本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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カテゴリ:素敵なヴィジュアルの本( 86 )

漢声の年画本

a0003079_2233741.jpgすみません、続くとか言っておきながら、回線が落ちてしまい、遅くなりました。では引き続きまして漢声雑誌発行の本から。

こちらは「戯{歯句}年畫」という上下冊のもの。お値段は2520新台湾元でございます(現在のレートは1台湾ドル=3.6円)。

お芝居の名場面を集めた年画の本です。年画というのは、ドアなどに貼って飾る絵のことで、毎年旧正月に貼り替えます。縁起を担いだ絵柄やお芝居の絵などが主な画題で、たくさん作るために木版画で刷られています。中国各地に名産地があり、絵を見ただけでどこのものかすぐわかるほど、はっきりした特徴があります。この本でも産地別の編集になっています。

見開きに1場面の絵を配し、上に場面の解説、下に絵の解説を入れたレイアウトになっています。

作者は王樹村さんで、この方は中国大陸では年画の権威として有名な方です。台湾の出版社なのに、どうやってお願いしたのでしょうか…。
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by silverspoonsjp | 2006-02-19 22:47 | 素敵なヴィジュアルの本
a0003079_2262015.jpg「エスクァイア」の3月号「美しい本230冊」の特集を読んでいたら、台湾の出版事情が出ていて、懐かしいなあと思いつつ読みました。漢声ってまだ頑張ってたんだ…!

90年代の初めに香港・台湾の出版物に凝ってた時期がありまして、その頃いろいろ集めていたのです。当時、西武百貨店が香港への出店に熱心だったこともあり、香港のアラン・チャンがデザインしたパッケージやグッズが東京でも売られたりしていました。

台湾では、出版物では漢声、音楽では水晶唱片というレーベルが凝ったビジュアルのものを作ってました。水晶は台湾独自の音楽を集めていたんですが、漢声の方は中国大陸の失われゆく風俗を記録したものが中心でした。

外から眺めた方が、ある場所独自のものというのは探しやすいものですが、台湾では、ようやく中国の一地方、というスタンスを脱却して、台湾自身のアイデンティティが語られはじめた時代だったので、漢声雑誌のコンセプトには-確かに優れた本作りでしたが-一種複雑な感想を持ったことを覚えています(といいつつも、台湾へ行ってはいそいそ買ってた訳ですが)。

上の写真はその一冊で、1920~30年代の上海カレンダーを紹介したもの。ちょうど90年代のはじめにこういったレトロデザインが注目されたこともあり、当時としてはタイムリーな企画でした。分厚い紙製ケースに図版編、解説編、手記編(ノートとして使える本)の三冊が収められています。

中国紙に刷られた上海ガールは、ウォン・カーワイの映画「花様年華」さながらのモダンなチャイナドレスに身を包み、愛嬌を振りまいています。

ここに載っているカレンダーはどれも広告のために作られたので、絵の中には商品が紛れ込んでいたり、商品名が別記されていたりします。中国美女と「カルピス」「日清製粉」「ヱビスビール」なんて組み合わせもありますが、食い合わせ悪そう…。ってことで明日につづきます(たぶん)
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by silverspoonsjp | 2006-02-17 22:30 | 素敵なヴィジュアルの本
a0003079_21565011.jpg東京は世田谷文学館で行われています展覧会の図録です(展覧会自体の感想はこちら)。

表紙の裏に刷られたコメントと略年譜、装釘本リストをのぞき、「暮らしの手帖」誌の抜粋のみという、潔い内容。実家に帰れば載ってる号全部あるからいいや…。と思って買うのをやめようかと思ったけど、文字がぼんやりして読めない分、サムネイルを見るようにレイアウトのバランスがよく分かり、そのセンスに唸ります。で、結局買っちゃいました。

カタログなので1300部しか作ってないそうです。お入り用の方はお早めに。

A5判 128ページ 1300円
世田谷文学館 発行(カタログ)
通信販売あり
くわしくは こちら
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by silverspoonsjp | 2006-02-12 22:31 | 素敵なヴィジュアルの本

リトルプレスの楽しみ

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ここのところ、かわいいなあと思う本はたいてい「ピエブックス」の発行なので驚いてます。発行元自身がタイトルを地でいってると思うんだけど。リトルプレスというのは発行元の規模の大小じゃなくて、目の届く範囲で、作り手が楽しめる規模で本を作るところ、と読みました。

載っているのはどれも作り手の愛情に溢れた、手作り感覚の本ばかり。
チェコ好きの雑誌「ツックル」、カナカナの旅の本などが紹介されています。写真主体なので、見る楽しみがいっぱい。

ここで紹介されている本は渋谷のブックファーストや神保町のふくろうブックステーションなどで扱いがありますほか、ジュンク堂書店池袋店9Fで、「リトルプレスの楽しみ」として2月4日~3月中旬までミニフェアが行われ、バックナンバーも売られるとか。

10年前くらいまでは、友達とつるんで小さな本を作り、コミケで売るのがささやかな楽しみでした。売れ行きはさっぱりでしたが、趣味のオリジナル本を売る場所というとコミケしか思いつかなかったのでありました(^^;) 

当時はまだ、オリジナル詩集とか東ヨーロッパの新体操について本(?)とか、ユニークなテーマの本を売るブースもたくさんあったんですが、昨今は萌え系ばかりで肩身が狭そうです。

あまり凝らなければ、本を作るのは意外と簡単です。印刷と製本をプロにお願いするわけですが、紙を選んだり、刷り色を選んだり、印刷に立ち会ったりと、本が好きな人ならハマルこと請け合い。ああ、何かまたやりたくなってきた…。

リトルプレスの楽しみ
柳沢 小実 / ピエ・ブックス
1680円
ピエ・ブックス
ISBN 4894445026
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by silverspoonsjp | 2006-02-11 02:10 | 素敵なヴィジュアルの本
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うらわ美術館で2000年に開催された「もうひとつの扉 20世紀 アーティストの本」の図録です。この展覧会は見ませんでしたが、後から美術館で図録だけ買いました。

紙で作られたカバーを開封すると、全266ページ、白一色のシンプルな本が現れます。
本文はケルムスコットプレスの「チョーサー」から始まり、1997年のアンゼルム・キーファーの本まで、アーティストが制作した「アーティストブック」と呼ばれる書物の紹介になっています。

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(中味はこんな感じ…。失敗写真ですみません)



美術館には、絵や版画、彫刻、最近ではインスタレーション、ビデオ作品などさまざまな収蔵品がありますが、うらわ美術館は本を中心としているところがユニークです。といっても、それは美術作品としての「本」であり、むしろオブジェの一種といった方が近いかもしれません。ですから「ユニークな装幀の本」や「画集」とは性質が異なります。

ほとんどは冊子体、そうでないものも、あるひとまとまりの内容で一つのオブジェになっているため、複数冊用意したり、コピーを使ったり、ものによってはばらして額装するなど、ひと工夫が必要だったようです。

巻物の形だった本が冊子になることによってさらにアクセスしやすくなったように、アナログだった本はデジタルになり、時間や距離を超えてアクセスすることが可能になりつつあります。

そういいつつも出版点数は毎年増える一方ですが、今がまさに過渡期で、いずれかなりの部分がデジタルに置き換わっていくのではないかと思います。その後にも作られるのは、こうしたアーティストブックなのかもしれません。

現在 うらわ美術館で開催されている展覧会「挿絵本の楽しみ」も面白そう。
HPはこちらです。
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by silverspoonsjp | 2005-12-05 22:44 | 素敵なヴィジュアルの本
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すみません。てっきり書いたと思ったのにアップしてませんでした。○○たのでしょうか。きっとそうですね。

さて、この雑誌、他の似たような本と比べると、レイアウトや写真はイマイチ(ごめんなさい)だし、文字が大きい=情報量は多くない、のですが、よく読むとなかなか面白いです。

今回の特集は「アンティーク」で、巻頭にはアンティーク屋さんではなく、実際アンティークを使ってる人たちの紹介があるところがニクイ構成です。で、ディーラー紹介になるのですが、お茶漬けのようにサラサラした文章が続いたあとに

「せめて1万ポンドは使う気概で訪れてほしい」

とかあっさり書いてあります。1ポンド=200円 →200万円
「せめて」っすか!と思わずクチに出てしまった者にこの雑誌を読む資格はありません(それは私)。なにせ、英国式暮らしの楽しみ方ってコーナーになると、いきなり「日本で英国式住宅を建てる」って記事になっちゃうんですから…。
一体想定読者はどんな人なんでしょう??雲雀丘花屋敷とかに住んでる人?(←この駅名を見たときは冗談かと思った…)

たまには全然実用的じゃないガイドブックを読むのも楽しいものですが、庶民にも使えるかもしれないオマケとしては、綴じ込みの「ドライブ紀行」があります。5ルート載ってますが、このうち3ルートに行ったことがあり、お勧めです。詳しい道路地図だとおおざっぱなコースの計画が立てづらいので、意外に役に立つかもしれません。

もう行く機会はあまりないだろうけど、見てたら行きたくなっちゃった…。

詳しい内容はこちらで御覧になれます
スチュワード・コミュニケーションズ 
定価 1000円
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by silverspoonsjp | 2005-12-04 09:44 | 素敵なヴィジュアルの本
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「クウネル」は号によって当たりハズレが激しいですが、今回のは当たりのようです。
パリの特集ですが、いわゆる名所案内でも単なるお店の紹介でもなく、「クウネル」誌として面白いと思った場所にいる人を取り上げている記事。読んでいると、こんな視点で旅してみると楽しいかな、という良いヒントになります。

ごく普通の暮らしや町の小さな店を紹介するという、最近のパリ特集のトレンドをよく押さえていると思います。…って先方はずっとそうやって暮らしてるので、日本人にとって、ようやくフランスも「お」がとれた、ということなんでしょうね。

古い文化との関係で、フランスの中では特にブルターニュが気になっているのですが、記事の中でちょこっと触れられていてやっぱり面白いところなんだなあと改めて感じました。

さて、「クウネル」は隔月刊なので、もう表紙に2006年って書いてあるんです。何だか早く歳を取る気分(T T)

そういえば、月刊誌は号数をひと月先にしますね。どうしてなのか偉いひとに聞いたことがあるんですけど、そのときの答えは

「正月号を年内に配本する(全国の書店に卸す)都合上」

ということでした。年明けすぐに書店にお正月号を並べるためには、取次(とりつぎ:問屋さん)が締め切る12月中旬より前に、雑誌を配本しなくてはならないからです。でも、結局年内から1月号が並んじゃう訳で、これって本当かしら?(あっ、いえ別に偉いひとを疑ってるわけでは)

単行本の方は、もっと理由がはっきりしています。
本屋さんは奥付をみて返品時期を決めるので、1日でも長く棚に置いてもらうための便法なのです(涙ぐましい)。

だったら10年後とかにしとけば?と、貧乏性の私は考えるわけですが、発売日と奥付が極端に違う本というのは聞いたことがありません。これはたぶん、ふつうの書籍には、たとえば注文してから3ヶ月以内なら返品できる、などと条件がついているため、あまり阿漕なことをすると信用にかかわるせいなんじゃないでしょうか。他に何か規定があるのかどうかは存じません。

今度また偉いひとにお会いする機会があったら、伺っておきますね。

マガジンハウス 
680円
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by silverspoonsjp | 2005-11-19 23:51 | 素敵なヴィジュアルの本

カメラ日和

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皆様、こんばんは。

週末を利用して、奈良・京都に行ってまいりました。

旅行に行くと、パンフレットだのチケットだの、いろいろ手元にたまりますよね。
思い出もあるし捨てられないけど、整理してしまっておくと、そのままになってしまうのが残念だなあと思っていました。

折良く、こちらの「カメラ日和」を読んでいたら、旅のスクラップ例が出ていました。
旅先でもらったパンフに直接コラージュするという、大胆かつ一石二鳥の方法で、さすがだなーと思いました。

カメラ雑誌というと男性マニア向けのものだけでなく、こんな雑貨風味のも出ていたんですね。
すでに4号までありますが、バックナンバーが増刷されたので簡単に手に入ります。
(上の図は第2号)

こちらは畳の上の水練で、せっかく読んでも全然身に付かないのは困っちゃいます。
自分でいうのも何ですが、写真は上手になりませんね~。
絵ならヘタウマでも褒めようがあるけど、写真ばかりは、うーん。
発想の面白さもダメなので、とりあえずネタで…。

カネがなく 柿と写した 法隆寺。
お粗末さまでした…。
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by silverspoonsjp | 2005-11-14 23:48 | 素敵なヴィジュアルの本
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古本屋さんに入ってぱっと目についたこの表紙は小さな曲芸師、バーナビーのことを描いた絵本です。もとはノートルダムの曲芸師、というお話だったようで、元になったフランスの手書き本の図版が裏表紙に入っています。

版画のような色合いや、主な舞台になっているのが修道院というところが、登場人物のほとんどがフードかぶってるところが、つまりすべての挿絵が、めちゃめちゃツボです。もちろん、このハク様(千と千尋の)のようなバーナビーが可愛い!というのが気に入った一番の理由です(こらこら)。




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1961年の初版本で絵本とは思えないほど高かったです。なんでも、あのイギリスの古本の町「ヘイ・オン・ワイ」で仕入れたものだとか。

別にコレクターじゃないので初版本でなくても良かったんですが、せっかく会えたものだから思い切って買いました。何しろ私、絵本のことはまるで知らないし(ファンシー系のファンタジーが苦手なせいもありますが…)、お店の人に挿絵を描いた人について尋ねたところ、バーバラ・クーニーというとても有名な方だということでした。こんな本当の価値を理解してない者が買ってよかったんだろうか…(^^;)

この本の邦訳はないとのことでしたが、同じ作者で邦訳があるものでは「ルピナスさん」という絵本が人気だそうです。

人気作家のこんなに可愛い本なのに、日本語訳はなぜ出ないんだろうと思っていろいろ検索してみたら、やっぱり見つけちゃいましたよ…・

「バーナビー ちいさな曲芸師」
というタイトルで、すえもりBOOKSというところから今冬発売されるようです。

ということで、ぜひバーナビー君をこの冬、本屋さんで探してみてくださいね。

The Little Juggler
挿絵:Barbara Cooney
Constable & Company Ltd
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by silverspoonsjp | 2005-11-08 23:33 | 素敵なヴィジュアルの本
a0003079_17392362.jpg本屋で見てたら手に取るのを躊躇したであろう表紙デザインとタイトルですが、展覧会場で売っていたので見てみたら面白かったので買いました。

アメリカのプロダクト・デザイナーであるイームズ夫妻の業績をまとめたムックです。有名な椅子のデザインの他にも、映像作品や家具など、さまざまな作品を見ることができます。

日本での展覧会(紹介文はこちら)よりも前に編集されたものですが、海外での展示内容を織り込んであるため、図録としても楽しめました。

図版が主体で雑誌よりの編集ですが、テキスト部分は初心者にも読みやすく、かつ味わいのある箇所が多いです。冷戦下のモスクワで行われた映像ショーの最後に、わすれな草の映像をおいたエピソードなんてぐっと来ます…。

1977年のロングインタビューで、自らを職人といい、建築家だというチャールズ・イームズは、自らをアーティストと呼ぶ人には困惑すると言っています。
「僕の感覚では、アーティストというのは(「天才」と同様)他人から与えられる呼び名なんだ。」

そんな彼がアートに言及した箇所-

仕事が十分に優れていればアートになる可能性がある。だが、アートは製品ではない。
アートはクオリティーだ。その点が時に見失われがちだがね。
どんなものにもクオリティーは存在しうる。


それから、こんなことも…。

友人やコミュニティーに認めて貰えるか、特許は取れるか、というような不安は必ず粗悪な仕事につながる。

デザイナーや職人ではないけれど、仕事で似た場面はありますよね。
かなり反省…。

天才デザイナー、イームズのすべて
Brutus Casa

1200円
雑誌66425-09
マガジンハウス 2003年8月
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by silverspoonsjp | 2005-11-06 17:55 | 素敵なヴィジュアルの本