惑わず別の情報が。

バーンズ&ノーブルが、またまたカワイイ類似商品「nook」を出してます。

ということで、いったんキンドル熱は平熱に戻りつつあるのですが、さて…

実は現時点で、アメリカの読書端末は日本の電子ブックには対応していません。日本でも端末は買えますが、キンドルはあくまでもAmazon.comの取り扱い品を買うことになるようです。

日本ではこの点を取り上げて、日本はまた乗り遅れてる…とか、またはアメリカは英語の書籍だけでも大きな市場になると思ってるなんて傲慢、みたいな論調も見かけますけど、それはちょっと違うんじゃないかと思います。

まず、日本の本が買えない点ですが、これは英語の書籍でも、「ハリー・ポッター」シリーズのような人気作や最新の本なども買えないのと通じる部分があるんでしょうね。つまり、新刊の場合、紙の書籍の方が実入りが良い従来の出版社は、デジタルコンテンツを安価に(アメリカの場合たぶん半額くらい)Amazonに卸すということに、あまり熱心ではないと推測できます。装丁や「モノ」にこだわらない読者なら、高いペーパーバックより電子本を買うでしょうから。

出版社にしてみれば、紙とデジタル両方売れるうちは良いけれど、そのうち街の書店が無くなってしまい、デジタルコンテンツしか売れなくなったら、相当困るというのが本音だと思います。これまで書店に対して、卸価格を強気でつけていた出版社も、Amazonでしか本が売れないとなったら、条件を呑まざるを得なくなるでしょう。

本を作り、デジタルデータも作るやり方から、デジタルデータだけの作成になると、出版社という商売自体が成り立たなくなってくる可能性だってあります。著作権者が自分でコンテンツを売れば、出版社に中間マージン取られなくて済むわけですもんね(出来上がる作品のクオリティが下がるとは必ずしも言えないわけですし)。一方で、お手軽に楽曲がどんどんコピーされてしまう音楽業界の苦悩が、出版界の苦悩にならないとも限らないわけです。

日本の読書端末や音楽デバイスは、コンテンツ産業の反発を買わない方向で設計されているために、使い勝手が悪いのは当然の帰結で、メーカーを責めたって始まりません。変わるのはどこか。それは出版社しかないでしょう、残念ながら…。

書き手を発掘し、または企画を出し、編集し、欲しい層にきちんと届けるのが出版社の仕事なら、媒体がどう変わろうと必要な仕事だと思うし、それで対価が得られるように知恵を絞る時なんだと思うわけです。
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Commented by ラッコ庵 at 2010-01-22 00:33 x
どこかで読んだのですが、キンドル、思ったより読みやすいそうです。
その理由はスクロールでなく、ページをめくるように次の画面に移るから。ページごとに区切られているということが、読みやすさという点で結構大切らしいです。
日本語版がでたら考えます。
Commented by silverspoonsjp at 2010-02-04 23:51
☆ラッコ庵さん
お返事遅くなってすみません。
なるほど、本の読みやすさはページ単位で進むというところにも
あるんですね。それは盲点だったかも…。
ところで、キンドルの形にはなってなかったのですが、
ディスプレーだけ試作品を見たことがあります。
表示されてたのは地図でしたが、とても見やすかったです。
キンドルはバックライト式でないのもポイントかもしれません。
ちなみに、試作品は丸めることが出来ました(!)
ポケットにいつも1500冊…それは欲しいかも。
by silverspoonsjp | 2010-01-18 23:54 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(2)