本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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英国お菓子めぐり

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お菓子を前に、とびきりの笑顔を見せる子供の表紙につられて手に取りました。
うーん、幸せそう…。

私自身はそんなにお菓子が好きなわけでもないんですが、イギリスの本を読んでいると出てくるお菓子の名前は、とりわけ好奇心をそそります。

本書はイギリス各地の29のお菓子の作り方を紹介するとともに、それぞれの由来や、その地域とのかかわりについても簡単に触れてあるので、読み物としても楽しいです。
ヘンリー8世にゆかりのあるチーズ・パイ「メイズ・オブ・オナー」、ポルトガルのお酒と一緒に楽しんだ「マデーラ・ケーキ」、名門イートン校ゆかりの「イートン・メス」など…。

また、名物お菓子が食べられるティールームの紹介もところどころに挟まっています。ハロゲートにある「ベティーズ」、去年わざわざ行ったんですけど、とてもいいお店でした。赤いキルト柄のパッケージでおなじみ「ウォーカーズ」の工場見学の話も入ってるし、小さな本ですががっちりツボを押さえています。

この際、「ターキッシュ・ディライト」とか「ルパーブ・パイ」とか、お話に出てくる食べ物を集めた本を作って欲しいです。もうあるのかな?作品ごとのは見かけたことがありますけど…。

山口もも著
石井理恵子 企画・構成
新紀元社 2004年
ISBN4-7753-0348-1
1600円 136ページ
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by silverspoonsjp | 2005-02-28 21:58 | 素敵なヴィジュアルの本
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「ロード・オブ・ザ・リング」の最終作「王の帰還」のスペシャル・エクステンデット・エディション(SEE)が発売されたのを記念して、全国でロードショー公開が始まりました。それに先立ち、3部作のSEEを一挙に上映するというイベントがあったので、出かけて参りました。1~3部それぞれに劇場未公開のシーンを増やして作られた長いバージョンがあるんですけど、それを劇場で通しで上映するという全世界4カ所で行われたイベントだったそうです。

夜の12時から始まって、翌日昼の12時40分まで12時間以上…。ああ、長かった。半日以上この映画ばっかり見ているという、ある意味幸せなイベントではありましたが、昼間ならまだしも夜だったので、さすがにキツかったです。「王の帰還」が終わるころには頭がふらふらして、何か遠くの方でハワード・ショアの音楽が聞こえている…って感じでした。

水もあまり摂らず、食事もしなかったので、終わったあとは滅びの山にたどり着いたフロドの旦那の気持ちが少~しだけわかったような…。
これってそういう体験型(?)のイベントだったのかしら。

上の写真は上映前の劇場の飾り付け。よく見ると、看板の上にゴラムちゃんがいます。ひょっとしてこれ、昔渋谷駅前に出現したあのゴラムちゃんでは…?
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by silverspoonsjp | 2005-02-26 19:07 | プチ日記

バベットの晩餐会

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ノルウェーの小さな田舎町に、父である牧師亡き後、信仰を守って暮らす2人姉妹がおりました。そこへ、フランス内戦の嵐を逃れ、バベットがやってきます。質素でつましい生活にも文句一つ言わず、女中として働くバベットのもとへ、突然驚くべきニュースが舞い込みます。その結果、彼女はこれまで良くしてくれた女主人たちのために、一夜の晩餐会を開かせて欲しいと頼み込むのでしたが…。

先に映画を見て、それから買った原作本です。文庫本にして80ページくらいの短い物語ですが、10年以上経つのに、今でも繰り返し繰り返し読んでいます。運命に翻弄されながらも誇り高いバベットと、彼女の後ろに「フランス」を感じて怖じ気づいている北欧の人たちの造形、単純に見えて奥深いストーリー、芸術と芸術家の魂についての描写のみごとさ、どれをとっても素晴らしい作品です。

バベットはフィリッパをじっと見つめた。不思議なまなざしだった。多くのことを語っていた。同情をしてくれる者に対する憐れみ、その底には軽蔑とみなされかねないものすらあった。
「みなさんのため、ですって」とバベットはいった。「ちがいます。わたしのためだったのです」
バベットは物切り台から腰を上げると、ふたりの姉妹の前に立ちはだかった。

「芸術家が次善のもので喝采を受けるのは、恐ろしいことなのです。あのかたはおっしゃいました。芸術家の心には、自分に最善をつくさせてほしい、その機会を与えてほしいという、世界じゅうに向けて出される長い悲願の叫びがあるのだと」


併録の中編、中世ロマンス…というよりは、なにやら神話的な色彩を持つバーベンハオゼンの盾持つ乙女の物語「エーレンガード」もお勧め。

イサク・ディーネセン著 桝田啓介訳
ちくま文庫
680円
ISBN4-480-02601-0
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by silverspoonsjp | 2005-02-23 21:39 | センス・オブ・ワンダーの本

博士と狂人

a0003079_21263722.jpg収録語数41万語という膨大な英語辞書、「オックスフォード英語大辞典(OED)」。編集主幹のジェームズ・マレーとそのスタッフは過去に例のないこの大辞典の編纂プロジェクトに追いつめられていました。そこへ、無償の篤志協力者として、「クローソンのW.C.マイナー博士」なる人物が用例のカードを送ってくるようになります。必要なときに必要な用例を送ってくるマイナー博士の仕事ぶりはスタッフを驚嘆させました。

正体を明かさないまま厳密な仕事をするこのすばらしい男は、いったい何者なのか?…クローソンはオックスフォードから40マイルと離れていないし…鉄道で1時間のところにある。なぜマイナーのように非常に優秀で精力的な人物が、これほど近くにいながら一度も姿を見せないのだろうか?…深まる一方だった謎の答は奇妙な形で明らかになった。学者で図書館長でもある人物が1889年に写字室に立ち寄り…クローソンにいる博士のことを口にしたのだ。
 情け深いジェームズ・マレーが彼にたいへん親切にしている、と図書館長の学者は言った。「不幸なわがマイナー博士に、本当によくしてあげていらっしゃいますね」
マレーは息をのんだ。


と、ミステリー仕立てのスパイスも効かせつつ、この本は辞典編纂についてかなり本格的に記述してあり、その点が一番興味深かったところです。
実際にはとても地味な作業にかんする物語なのですが、貧しいながらも独学で言語学を身につけ、編集主幹にまでなったジェームズ・マレーと、裕福な元アメリカ軍軍医・マイナー博士、この二人の人物の奇妙な交流を軸に、人間ドラマも織り込まれた巧みな構成で綴られていて飽きません。

実は『指輪物語』に興味を持つまで(著者のトールキン教授が編纂に関連したということで…)、OEDなどめくってみることもなかったのですが、読んでみると非常に面白く、言葉の意味を調べるという以上の楽しみを与えてくれます。ただ、いま一般に私たちが使う辞書とは、かなり体裁が違います。一番違うのは歴史主義の記述であることで、これは最近の使用頻度重視の記述とは全く違う編集方針です。

なぜこのような編集方針になったのかは、英語辞書の編纂史をひもといてみなければなりません。
本書の説明によれば、18世紀に入ってイギリスの文壇の大御所たちは、国家の標準言語を定め、そのうえで変更が許されるかどうかを英語の権威が決めるべきだと主張しました。しかし、実際に辞典編纂に携わった文学者たちは、それが不可能であり、望ましくもないことを悟っていました。
「恣意的な使用と慣習しだいの言語は、永遠に同じ状態であるわけにはいかず、絶えず変化する。そして、ある時代には上品で洗練されていると思われた言葉が、別の時代には粗野で品位に欠けると見なされることもある…」(ベンジャミン・マーティン)

そして1857年、まったく新しい辞典の編纂が正式に提案されます。ロンドン図書館で、言語協会参事会長のリチャード・シュネヴィクス・トレンチが行った講演にはこうあります。

「辞典とは単に「言語の目録」であり、決して正しい用法を教えるための手引きではない。辞典編纂者には良いか悪いかという基準で単語を選んで収録する権利はない」
「それぞれの単語の誕生から死までを示し、いわば単語の一代記をつくるためには、その単語がいつ生まれたかを知り、出生の記録をつけることが重要である。その原理にもとずいた辞書はあらゆる単語についての用例を文献から引用し、その単語が初めて使われた時を示さなければならない。そして、その用例のあとに、意味の変遷を示す文を載せなければならない。辞典は史的記念物である。…」


しかしそれは、考えるだに膨大な作業でした。ある時代にある単語がどのように使われていたのか示すには、膨大な文献の中からその一語を探す必要があります。そこで、新しい辞書では、何百という無償の篤志協力者を募り、用例を抜き書きしたカードを送ってもらうことで問題を解決しようとしました。冒頭のマイナー博士もこの協力者の一人でした。

どんなことにも苦労はありますが、70年以上の歳月を費やして辞典を作るのは並大抵のことではなく、本書にもところどころ、辞典編集の作業についての、何とも身につまされる記述が登場します。

マレーは説得されて乏しい給与と際限のない労働時間にもかかわらず、もっぱら辞典編纂の仕事に携わることにしていた。…最初の数年間は幸福とはほど遠く、やめようと心に誓ったことが何度もあった。出版局の理事会はお金は出さずに口を出し、仕事のペースは耐え難いほど遅く、はてしない労働時間のために健康はそこなわれた。

「こうしたことをやったことのある者だけが、編集主幹や編集補佐の困惑がどんなものかわかるでしょう。編纂者はaboveのような語の用例を…20、30、40というグループに分類し、それぞれに仮の定義をつけ、それをテーブルか床に広げて全体を見渡せるようにし、チェス盤の上で駒を動かすように何時間もかけてあちこち置きかえ、その後の歴史の記録に不完全なところがないかどうか、ごく些細な点もみのがすまいと奮闘し、一連の意味が語の発展のようすを論理的にあらわすようにしようと懸命に努力しているのです」
(マレーの言語協会の会長就任講演から)

「オックスフォード英語大辞典」は結局、1928年に12巻からなる第1版が発行されます。

本書の章扉には、OEDの中から本文に関係する単語の記述が引用されていて、洒落ています。
ここから一つ、引用させていただきましょう。2章 牛にラテン語を教えた男、の扉の引用は…

Philology [チョーサーにおいてラテン語philologia;おそらく17世紀のフランス語philologie、ラテン語philologia,ギリシア語φιλολονια,φιλογοζ話好きな,口数の多い;討論や議論が好きな;言葉をよく学ぶ;学問や文芸を好む,著作の;f.φιλο- PHILO +λογοζ言葉,話すこと,など ]
1学問や文芸を好むこと;広い意味での文献の研究,それには文法や文芸批評,文芸作品の解釈,文献や記録文書と歴史との関係などの研究が含まれる;文芸や古典にかんする学問;高尚な学問.



博士と狂人
1800円
サイモン・ウィンチェスター著
鈴木主税 訳
早川出版社
ISBN4-15-108220-8
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by silverspoonsjp | 2005-02-18 21:27 | センス・オブ・ワンダーの本
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上は頂き物のバレンタイン・カードです。シーロブにチョコをもらっても別に嬉しくないでしょう、旦那さま(毒が盛ってあるしね)。

それに、好きな人に剣を突きつけるキャラは、○ルウェン姫1人で十分です。

毎年この時期になると話題になるんですけど、国によってバレンタイン・デーの習慣は違うそうですね。お返しの習慣っていうのも、他の国ではあるのでしょうか…?
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by silverspoonsjp | 2005-02-14 21:04 | プチ日記
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先日のエントリーでお話しました「フランス語版 ロード・オブ・ザ・リング SEE版 ギフトセット」が本日堂々の到着であります。

小鳥遊さんのブログにありますとおり、海外版のDVDの箱は、日本のように美麗なものと違って、へなへな・ぺなぺなです。奥の大きな箱の中、透明プラスチックの抜き型に囲まれてフィギュアが収まっており、その脇にDVDを入れるスペースがあります。さて、DVDを箱に戻そう!このプラスチックごとまた外に出さなきゃいけないのかしら、と思ったら、DVDの入るスペースの上部はプラスチックが蓋状になっており、フィギュアは納めたままで出し入れできるのでした。うーむ、中の包装も捨てないであろうコレクター心理に叶ったつくりであります。

ヨーロッパ版は日本とリージョンが同じなため、リージョンフリー再生機のない我が家でも、パソコンでなら再生することができます。とはいえ、各チャプターのタイトルからしてフランス語、解読不能の予感が…。
a0003079_2123699.jpgメニュー画面もわかったようなわからないような感じです。どの画面にも「Retour」って書いてあるんだけど、「再旅行」って何だろう…?ああ、「リターン」か。そういえばこのDVDのタイトルにも「Retour」って書いてあったもんね、と独りヘレン・ケラーごっこも楽しめるのであります。

せっかくなのでフランス語吹き替えで再生を始めると、これがまた病みつきになりそうな面白さなんですねー。デネソール侯とレゴラスはフランス語がぴったり。魔法使いサルマンは「マジシアン・サルマン」になってるし、歌も吹き替えだとまるで感じが違うし、フロドの旦那は噂通り「ムッシュー・フロドン」だし(フランス語版の「指輪物語」についてさらに詳しく知りたい方はかおるさんの「療病院の中庭」でどうぞ)、止められなくなっちゃってます。

フランス語吹き替え・フランス語字幕に切り替えてみると、明らかに字幕の方が短い!いくらフランス語がわからないといってもそのくらいはわかります。自明なセリフは書かないのかしら。それとも字幕が台本で、これ以外のセリフはアドリブ???

ナゾがナゾ呼ぶフランス語バージョン、コメンタリーにフランス語吹き替えがないのだけが残念でした。
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by silverspoonsjp | 2005-02-07 21:46 | プチ日記
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映画「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 SEE(特別編集版)」を記念して、映画館での上映が行われています。東京ではご覧の銀座・東劇にて。

第3部は指定席制になるため劇場まで席を予約しに行きました(怒 
上映時間に立ち寄ってみたら、とっても空いてたのが哀しいです。ちょっと設備が悪いですしね、この劇場。それに、1部2部の通し上映もあるので、そちらが人気なようです。結局今日は見ませんでしたが、場内にはこんな横断ポスターが貼ってありました。グッズも売ってます。
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by silverspoonsjp | 2005-02-06 21:48 | プチ日記

ああ、とうとう…。

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ついにPJ版「ロード・オブ・ザ・リング」も完結…。SEE(特別編集版)DVDの広告が渋谷駅前に登場です。肉眼でみるとよく見えるのに、撮影しようとするとなぜか看板が光ってしまってダメでした。ようやく1枚、撮影に成功です。

感動は語り継がれる…。うーむ。ここまでやるのか、と驚嘆した、という意味では確かに感動させて頂きました。ありがとう!

追記:東京・六本木、大阪・梅田でも広告が展開されているそうです!
大阪の広告は、chubbさんのLotR SEE DVD発売まで、あと1日!!でどうぞ♪
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by silverspoonsjp | 2005-02-01 20:54 | プチ日記