本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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タグ:指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング) ( 37 ) タグの人気記事

さて、これからが本題です(前ふり長いよ!)

コツコツ努力するのが大苦手なわたくし、
もう英語はダメだと見切りをつけて(使う機会もないしね)
ほったらかしにしておりました。
旅行に行くたび、あーもうちょい英語できたらなーと思いつつ。

そんなときに私は1本の映画を観ました。
そうです、「ロード・オブ・ザ・リング」でございます。

それまでも洋画は好きでよく観ていましたが、
この映画の見方はそれまでとちょっと違いました。

とにかく長い!
上映時間が3時間(倒…)

にもかかわらず、セリフを聞き取るしかない!
当時、字幕に問題があると言われておりましたので。

このような困難があるのに、
私はこの映画にすっかりハマってしまいました。
まだDVDが出てませんから、都合何回、映画館に通ったでしょうか(爆)
ナレーションからセリフまで暗記するほど観ました。

翌年には第2部が公開されましたが、日本上映が待ちきれなかった私は
のこのこと、先に上映してたアメリカに出かけました。
そしたら何と、聞き取れるんですよ、現地のテレビが!!
もちろん全部じゃありませんけど。
いやー、本当に驚きました。思い当たる原因は、映画を観たこと、
これしかありません(他に勉強してないから)。

よく宣伝してる「○アリングマラソン」とか
「○出のドリッピー」とか、
あれで英語が出来るようになるなんて、ウソでしょ~と思っていた私。
しかし、場合によっては効果があるのかも。

ただ、自分が本当に好きな教材じゃなきゃ
繰り返し聞いたりしないので、
あてがいぶちの教材よりは
自分の好きなものを観たほうが良いと思います。

それにしても、オタクごころが何かの役に立つ日が来ようとは。
好きこそ物の上手なれ、とは言いますが…。

英語は基礎を長年学校で習ってるからねーというご意見はもっともですが、
広東語を習ってる人に聞くと、香港出張を命じられてる人より、
香港スターのファンの方が上達が格段に早かったそうです。

おそるべし、オタクごころ。

やはり、動機付けが大事です。
そしてこの動機は不純なほど…バキッ! ( -_-)=○)°O°)アウッ

ちなみに、第2部を観て、もうネタバレしてもいいやと思い
(それまで原作を読むのを我慢してた)
原作を読み、関連書を読み漁り、未訳本に手を出し、
果ては、欧米のファンがネットで書いてるサイドストーリーの類まで読みました。
(ヒマだなあ…)

まあ、ファンと言ったってたぶん書き手は中・高生なので
他愛のない話が多いんですけど、
おかげで語彙は簡単だし、話の筋は見当つきやすいし。
ときどき、私ですらわかる文法間違いもありますが。
面白いのは、一読して、書いたのがイギリス人かアメリカ人か、
かなりの確率で当てられることです。
語彙もかなり違うし、アメリカの子は大抵、歴史物の書き方を理解してない(爆)
元がイギリスの話だってことは、あまり気にしてないのかな…?

おかげで読解力もついた気がする(どこがだ!)。

というわけで、実戦的体験談(どこがだ!)はここまでにして、
次回はその2の続き。
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by silverspoonsjp | 2008-03-14 09:15 | 英語の本
年の瀬、皆様お元気ですか。
私は例によって例のごとく、会社に住み込んでいるような状況です。
もうそろそろ壊れそうですねえ。
自分で付けたタイトルを見てそう思いますよ。
まだ壊れてなかったのか、自分?
滅びの山の頂上を通り越して反対側に下りちゃったのに…。

ああ、そういえば、先日自由が丘のBookOffに入りました。2フロア使った広々としたスペース。ひょっとしてこのエリアで一番大きな本屋さんではないでしょうか?

書店、古書店、出版社から目の敵にされているBookOffですが、まだ新刊書店で売ってるような近刊の本はそれなりの値段がする上、状態があまり良くないので、私なら新刊書店で買うなあ…。

実は、雑誌のバックナンバーを探してたんですが、古いのは100円均一なのかと思ってたら、ちゃんと古書店らしく値付けしてありました。
噂によれば、価格設定の考え方は店舗によってかなり違うらしいのですが、本当なんでしょうか。自分がかつて作った本も並んでてちょっとドッキリ。怖くて値段は見られませんでした…。

ここで「風景のイギリス文学」という本を見かけて、ちょっと心が動きました(大きな本だったので買わずじまいだったのは惜しかった)。

日本の「イギリス文学」がらみの本を読むと、どういう訳だかトールキン教授はまるっきり無視されてることが多いんですが、さすがにこの本には載ってました。ただ、工業地帯との関係で言及されてたのが意外でした。「Mount Doom」の訳が独自訳でしたね…正確には何て訳してたか忘れたけど、NZ観光局の「ドーム山」よりはマシだったような気がします。

BookOffは、例としてはかなり極端ですけど、本って昔からリサイクルと縁の深いモノですよね…。週刊誌なんて製品自体がリサイクル品で出来ていて、リサイクル原料に返るんですから。少年ジャンプが600万部出ていたころには、一体どこからあれだけの古紙を集めてくるのか不思議に思ったものですが、意外に前々号の古紙だったりしてね(^^;)。

そうは言っても、古紙から使える紙を作るのも、そんなに環境に良いわけじゃないですし、出版というのは紙を大量に消費する、地球にやさしくない商売だなーと実感しております。羊皮紙や和紙に書いていたころはもっと魂のこもった内容だったでしょうにね。せめて貴重な資源を使うだけの内容にするよう努めなければ…。

私はどうもリサイクルというのには懐疑的です。ペットボトルや飲料の空き缶の再利用なんて、やらないよりやるに越したことはないけど、使い捨ての免罪符のようで、あまり推奨して欲しくないです。本当はそういうものに入った飲み物を飲まないのが一番良いと思う。ほんのちょっと前まで、ミネラルウォーターなんてなくたって平気だったんだから…。

何だか話がそれまくってしまいました。ということで、この辺で…。
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by silverspoonsjp | 2007-12-08 00:45 | プチ日記
皆様、こんばんはー!

このブログの目的の一つに、昔読んだ懐かしい本を再読してみたいというのがあったんですが、そこに行くまで寄り道しまくってる今日この頃、この本を読みました。

「不機嫌なメアリー・ポピンズ」…

そうです、ディズニーのメアリー・ポピンズは良くできてると思うものの、断じて許せないのは、メアリー・ポピンズが愛想が良いことなんですよ!!(力説)

幼少のみぎり原作を読んで、どっぷりハマったため、イギリスの人ってプライド高くて気取ってるんだなーそれがステキ…(あ、いえ、子供相手にベタベタしてない大人が、っていう意味で)とか思っていたのでした。

この本を読んでみると、「不機嫌」の裏には、もう少し複雑な事情が隠されていることがわかります。それが何かは本のキモなのでここでは細かくは触れませんが、保母であるメアリー・ポピンズが属するべき階級と、彼女の雇い主であるバンクスさん一家との身分差などが含まれており、確かにイギリス以外の観客(同じ英語圏とはいえアメリカではなおさら)には、忠実に映像化してみたところで、この機微は伝わらないでしょうね。

本書は、イギリスの小説に見られる登場人物の行動パターンや言葉遣いから、イギリスの階級社会を考察したものです。「エマ」「高慢と偏見」「眺めのいい部屋」「ブリジット・ジョーンズの日記」など、映画化された作品については原作と映画を併せて紹介してあるので、原作を読んだことがなくても、映画を観たことがあればかなり楽しめます。

例えば、オースティンの「プライドと偏見」。原作でも映画版でも、ヒロインの家族の下品さが彼女の幸せの邪魔をします。日本人の私は、単に「格の高い自分にあんな下品な家族が出来るなんてイヤなんだろうなー」くらいに考えてたのですが、

「ジェントルマンの家族にふさわしくない言動…品の良さは彼らが手本となるべき下層階級への責任である」

という指摘には、なるほどなと思いました。つまり、ジェントルマン(とその家族)たるもの、下の階級の者のお手本となる振る舞いができなければならない訳です。

イギリスの階級差はまず言葉に表れるそうですが、現代でもそれは同じなようで、使う単語(「何ですって?をwhat というか Pardon?と言うか)、使うモノ(スーツケースに車輪がついているか、ないか)など細かいところでいちいち気にするのだとか。

ちなみに、「Pardon?」の方が上品に聞こえますが、これはフランス語由来の言葉なので、わざわざそんな言葉を使うと成り上がりに聞こえるということでセレブの使う言葉ではないそうです…。ううーん。

逆にイギリスの作品で、まったく階級を感じさせない話し方というのはSF的とさえとられてしまうようで、「時計仕掛けのオレンジ」もわざと主人公に階級を超越した、おかしなしゃべり方をさせているそうです。

この作品、キューブリック監督の映画でしか見たことがないんですが、原作の終わりの方の筋を聞くと「トレイン・スポッティング」みたいだそうですね。一時はワルをやっていても、憑き物が落ちたように、元の階級の価値観に戻ってしまう。そういう描写もイギリスのお話らしいのだそうです。

児童文学もこういった目でみると大変面白いです。
たとえば「ハリー・ポッター」。

特に努力してる訳でもない(いじめられはするけど)ハリーがスゴイ魔法使いっていう設定が気に入らず、私自身は熱心な読者ではなかったのですが、血筋が正しくて、品が良い、なるほど、これが「ジェントルマン」ってものなんですね。逆に言うと、ガツガツ努力しているハーマイオニーは如何にも中の下って感じです。

何度もしつこくてすみませんが、この観点からいうとピーター・ジャクソン監督の「ロード・オブ・ザ・リング」は肝心なところが惜しかったなあって思えてならないのです。

地主のフロドと庭師のサムが、アメリカ英語でしゃべっちゃうのは問題外として、身分が違う二人が友達みたいに見えちゃダメだってば!言葉遣いや階級の差からくる価値観の違いが面白いのであって、そこを飛ばしちゃうと、他はどれだけ凝ろうとも、原作が一番こだわった部分が抜けちゃった感じで勿体ない。

残念ながら本書には「指輪物語」の考察はないんですけど、このように応用(こじつけ?)も出来て楽しく、手軽に読める一冊です。

新井潤美 著
平凡社新書
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by silverspoonsjp | 2006-09-19 22:36 | 人文科学の本

ぬばたまの…

展覧会を見ようと上野に出かけたら、公園の中の野球場に「正岡子規記念球場」と看板が掲げられていました。

何で球場が子規なの、と一瞬思ったけど、そういえば「野球」って日本語は子規が命名したんですよね。(←これは違うという説もあったなあと気になって調べたら、この日本語を使い出したのは子規らしいんですけどペンネームとしてで、「ベースボール」に当てはめたのは他の人らしいです。すみません)ちょうど正岡子規に触れた面白い文章を読んだばかりだったのを思い出しました。佐藤勝明先生という方が書かれた短い論文で、子規の

「久方の アメリカ人のはじめにし ベースボールは 見れど飽かぬかも」

という短歌が挙げられています。

「久方の」っていうのは枕詞で、元は何か意味があったにせよ、歌で使われているときはそれ自体には意味がないとされています。例えば、

「あおによし 奈良の都…」
では「あおによし」が、
「あしひきの 山鳥の尾の…」
では「あしひきの」が枕詞で、それぞれ後ろにある「奈良」とか「山」を導き出すために置かれた言葉だとされます。

で、この子規の歌なんですが、「久方の」は「光」とか「天(あめ)」なんかを導く枕詞なのを、同じ発音とはいえ「アメリカ人」に使っているところがナイスです。しかも「久方」っていうと、遠い感じですもんね。「遙か彼方のアメリカ人が発明した」って如何にもカッコいい。

こんな感じに、枕詞を形式的じゃなくて、ちょっとシュールに使ってみるって例が論文中に挙げられています。私が好きなのはこれ。

「ぬばたまのクロネコヤマトひっそりと君のメールをポストに落とす」(入谷いずみ)

まるでぬめぬめと生きているような「ぬばたまのクロネコヤマト」がちょっとシュールで怖いですね。「ぬばたま」は黒や闇を導くそうですから、こんなのはどうでしょう。

「川の瀬の石踏み渡り ぬばたまの 黒の乗り手は常にあらぬかも」
(本歌:川の瀬の石踏み渡り ぬばたまの 黒馬来る夜は 常にあらぬかも って同じやん…)

「ブルイネン 瀬を早みかも ぬばたまの 黒の乗り手に逢はむ夕星(ゆうづつ)」
(本歌:天の川 瀬を早みかも ぬばたまの 夜は更けにつつ逢はぬ彦星)

こういうことやり出すと、いくらでも指輪短歌が出来ちゃいそう。
 
家にあれば 6度の食事 ホビットも 旅にしあればレンバスを食う

…いえ、何でもないです。  
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by silverspoonsjp | 2006-09-09 01:14 | プチ日記
こんばんはー。

かなり前のものですが、今日、指輪仲間の皆さんとお話してたら、意外に知られてなかった動画ネタです。どんなものかお知らせするとお約束したので、こちらにURLを載せときます。

それでは、以下の3本をお楽しみに!んがぐぐ。

1.ボロミアの透明電話
これを見て以来、エルロンドの会議の場所でいつも笑っちゃいます(いろいろパロディにされてるシーンではありますが…)。今度、劇場でLotRを上映するときはOFF電のお知らせに使ってほしい(爆)
動画はこちら

2.オークさんに連れられて行っちゃった…
レゴラスの必死の形相にちょっとビビってるアラゴルンが一番おかしかったと言ってもいいですか。
動画はこちら

3.良い子はもう絶対絶対しません!
MTV Punk'dから。「どっきりカメラ」みたいな番組です。
今回の標的はイライジャ・ウッド。わたし相当ファンなので、出演作とかビデオクリップとかずいぶん見ましたが、今まで見たうちでは最高でした。斜め上からのアングルも良かったし、首は細いしね!(真っ正面から撮ると、すごく太く見えるのに…つまり、顔がそれだけ小さいということですな)。演技っぽく見えなくもない…けど、どうなんでしょう?

素だとすると、えーーーーーーっと...いたいけな乙女子供をいぢめちゃダメじゃないですか。むしろリブちゃんの代わりに彼がエルフの王女さまをやった方が似合ってたんじゃないでしょうか(^^;)
動画はこちら

3の内容の説明はこちら
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by silverspoonsjp | 2006-08-19 23:57 | プチ日記

成分分析 on web

すみません、本じゃないんですが関連ってことで。

ラッコ庵日乗さん、foggyな読書さんを通じて知りました名前の成分解析

名前を入れるだけで分析できるんですって。

面白いから「ロード・オブ・ザ・リング」のメンツでやってみませう。

まずは、アラゴルン。

アラゴルンの71%は犠牲で出来ています
アラゴルンの11%は歌で出来ています
アラゴルンの7%はマイナスイオンで出来ています
アラゴルンの6%は濃硫酸で出来ています
アラゴルンの5%はミスリルで出来ています

なるほど、歌ね(爆)!

グリマなんてどうかしら

蛇の舌の89%は宇宙の意思で出来ています
蛇の舌の8%は蛇の抜け殻で出来ています
蛇の舌の3%はマイナスイオンで出来ています

んー言いような悪いような。

じゃ、この人は?

サウロンの51%は嘘で出来ています
サウロンの37%は白い何かで出来ています
サウロンの7%は濃硫酸で出来ています
サウロンの5%はミスリルで出来ています

結構ミスリル率高いな(笑)

旦那様はどうかな?

旦那の64%は大阪のおいしい水で出来ています
旦那の19%は気の迷いで出来ています
旦那の7%はマイナスイオンで出来ています
旦那の6%は言葉で出来ています
旦那の4%はミスリルで出来ています


つ…次行ってみよう!

アンダーヒルの48%は汗と涙(化 合物)で出来ています
アンダーヒルの38%は白い何かで出来ています
アンダーヒルの9%は気の迷いで出来ています
アンダーヒルの4%は理論で出来ています
アンダーヒルの1%は言葉で出来ています

何だか言い得て妙…でも白い何かって何さ!
はっ…まさか白いあのしとに
取り憑かれているのかしら…?
じゃ、これでどう?

山の下

山の下の77%は微妙さで出来ています
山の下の9%は成功の鍵で出来ています
山の下の8%はミスリルで出来ています
山の下の6%はマイナスイオンで出来ています

びみょ~。さすがミスリル成分は多いのね。

お次はレゴラスいってみよう!

レゴラスの60%は大人の都合で出来ています
レゴラスの23%は株で出来ています
レゴラスの8%は気の迷いで出来ています
レゴラスの7%は濃硫酸で出来ています
レゴラスの2%は心の壁で出来ています


大人の都合…大人の都合…って?

そして、一番ミスリル率が高かったのは…。

執政の45%はやさしさで出来ています
執政の34%はミスリルで出来ています
執政の9%は気の迷いで出来ています
執政の6%は着色料で出来ています
執政の6%は鉛で出来ています

何やってんだか、自分…
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by silverspoonsjp | 2006-04-12 02:12 | 「指輪物語」関連の本
専門誌に、「ザ・映画タイトル考」という題で、映画のカタカナタイトルについてのエッセイが載ってて面白く読みました。

そういえば、英語タイトルをカタカナにして、そのまま日本語タイトルにしちゃうっていうの、よくありますよね。というか、ほとんどそうですね。

試しに「ぴあ」を見てみると、
「トゥー・フォー・ザ・マネー」なんて、‘to ,for the money’って…金の方へ、金のために、ってこと??と思ったら‘two for the money’だったり、 なかには「ウェス・クレイヴン's カースド」なんて、呪文みたいなタイトルまであります。(一体どうやって読めと?…いや、気になった時点で宣伝としては成功か?)

「calvaire」の邦題が「変態村」になったごとく、さすがに原語が英語じゃないと、このワザは使わないだろう、と思ってたけど、もちろんそんなことはなくて、映画雑誌をめくってみたら韓国映画や中国映画なんて、わざわざ英語タイトルからカタカナに訳してるんですよね。

かと思えば、カッコつけてるつもりが、herが「ハー」なんてカッコ悪い字面になったりする場合もあるせいか、最近は英語のスペルのあとにふりがなをふる(!)
「bird call〈バードコール〉」とか
「The Myth 神話」のように、後ろに訳をくっつけるっていうナゾの構成もあったり。

要は、カタカナに置き換えた時点で、それはもはや英語ではなく外来語なので、意味不明でも説明不要となり、日本語の体系の中に無理やり組み込まれてる、ということなんでしょう。

そうなると、タイトルの最後の「s」が落ちる、なんてのは複数を意識しない日本語への適応としては当たり前の部類に属するわけです。

冒頭のエッセイで話題になったのは、タイトルにつける「ザ」なんですけど、大抵のカタカナタイトルだと省略されるものなのだそうです。外来語としての「ザ」には集大成、といった意味合いもあるらしい。

だとすると、
‘the Lord of the Rings’が「ロード・オブ・ザ・リング」なのは
お約束のs省略に加え、
頭のtheは出さないくせにうしろの「the」は入れるという基本に忠実で、
カタカナタイトルの付け方の見本みたいな作品だということですね。
(「ザ・ロード…」とやったら、「これぞロード・オブ・ザ・リング」って意味になるわけだから、総集編を出すときにはいいかも♪)
邦訳についてはだいぶ異論があったけど、カタカナになった時点でもう英語じゃないんだから、
これはこれでいいんじゃないの、と思います。

中国語だったら(日本語にすると)「魔の指輪」「指輪王」という訳ですが、
邦題としては付けづらいでしょうね。
だとしたら、日本語訳を創作するしかないでしょうが、
「指輪の王」はマヌケだし、「指輪物語」は甘口すぎるから勘弁して欲しいし。

ところが、映画タイトルの頭に「ザ」がついてる例もある。
著者によると、それはアクション映画やミステリー、ホラー映画なんだとか。
「ザ・ロック」「ザ・リング」…
うーむ。
日本語でタイトルにわざわざ最初に「ザ」をつける場合は、どうやらこれらの分野に属する映画という目印になる、というご意見で、なるほどと思いました。逆に、これらに属さないとなったら「ザ」は削除してしまう訳です。

おや、ピーター・ジャクソン版「ロード・オブ・ザ・リング」はホラーなんだから、やっぱり頭の「ザ」が要るんじゃないの…?
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by silverspoonsjp | 2006-03-20 01:07 | プチ日記

ホビット一族のひみつ

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トールキン教授の創作の秘密を、作品に登場する人名や地名から探ってみようというもの。トールキンは言語学者でしたから、登場人物の性格や設定、物語の進展を、単なる思いつきではなく何か別の方法で考えたのではないか、という仮定のもと、いろいろな考察を行っています。

たとえば、「Hobbit」自体、Hobで始まる単語からその特徴を考えていったのではないか、ということが第2章に書かれています。

まず、「hob」は妖精、またはエルフのこと。「hobble」は、まごつかせる、「hobbledehoy」は青二才、「hobbler」はケナガイタチ、「hobbyhorse」はモリスダンスの踊り手、「hobgoblin」はエルフ・ゴブリン、「hobiler」は中世の軽装備の民兵で王に仕えていた。小作農、兵士、「hobit」は投石器 ウェールズ語のhobel=弓、「hoblike」は道化のような、「hobneil」は 田舎者、「hobnob」は噂話:飲み物、「hobo」は働きかつさまようもの…

これらの単語の羅列から、小さくてダンスが好きで、王に仕え、石投げが上手く弓の名手で、かつ噂話が好きで田舎者…というホビットの性格が設定されたのでは、という訳です。

この章なんかは、なるほどな~と思ったし、他にも、前からあちこちで言われていることではありますが、改めてまとめてあって便利というところは多いのですが、ところどころ、どうも素直に読めなかったのもまた事実でして…。読んでいるうちに引っかかる点がいくつかありました。

一つには、「ホビット」に限らず、何の語源についてであれ、これが正解と決められることは滅多にない、という点。これは、語源に関する本には宿命的について回るものですから、まあ仕方ないです。

もう一つは、どこまでがトールキン教授自身の考えで、どこからがデイさんの考えだかはっきりしないところがある点。トールキン教授は、手紙やエッセイなどで、何をヒントにして創作したか明言している場合もあります。そういった事柄を例としてあげたときに「原作者も言っている通り」などとはっきり書けば、もう少し信用性が高まったのではないかと思います。何も地の文に混ぜちゃう必要はなかったのに…。読み物というよりは考察の本なのですから、むしろ注を付けたって良かったくらいです。どう考えても子供向けの内容ではないのに、なぜわざわざ絵本風に仕立てたのかも不思議です。それとも、原題からすると、お手軽なガイド本のつもりだったのかしら?

というわけで、読み進むにつれ、著者の言っていることが妥当なのかどうか、踏み込んで考えてみようという気がだんだん萎んでしまいました。実は、中に、考察のカギとなっているのに明らかに間違っているところがあります(訳者も間違いを指摘しています)。ところが、間違ったままでもそれなりに解釈は通ってしまっているのです。

「『万葉集』は実は韓国語で書かれていた!」という主旨の本に、例として古今和歌集の歌が混ざってしまった。しかし著者はそれを万葉集の歌と思いこんでいて、韓国語でそれなりに読み解いてしまった…。例えは変かもしれませんが、何かそんな感じです。

トンデモ本というには、第5章のアングロサクソンの歴史とホビットの歴史の相似についての部分などは面白く読めましたし、どうもこの本のスタンスは不明で、それもフラストレーションが溜まる原因だったようです。海外のブックレビューを見ると概して好評のようなので、私がわかってないだけなのかも知れませんが…。

読むとついどこまでも追究してみたくなる、トールキン教授の著作の魅力とは怖ろしいものです。

第1章 初めにホビットという言葉ありき
第2章 辞書ーホーカス・ポーカス
第3章 入口ービルボ・バギンズ
第4章 ゴクリとゴブリン
第5章 ホビットの系譜と歴史
第6章 祖先あるいは開祖
第7章 バック郷とブランディ屋敷
第8章 トゥィク郷と大スミアル
第9章ホビットと土地
第10章 ホビット庄と大堀町
第11章 ホビット庄の町
第12章 袋小路屋敷:ホビットの家
第13章 ドワーフの陰謀
第14章 魔法使ガンダルフの魔法
第15章 トロルと巨人
第16章 ドラゴンの名前
第17章 ホビット庄社会
第18章 指輪所持者フロド
第19章 ホビットの仲間たち
第20章 ホビットの指輪
参考文献
訳者あとがき


原題は“the Hobbit Companion”.1997年初版のようです。

ホビット一族のひみつ 東洋書林
デイヴィット・デイ著 井辻朱美訳
リディア・ポストマ画 
ISBN 4-88721-6874 2,415円
A5変型判 148頁 2004年
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by silverspoonsjp | 2005-03-04 23:59 | 「指輪物語」関連の本
今年最初にご紹介するのは、「指輪物語」関連本でございます。
序以外には「指輪物語」もしくは関連書籍の論考10章と、トールキン教授による文章1章からなりたっています。

この本は現在第2版が出ておりますが、Amazonで書誌情報を見ますと、赤龍館さんのレビューがあり、最後の章・トールキン教授による「『指輪物語』に登場する名前についての指針(Guide to the Names in The Lord of the Rings)が含まれていないことがわかります。何かの事情によって省かれてしまったらしいです。

この章では約259(カラ見出しあり)の人物名、地名、事物名について、原作者自身により翻訳する際の指示がなされており、たとえば地名・Weathertop という項目を見ると「翻訳せよ」と書かれています。人物名・Marigoldは「この花の名(マリーゴールド)に翻訳せよ」、Hobbitには「翻訳してはいけない」という指示が出ています。また項目によっては、その語の成り立ちが事細かに書かれています。

このエッセイ、そのうちまた何かの本で見られるようになるとは思いますが、それまで待ってるのもしゃくだったため、大学図書館経由で入手してみました。はさみとバラド=ドゥアは使いよう…。それにしても、日本の図書館でこの本の初版を持っているところが相当数あるとは、日本の図書館がすごいのか、はたまたトールキン教授人気がすごいのか・・・。

Jared Lobdell 編
The Open Court Publishing Company 1975年
ISBN 0-87548-316-X 
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by silverspoonsjp | 2005-01-06 01:21 | 「指輪物語」関連の本
a0003079_23383455.jpgついに、待ちに待った本が出ました!映画「ロード・オブ・ザ・リング」の日本語吹き替え版でエルフ語の監修をなさった、伊藤盡(つくす)先生のエルフ語入門書です。
先生が講師を勤めるエルフ語講座には遠くて行かれない…という方も、この本があれば、講座の内容をかなりつかむことができるでしょう。

エルフ語とは、J.R.R トールキンが創造した言語のことで、彼の著作にエルフがしゃべる言葉として登場します。トールキン自身は、この言葉の背景として「指輪物語」や「シルマリルの物語」を書いたといっているそうなので、物語をより深く知りたいなら、エルフ語を知ることが大切になるわけです。

「エルフ語」の入門といっても、中味は言葉のレッスンだけではありません。前半は、トールキンの言語創造と、その背景にある、言語学や神話についての解説があります。

たとえば、古英語を話したアングロサクソンの王家には実際に「エルフの忠言(Alfred)」
「エルフの友(Alfwine)」という名をもつ王族がいたとか。

後半はクウェンヤとシンダリン、2系統のエルフ語の説明になっていますが、ここにも、言葉を通して物語をさらに楽しむための蘊蓄が詰まっていて、ファンには必読の書となっております。

これを読んでおけば、森でエルフに会っても大丈夫!

ISBN 4-413-03488-0
青春出版社 1400円
四六判 240ページ
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by silverspoonsjp | 2004-08-02 23:52 | 「指輪物語」関連の本