本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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皆さん ドブリ ビーチェル!

覚えた表現は骨までしゃぶる、銀の匙です。
感心にもまだロシア語を勉強しています。(←誰も褒めてくれないので自分で言っとく)

何事にも面倒くさがりなので、地道な外国語学習なんか大嫌い。
別に作家や通訳になる訳じゃなし、
そこに行きさえすれば、私が必要な程度の外国語なんて
簡単に覚えられるのですから(これは私だけではなく、たいていの人が)。
これまでもこうしたズルをして、すっかり味をしめているので、
なかなかこのらくちんな方式から思考回路が抜け出せません。

しかしまあ、社会人ではそうそうワガママも言えません。
ロシア語を勉強したいからって、さくっと旅行に行けるでもなし。
次のチョイスは語学学校だけど、お金がかかるし。
日本にいるロシア人の日本語の勉強をジャマする訳にもいかないし。

仕方ないので、ラジオのロシア語講座を使うことにしました。

昔、ラジオ講座だけで英語を覚えた!みたいな人の話は
イマイチ信用していませんでした。だって、ラジオは一方通行だし、
自分が言い間違えても直してくれないからです。
(私は、外国語が上達する唯一の方法は、自分で言い方を考え、
間違えて、直されることだと思っています。子どもはみんな、
そうやって覚えてますよね…)

第一、ラジオ講座の教材が、あまり面白くなくて…。
しかも、だいたいがリスナーをナメてるのか、簡単過ぎます。
ナニ威張ってるのかって?じゃー証拠を見せましょう。
ホラ、ラジオ講座のページにある、中国語レベルテスト。
a0003079_23574944.jpg


見て下さい、1位ですよ。(って同順二百数十人いるけど、でも
1位は気持ち良いですよね、あっはっは)っていうか、
こんなにたくさんの人が100点取ってて
レベル分けの役に立つわけ?

…とまあ、これまで歯牙にもかけて来なかったラジオ講座ですが、
全然知らない言葉には、今さらながら、かなり役に立つことに気づきました。
名付けて、絨毯爆撃方式。

1.ラジオの語学講座は本放送というのが毎日15分くらいあります。
これは、今書店で売られているテキストを見ながら聴くもの。
今年の講師は八島雅彦先生。ソフトな語り口で、ロシア語が好きでたまらない!という雰囲気を醸し出しているのが何ともGood。ゲストとのやりとりも軽妙です。簡単な内容の割に練習問題は手応えがある内容。
ただし、(私にとっては)聴きづらい時間に放送されているので、
直接聴くことが難しいし、今年の内容は表現中心で文法はあまりやってない。

しかし、ありがたいことに、この放送は「ストリーミング方式」で、
翌週1週間、ネット上で聴くことができます。1周遅れになりますので、
私はこれを復習に使うことにしました。

2.まいにち放送されてる語学講座にはもう一つ、
「アンコールまいにちロシア語」というのがあります。
これは2010年度(つまり2年前)に放送された内容と同じで、
全部通したテキストを売っています。

残念ながらCDはもう入手できません。なので、音声はラジオで聴くか、
らじる☆らじる」というネットラジオで聴きます。これを1日1課、録音し、
家に帰ったら必ず聴きます。つまり、これを本放送のように使っています。

2010年度の講師は柳町裕子先生で、あまり立て板に水でなく、しかも
とっても親しみのもてる解説で毎日楽しく聴いています。スキットも後半はとても自然で、使えそうな表現がたくさん出てくるし、初心者の苦手そうな内容は必ず繰り返してくれる親切設計でありがたいです。日本、しかも新潟を舞台にしているという点も物珍しく、また、ゲストのトークや文法の説明もよく練られていて、オススメの内容です。

3.そして、実はもう一つ、ラジオ講座を使っています。
それは去年(2011年)のバックナンバーです。
基本的にロシア語講座は半年で講座が修了し、
次の半年は再放送になるので、本は6冊、CDは6枚買えば済みます。
チリもつもれば結構なお値段ではありますが、教室に行くよりは安いと思って、
思い切って買いました。

NHK出版は今出てる号の1年前の1つ前の号までしかバックナンバーを
置いていないので、今からだともう4月号(5月号もたぶん)は買えません。

ですが、4月号なら、中味は10月号を買っても一緒です。
以下、5月号は11月号、6月号は12月号…と同じなので、
10月号から翌3月号まで揃えれば、一通りOKです。
2011年度は表紙がとても可愛く
(特に4月号と5月号が可愛かったんだけど…)、
CDとセットで持っていると、何ともいえず幸せな気持ちです。

また、2011年の講師は源貴志先生で、
文法がきっちり整理して示されているので、
後々役に立つと思います。
私はCDを録音して持ってあるき、スキマ時間に聴いて、
地道にコマ数を稼いでいます。

つまり、

3を2ヶ月先の内容まで-1を1週間先の内容まで-2を1日1課

進んでいるので、何気なく2回復習することになり、
しかも文法事項は同じなのに、テキストも単語も異なるので、
飽きずに続くという仕掛けなのです。
(実際には、この前ご紹介した「初級ロシア語文法」
復習にもなっているので、
ほぼ同じ文法内容を4回学習することになります)

そして、3が全部終わったら、同じく源貴志先生がこの年のテキストを
中心に編んだという、「ロシア語練習ドリル」NHK出版に手を付ける
予定です。実は、それぞれの文法事項が終わった時点でちょっと
やってみたんですが、今の私には例文が難し過ぎる…。
でも、半年が終わった時点ならちょうど良いくらいだと思います。

ということで、果たしてどのくらい効果が上がるか、半年後のお楽しみです!
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by silverspoonsjp | 2012-04-24 23:55 | その他のことばの本 | Trackback | Comments(0)
皆様こんばんは。

ここのところ怒濤のごとく忙しく、当然気持ちに全然余裕もなかったので、ちょっと時間が出来たらここに書き込もう…とネタを溜めているうちに、すっかりタイミングを逸しておりました。日記とか付けていないので、ブログに書いておかないといろいろ忘れちゃって…

幸い今回は時事ネタ(?)なので、さっさと書く気になり、有り難いことです。

さて、岩波書店。

2013年度の社員採用は著者か岩波社員の紹介があること、と堂々ホームページに明記したため、ニュースになりました。

このニュースに対して批判的な意見は、雇用の機会均等に反するというもの。

逆に擁護する意見はいろいろで、私企業なんだからどんなポリシーで採用しようと自由だというもの(その結果、会社が傾いても、それは企業自身の選択だからしょうがない)、明言しないだけで縁故採用は他にもある、というようなもの。

私企業、しかも中小企業なら、そんなに大人数の採用はできないし、だからこそ、採用にあたってどんな条件を出すのも勝手だと私も思います。ただし、エントリーさせて試験も受けさせるくせに、実は隠れた採用制限をするというのはサイテーだと思います。たとえば、男性/女性のどちらかは採用の対象外、独身者/既婚者は採用しない、○○県出身お断り等々、まともな理由も説明せずにこういった採用制限を付ける会社は条件を公開して「あーそういう残念な企業なんだ…」と思われるリスクをきちんと取って頂かないと。

で、岩波書店は公開したのですから、(自覚してたかどうかはともかく)きちんとリスクは取った訳ですし、企業の規模としては立派な中小企業な訳ですが、だからといって採用に条件を付けても問題にならない企業なのかというと、それはちょっと疑問です。理由は

1.採用希望者が1000人単位で殺到する人気企業である
2.昔ほどの権威はないかもしれないが、「発信者」の側であり、私企業といえども一定の社会的な影響力がある
3.リベラルな出版物を出しているというイメージで売っている企業である

こういう企業が縁故採用しかしないと宣言したら社会的な影響力は大きいし、ただでさえ就職が大変な若人はガッカリしてしまうでしょう。天下の岩波書店が、若人をガッカリさせてどうする!?

岩波としては全然そんなつもりはなく、「記念受験」のつもりの人は来なくていいから、くらいのノリで、足切りの条件として出したと言ってるみたいですが、だったら「コネ採用」などと言われないような足切り方法にすれば良かったのに…例えば、岩波新書を100冊読んで全部の宣伝文を各○字で作って来い、とか、本気で入社するつもりがあるかどうか測る方法は他にもあるでしょうに…。

何だか、商品を見る目がないからブランドモノしか買わないとか、美術品の価値が分からないから鑑定書に頼るとか、そんなレベルで人を採用するんだろうかとすら思ってしまいます。

ただ、今回は条件をハッキリ提示していましたが、「噂」のレベルではあれ昔から岩波は、著者の紹介状がない新卒は入れない、とは言われていました。明らかに紹介制だった時期もあったみたいですね。

穿った見方をすれば、岩波書店はかなり専門書が多い、ハイレベルな出版社なので、もし編集部配属にでもなったら、かなり高度な知識が求められることになるでしょう。なので、岩波から本を出してるレベルの著者の弟子でなければ、勤まらない、とでも考えているのでしょう(違ったらゴメン)。あるいは、自分たちと同じ「知識人」のお仲間しか入れたくない。そうとしか解釈できないんですが、この条件…。

さらにイヤだなぁと思うのは、本当に我が社に入りたければ接点を探すか、これから作ればいいという説明。だって、友人・知人・卒業生に社員がいるか、自校に著者がいるか、近所に社員がいるという環境を求めること自体、岩波の場合は選民的だし、それに気が付いてない鈍感さがイヤ…。たとえば私、東電に入社したかったとして同じ条件を出されても、身近で誰ひとり思いつきませんもん。

著者にアタックする、という手もあるとのことですが、自分のゼミ生でもない人においそれと紹介状を書く教授はいないだろうし、だったら個人的に著者に気に入られて紹介状を書いてもらうよう努力しろ、というなら、それは一次試験を著者に丸投げするのに等しい気がするんですが…

そして、なんで私がネチネチと書いているかといえば、それは小さいときから、そして今も愛読している本を出版している会社にこんなことして欲しくないと思っているからです。そりゃ、終戦直後とかの混乱期だったら縁故採用も仕方ないかもしれませんけど、今は平成ですからね。
「出版はハッキリ言って斜陽産業だけど、御社の本をずっと読んできて、自分は本を作りたいんです!」そう思ってる若人(いれば)を門前払いしないであげてくださいな。

それに、同じような人ばっかりで組織を固めていると、早晩、会社が危なくなるかも知れませんよ?岩波のない日本の出版業界、それはもっとイヤなことなので…。
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by silverspoonsjp | 2012-02-05 23:16 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(0)
療養中のお友達に、何か面白い読み物をと思って、本屋に駆け込みました。

それにしても、初めて入る本屋さんって、他人様の台所以上に勝手が分からないものですね。どこから手を付けて良いのかわからないので、まずはごく最近、「指輪物語よもやま」のたかなしさんに勧めて頂いたヤマザキマリさんのマンガ、『イタリア家族』を探しました。

お昼休みの時間帯には(迷惑になるから)やりたくなかったのですが、結局店員さんに尋ねて、さんざん検索して頂いた挙げ句、結果は「お取り寄せ」。『テルマエ・ロマエ』を面出しするくらいなら一緒に並べておかんかい!と突然コワイ人になりたくなる気持ちをぐっと堪え、他に何かないか物色する羽目に。しかし、マンガは全てビニールがかかっていて、どれが面白いんだか素人にはさっぱり。これで書泉なら店員さんにオススメを聞くところだけどここは御茶ノ水○善だし(あ、言っちゃった)困った…。

と、振り向くと、そこに何か私をぐっと惹きつけるオーラを放つ、新刊書の山が!

なになに、坂田靖子先生の「ベル デアボリカ」、美しき魔物…?(って意味だと思うけど、間違ってたらゴメンなさい) 

中味が見えないから何とも言えないけど面白いかも、とお会計しようとしたけど、これは第2巻。聞けば案の定第1巻は置いてない(怒)。取りあえず2巻を買って読んでみて、それから1巻を買おうか…でも、私の「この本面白いはずですよ」アラームが振り切れているし(3分間しか点滅しないけど)…

もう時間もなかったので、速攻神保町まで行って、三省堂で買いました(「イタリア家族」もちゃんと売ってた)。
(で、最初の店に後日行ってみたら、全然別の場所に1巻が置いてあることがわかって激しく脱力…)

ということで、前置き長かったですが入手した坂田靖子先生の「ベル デアボリカ」。つまんないものをお見舞いで渡すのもどうかと思って開けて読んでみたら、面白いのなんのって(いつもマンガを読みつけてる方ならとっくにお読みになってるでしょうけど)、まだ自分の勘も捨てたもんじゃないとちょっと嬉しかったりする今日この頃でございます。


設定はまあ、ありがちといえばそうなんですけど、とある小さな国の年若い領主が、周りがさんざん諫めるのも聞かず、国防上重要な場所に居座る魔法使いを、邪魔なら殺す位の気持ちで捉えて幽閉してしまう。

ところが、一国の軍隊を全滅させた無慈悲な魔物という噂の大魔法使いは、一見弱々しい少年にしか見えず、殺すこともできなくなった領主は途方に暮れてしまいます…。

一筆書きみたいなシンプルな線で書かれた絵なのですが、それがまた何となく中世の絵巻物みたいで、とても雰囲気が出てるのです。

この本が単行本で出るまでには、いろいろといきさつがあったらしく、今はweb上で連載されていて、第一話と最新話はココで無料で読むことができます(ぜひ、第一話から読んでみてください)。

自分の心の自由のためには、人を殺すことも厭わない魔物-何だか、芸術家を彷彿とさせますが、そんな孤高の境地に少しずつ変化が現れるという繊細な描写が何とも良いんです(人はそれをツンデレと言う)。更新が2ヶ月に1回なのが何ともじれったいですけど…。ただ、この本を読んでから時間が経つのが遅く感じられるようになりましたので、アンチエイジング効果は抜群だと申し上げておきます(爆)

さて、大変気に入ったのでもう一回読もうかと、週明け○善に行ってみたところ、まるで魔法のように、デアボリカ山はなくなっていました。つまり、数日違えばこの本に偶然出会うということはなかったって事です。洪水のように新刊書が出るとは知っていましたが、しみじみ実感しました(ちなみに、山はかなり低くなって、別の場所に移動していました)。

しょうがないので、ネットで最新話を反芻することに。

そして顔を上げると、現実とは思えない怖ろしい現実のニュースが。どうぞこれ以上、犠牲が増えませんように…!
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by silverspoonsjp | 2011-03-14 23:24 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback | Comments(2)
ついに買ってしまいました、Amazon Kindle第3世代。軽い、小さい、超便利!Amazon謹製の読書ライト付きブックカバーもセットして、久々に良いお買い物であります。

まだAmazon.comからしか買えないのが玉に瑕ですが、日本語も読むことが出来ます。洋書を読むために買ったのに、なぜこの機能が大事かというと、それは英辞郎を使いたいからです(苦笑)

匙流Kindleの使い方はというと…それは当然、歩く指輪図書館(呆)

Lord of the Rings 全巻とHistry of MiddleEarth、教授の手紙等々、指輪関係で電子版や自作デジタル化したデータは全て突っ込んでも容量的には余裕綽々。こんなに入って、見た目は文庫本が一回り大きくなったくらいのサイズ。画面が見やすいのはもちろん、知らない単語にカーソルを合わせると、別途購入した英辞郎の語釈がポップアップで出るように設定してあります。これがとても便利。気になるところを抜き書きしたり、しおりを付けたりできます。

さあ、これで明日から2週間の入院期間も絶対退屈しないことでしょう。では、皆様どうかお元気で。
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by silverspoonsjp | 2011-02-04 00:22 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(4)
皆様こんばんは。長のご無沙汰でございました。
今年はちょっとウチのが病に倒れた上に、再発を心配しすぎたあまり私まで倒れ、本当に自分でも何やってんだかなーでございました。心配したって治るわけじゃないのにね。おかげでアレコレと滞り、ご迷惑をお掛けした皆様、申し訳ございませんでした。

と言ってるうちに、もう今年も最終日ですが、有終の美で、
今回は一番好きな本で締めたいと思います。

動物のことばが話せる獣医さん、ドリトル先生シリーズの1冊です。
小さい頃、井伏鱒二訳でお読みになった方も多いことでしょう。

このシリーズの英語版は、いろんな出版社からいろんな種類のものが出ているのでどれを選ぶか本当に迷うのですが、今年読んだのは、
Bantam Doubleday Dell Booksから出されたバージョンです。

ペーパーバックでお安い本なのですが、
きちんと原作者ロフティングの挿絵がページいっぱいに使ってあり(←これ重要)、一見分厚く見えますが、驚くほどサクサク読めます。

厚い本だと途中でイヤになっちゃうことあるでしょ?
この本は2見開きか3見開きで1章が終わるように、
原文を上手く圧縮したり、レイアウトを工夫して作ってあり、
そんなに短い割に、どの章もわかりやすく、続きが読みたくてしょうがないような感じにまとめてあります。
これがサクサク読める秘訣なのです。

どの程度オリジナルと近いのか、比べてみようと思っていたのですが、
いまだオリジナルが手に入らずにいます。
第一、ネット書店の書誌情報では、どれがオリジナルなんだか今ひとつハッキリしません。
確実に著者によるイラストが入っているのがどれかも分かりづらいし…。
復刻版というのは間違いがなさそうですが、日本語版の底本になっているのは、そのバージョンではなさそうです。

説明を読む限りでは、オリジナルが書かれた当時の描写に差別的な内容があるために、いま普通に流通しているものには、多かれ少なかれ、手が入っているのだそうです。
だからといって、挿絵を全面的に差し替えなくてもいいと思うんだけど、ああ、挿絵にも差別的なものがあるんですね、きっと。

こういう場合、オリジナルを変更すべきという意見、変えるべきではないという意見、どちらの立場も分かるので、コメントは控えさせて頂きます。
巻頭にエクスキューズを置いて、文章はオリジナルというのは妥当なようですが、子ども向けの本という性格を考えるとベストなのかどうか…

前置きが長くなりましたが、いくつになって読んでも、本当にこの本は面白いですね。

私は、いつも抜群のアイデアを考えついてドリトル先生の窮地を救う、オウムのポリネシアが大好きで、他の登場人物はすっかり忘れていましたが、そういや本の語り手はトミー・スタビンズ少年だったんですよね…。

読んだ年より上の設定だったので(しかも今読んでもすごく大人びてるし)、
自分にとってはドリトル先生と同じくらい遠い世界の人に感じてました。
今の方がむしろ、スタビンズ少年の目を通して物語を見渡せるような気がします。
貧しくて学校にも行かれなかったスタビンズ少年ですが、
音楽を愛するお父さん、優しいお母さんに大切に育てられたというあたりが、
お話のトーンに大きく影響しています。

それにしても、お母さんの英語の丁寧なこと、オリジナルでもこうなんでしょうか…。

英語版の全編でいちばん興味深かったのはこのシーン。
スタビンズ少年が、自分も動物のことばが話せるようになるかどうか、
ポリネシアに尋ねるシーンです。

“Do you think I could ever learn the languages of animals?”
“Well,it depends,Are you clever at lessons?”
“I don't know” 

スタビンズ少年は学校に行ったことがないので、
授業についていけるのかどうかわかりません。
ポリネシアは学校に行ってるかどうかは大した差ではない、
と少年を慰めた後、こう聞きます。

“Are you a good noticer?
Being a good noticer is terribly important”


物事を観察する力があるかどうか…博物学者になるには、
確かに大切でしょうけど、ことばを学ぶにも、大事な能力なんですね。
さすがポリネシア!

と、まあ、簡単な英語で結構深い内容のこのお話、
懐かしい皆様にも、初めて読む皆様にも自信を持ってオススメ致します。

ということで、皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

N.H.Kleinbaum編
4.5USドル
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by silverspoonsjp | 2010-12-31 23:11 | 英語の本 | Trackback | Comments(0)
ひごろ(SF以外の)小説はほとんど読まず、(SF以外の)小説を読むとなったら重箱の隅をつつくようなところばかり熱心に追求しているのでございます。

世間にお仲間は少なくないと見え、小説に出てくる何ソレを取り上げて一冊にした、という本は探せば結構あります。まあ、普通はレシピとか、小説の舞台になった場所とか、そんなものなんですけど、もう少し考現学的な部分に注目した本を面白く読んでます。以前、インテリアで読むイギリス小説という重箱隅本をご紹介しましたが、あんたも好きね、の類書がこちら、イギリス「窓」事典でございます。

こちらは前者よりさらに隅度がアップしており、登場する窓の用語は300以上、取り上げた小説は187におよびます。も、ち、ろ、ん、「指輪物語」も取り上げられています(マニアックな箇所ですが)。

しかし、気になったから「窓」を集めただけなら、単なる趣味の本ですけど、思うに、インテリアが英国の人の内面を表すものだとすれば、外との境界であり、しかも自分は中にいながら、あたかも外とつながっているかに思わせてくれる「窓」というものが、小説の中でどのように使われているかをテーマに据えるのは、なかなか上手い着眼点ではないでしょうか。

「上げ下げ窓」(sash window)の説明を見ると、この窓の細部の名称から、材料も含めた歴史的な変遷、なぜこの窓が珍重されたか(換気のしやすさや窓辺に花を飾るときに邪魔になりにくいなど)の考察、「まだらの紐」を含む、このタイプの窓が登場する小説の一節が紹介されています。

「フランス窓」(French Window)の項目を見ると、サキの「開いている窓」の引用があり、このタイプの窓でなければならなかった理由が解説されています。

ただ、名称の説明の項目では、この「フランス窓」のように、なぜ小説中に登場するのが「そのタイプの窓」でなければならないのか解説しているのは例外で、ほとんどは窓自体の説明と、小説の引用だけで終わってるのはちょっと残念です。紙幅の関係もあるんでしょうけど…。ただし、映画で窓が出てくるシーンについて言及している時は、割合突っ込んだ解説が載っています。

特に面白く読んだのは補遺の「窓の歴史」以降で、windowの語源(「風」の「目」)から始まり、ガラスがなかったころの窓、ガラスの窓…と続きます。

そうそう、日本の窓もガラスの前は「紙」だったんですよね…家に和室がないから忘れてましたけど。イギリスではリンネルや油紙、牛の角を薄く切ったものなどが使われていたそうです。ガラス窓は高価で、留守の時は取り外して保管し、引っ越しの時は外して新居にもっていったとか。18世紀になってもまだまだ貴重なものでした。

そんなに高い贅沢品なので、窓には「窓税」という税金がかけられていました。取り付けられた窓の数に応じて税金がかかる仕組みで、しかも所有者ではなく居住者から徴税したため、税金を払えない店子が窓をレンガでふさいでしまった跡が今も残る建物もあります。税金対策のためか、検査が入るときだけ窓をふさぐという荒技もあったという話は、今も昔も変わんないなーといったところでしょうか。

しかし、一番ビックリしたのは、この信じられない税金「窓税」、名前こそ「窓銭」ですが、中世・近世のニッポンにもあった、というくだりでした。

こういう本、持ってて悪くないと思うのですが、お値段がビックリ税込9600円、まさか窓税included?(ああっ!ガラスを振り回さないでくださいっ!!)個人で買うにはちょっとした勇気が必要です。470ページもあるし、良い紙を使っているので法外とは言えないけど、それにしてもねえ…。

三谷康之著
日外アソシエーツ
A5判 470ページ
4816920757
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by silverspoonsjp | 2010-02-13 22:37 | 素敵なヴィジュアルの本 | Trackback | Comments(2)
ある日メーラーを立ち上げると、Amazon.comから妙な品物のお知らせが届いていました。

「キンドル-アマゾンの無線読書装置。英語書籍を100カ国以上の地点から60秒以内で購買可能。クリスマスの贈り物として好適」


一読した時点では、またケッタイな電子本を薦めてきたものだこと、どうせリブリエとかと同じで長続きしないに違いない…とスルーしたものの、1500冊内蔵できる!とか、60秒以内に本が手元に送られてくる!とかいう文句にちょこっと心が動いたのであります。パソコンにつながず、キンドル単体でAmazonにアクセスできて、しかも通信費はAmazon持ち(海外はちょっと料金体系違うらしいけど、アメリカ在住の人は通信費が全くタダらしい)

詳細ページ(リンク先の下の方まで見てみてください)には、むかーし昔にエントリーしたこの記事に関連する技術の名が。そう、超使えそうなハイテク、電源を切っても表示が消えないe-inkであります。

キンドルはすでにアメリカでは大人気とのこと、元記事書いたとき、この会社の株を買っておけば…(って株を買うお金がないんですけど)

あーでもアメリカが作るこういうのって、最初は図体が大きいからやっぱやめた…と忘れていましたが、神保町のスタバに入ったら、これで本読んでる人がいるではありませんか。

超薄い!(思ってたより比)

超カワイイ!

超白い!

実物を目の当たりにして、にわかにキンドルが欲しくなった私。よし、買うか!と思って調べてみたら、またまた人心を惑わず別の情報が。

バーンズ&ノーブルが、またまたカワイイ類似商品「nook」を出してます。

ということで、いったんキンドル熱は平熱に戻りつつあるのですが、さて…

実は現時点で、アメリカの読書端末は日本の電子ブックには対応していません。日本でも端末は買えますが、キンドルはあくまでもAmazon.comの取り扱い品を買うことになるようです。

日本ではこの点を取り上げて、日本はまた乗り遅れてる…とか、またはアメリカは英語の書籍だけでも大きな市場になると思ってるなんて傲慢、みたいな論調も見かけますけど、それはちょっと違うんじゃないかと思います。

まず、日本の本が買えない点ですが、これは英語の書籍でも、「ハリー・ポッター」シリーズのような人気作や最新の本なども買えないのと通じる部分があるんでしょうね。つまり、新刊の場合、紙の書籍の方が実入りが良い従来の出版社は、デジタルコンテンツを安価に(アメリカの場合たぶん半額くらい)Amazonに卸すということに、あまり熱心ではないと推測できます。装丁や「モノ」にこだわらない読者なら、高いペーパーバックより電子本を買うでしょうから。

出版社にしてみれば、紙とデジタル両方売れるうちは良いけれど、そのうち街の書店が無くなってしまい、デジタルコンテンツしか売れなくなったら、相当困るというのが本音だと思います。これまで書店に対して、卸価格を強気でつけていた出版社も、Amazonでしか本が売れないとなったら、条件を呑まざるを得なくなるでしょう。

本を作り、デジタルデータも作るやり方から、デジタルデータだけの作成になると、出版社という商売自体が成り立たなくなってくる可能性だってあります。著作権者が自分でコンテンツを売れば、出版社に中間マージン取られなくて済むわけですもんね(出来上がる作品のクオリティが下がるとは必ずしも言えないわけですし)。一方で、お手軽に楽曲がどんどんコピーされてしまう音楽業界の苦悩が、出版界の苦悩にならないとも限らないわけです。

日本の読書端末や音楽デバイスは、コンテンツ産業の反発を買わない方向で設計されているために、使い勝手が悪いのは当然の帰結で、メーカーを責めたって始まりません。変わるのはどこか。それは出版社しかないでしょう、残念ながら…。

書き手を発掘し、または企画を出し、編集し、欲しい層にきちんと届けるのが出版社の仕事なら、媒体がどう変わろうと必要な仕事だと思うし、それで対価が得られるように知恵を絞る時なんだと思うわけです。
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by silverspoonsjp | 2010-01-18 23:54 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(2)
最近は「ウェブ」か「マップ」しか使ってなかったので、全然気が付かなかったけど、Googleに「書籍」ってカテゴリーが出来てたみたいですね。

これが訴訟だ和解だと大騒ぎになってた機能か…へーぇと思いつつ試してみました。

たとえば「One ring to rule them all」と検索してみると(^^;)
原作の「旅の仲間」の該当ページをはじめ、
Lex Populiに始まって、トールキンのガイド本やら指輪物語の映画関連本やら、本文にこの詩が引用されている書籍がずらずら出てきます。

ちなみに下の方の欄に、本の中でよく使われている語句としてAragornが一番大きく出ているのはどういうことなんでしょうか?(ちなみにちなみに、Aragornよりは小さい字でMerry とPippinも出てくるのに、Frodoが出てこないのはナゼなんでしょう??)

うーむ…これはこれは…。

日本の書籍ではどうかと思って、

石炭をば早や積み果てつ

と入力してみると、
鴎外全集の一部(該当部分の6字くらいを1ページにわたって横長に表示)
が出てきました。

確かに、このページそのものは出てこないのですが、
検索した時点で鴎外全集の400ページに記載があること、前後の文章なども出てきますし、
アメリカの大学に蔵書があるためか、がっつりデジタル化されています。

こういう仕組みは確かに調べ物なんかにはとても便利です。
論文を書くときに、どこに自分の欲しい情報が載っているか探すところに時間がかかっていたのが、これならあっという間。

しかも、ネットに慣れてる人は調べ物をするとき、本を探すってことを考えつかないみたいですが、ネットを窓口にすればもれなく探せますしね。

それなのに何が問題なのかといえば、たとえば、

・いきなり無許可で印刷物をスキャンしてデジタル化し、これをネットで公開するというやり方は乱暴過ぎる。

・検索に賛成なら何もしなくて良いが、反対するには高いハードルがあるうえ、一方的に不利な立場に立たされるというのはアンフェアではないのか。

・ユーザーにとっては無料に見えるが、Googleは(現状)広告料で成り立っている。著作権者や出版社がコストをかけて作ったコンテンツを許可なく利用してもうけているのはどうなのか(ただ、これはニュースの検索の方が影響大きかったと思いますけど)。

・絶版本や著作者の許可が取れた書籍のみを全文公開するというが、その支払いの窓口はGoogle一社であり、著作者には相応の著作権料が払われるというものの、額や支払い方法はGoogleの都合によって左右される恐れがある。

・将来的に、全世界の本に対して、Googleの恣意的な判断で検閲まがいのことが行われる可能性は排除できるのだろうか。

私も上記の懸念はもっともだと思うんですが、一方で、Googleがやらなくてもどこかがやるだろう、という気もするんですね…。なので、結局、問題は、

一私企業であるGoogleの独り勝ちになるやり口は如何なものか

ということに尽きるんだろうと思います。

あとは、ますます書籍のデジタル化が進むだろう、ということでしょうか。
この点については、またの機会に…。
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by silverspoonsjp | 2010-01-04 23:34 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(0)

天皇陛下の全仕事

知ってるようで知らないのが天皇陛下のお仕事。

ということで、宮内庁担当記者だった著者が、
天皇陛下の日常業務について解説している本を読んでみました。

社会科でも習ったし、報道されているお仕事もあるし、その大変さは
だいたい予測がつきますが、それを上回る激務です。

思いもよらない仕事が重要な事もあります。たとえば、国体や植樹祭など決まった行事への出席。これらは各県持ち回りで開催されるため、地方を訪問することになるわけですが、なんと、飛行機なら空港まで、新幹線なら東京駅まで、首相がお見送りに来るそうです。(知らなかった…)

他にも、国家の象徴としての立場から、あれこれ気を遣わなければいけない点があり、その辺も考えるだに大変そうです。

それにしても、何がキツイって、「天皇の国事行為」と決められている仕事は、入院か外遊でもない限り、他へ投げられないことあたりでしょうね。
国会を召集するとか、総理大臣を任命するとかは、そうしょっちゅうはないでしょうけど、法律や条令を公布するとか、栄典を授与するとか、細々したものが結構あり、書類の決裁だけで週2回、午後かかりっきりになってしまうそうです。

事務仕事以外にも、接見とか、奉仕団の人への挨拶とか、気疲れしそうな仕事がてんこ盛り。週休二日にならない週も多く、代休もままならない。
この状態が定年もなく、退位するまで続くんですよ。
法律によって「生活のかなりの部分がほぼ自動的に決定済み」な生涯とはどんなものなのか、想像もつきませんが、本書で見る限りでは、本当にお気の毒な印象です。

おかげさまで日本の伝統が守られている面はあるのでしょうが、
(とかいって、実はほとんど明治に作られた伝統だったりするけど)
だからってこれで良いのかという気はします。
日本で一番「滅私奉公」してる人が今上陛下とは(泣

ここで図らずも、数年前に日本でも公開された、スティーヴン・フリアーズ監督の「クイーン」を想い出してしまいました。イギリスのエリザベス現女王を主役にした映画です。

映画の中では、労働党の党首であり、ある種究極の反対勢力とも言えるブレア首相が、エリザベス女王には敬意を持って接する姿が描かれていました。女王は、自分の義務と役割に忠実であろうと努力し、公人として自らを律しています。その姿勢からは、おのずと品格がにじみでています。
 
自分の都合より義務や原則を優先するとは、言うは簡単ですが、いろいろな意味で難しいことだと思います。女王も戦中・戦後の厳しい時代をくぐり抜けてきたので、「不自由な生活」にも耐えられるということはあるのでしょうが…。

ただ、品格を保つということはその一方で、失うものも大きいと、映画を見たときには感じました。ある決められた秩序からはみ出さず、変えるよりは忍従によって自分を律する姿勢は崇高ではありますが、これからの未来、それだけでやっていくのはなかなか難しそうな気配です。

本書は「クイーン」とは異なり、天皇陛下の信条や発言などが取り上げられる訳ではなく、ほとんどがお仕事の内容について淡々と記しており(仕事を通じて人柄を描いている箇所もありますが)、好感のもてる書きぶりです。

講談社現代新書
山本雅人
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by silverspoonsjp | 2009-03-08 22:36 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback(1) | Comments(6)

砂糖のイスラーム生活史

やっと書斎に帰って参りました(←休みもないのに一体どこから…?;)。
もろもろ放置で申し訳ございません。本は結構たくさん読んでたんですが、たぶん、ここのところ私が読んでた本は、ご興味のある方も少ないのではないかと(「イブラヒム、日本への旅」とか、どうでしょう…?)

これからご紹介する本も、普通に読んで面白いという本とはちょっと違うと思いますが、とある話題の「番外編」ということで、お付き合いくださいませ。

内容は読んでタイトルのごとしでございまして(ここまで名が体を表す本も珍しい)、イスラム世界の生活と、砂糖とのかかわりを記した本です。

イスラム圏に旅行された方ならお気づきかと思いますが、向こうのお菓子ってものすごく甘くありません?
左党がいないので皆が甘党なのか、その辺の因果関係はよくわかりませんが、むくつけきヒゲのおっさんが蜜づけのお菓子を嬉しげにつまんでいる図はなかなか微笑ましいものがございます。

この本におっさんとお菓子の関係については書いてないんですけど、ラマダーン月に断食をした後、すばやく体力を回復するため甘いものを食べる習慣がある、ということは書いてあるので、その辺は多少関係あるのかも知れません。

断食の月には、スルタンが砂糖で人形や宮殿などを作らせ、市場を巡回させたという11世紀の記録もあるそうで、砂糖が貴重だったころにはおっさんばかりでなく権力とも関係があったのです。

それにしても、ゾロアスター教の本を読んだときや上記の「イブラヒム…」を読んだときも思ったんですけど、イスラム諸国は一つの世界としてつながっていて、物や人や知識が結構ダイナミックに移動するみたいですね。本書はアラビア語史料を使って書かれているのが一つの特色で、北イラクに生まれた商人がエジプト、マグリブ、アンダルシアまで旅して書いた地理書(大地の形態)なんかが文献として挙げられています。

地理書のタイトルも、「世界を深く知ることを望む者の慰みの書」だって。

原書でどんなニュアンスなのかはわかりません。まあ、普通は、そう簡単には住んでる土地を離れられないでしょうから、そういう含みもあるのかしら……。

というわけで、イスラム世界ではどんな風に砂糖を栽培してたかとか、どう使ってたかとか、どんな薬効があると思われてたかとか(「目に効く」らしい…)、砂糖一つとってみても、いろいろ見えてくるのが面白い訳ですが、この本を手に取った個人的な理由は、なんと、先日来追求している(?)テーマなのでございます。

それは「ゲニザ」(ユダヤの教会にある、古い文書を保管しておく部屋)。

イスラムとゲニザ(ゲニーザ)と、何の関係があるのでしょうか?

答えは、本書の第4章、「砂糖商人の盛衰」にあります。ベニスの商人の昔から、目端の利く商売人といえば、それはユダヤ人。当然、ユダヤの砂糖商人はイスラム世界でも大活躍なのであります。

その裏付けとなるのがカイロで見つかったゲニザの文書。
10世紀から13世紀までの契約文書や家の系譜、裁判記録、物価の報告、商品の買い入れなどさまざまな内容でカイロ・ゲニザ文書として知られ、散逸したもの以外はケンブリッジに集められ、テイラー・シェヒター・コレクションとして伝えられてきました。

この文書を使って、ゴイテインという学者がイスラーム社会におけるユダヤ教徒の歴史的役割を考察し、「地中海社会」という六巻本にまとめた、とあります。ちょうどこの文書の集まった時期は、文化の中心がイスラム圏からキリスト教圏に移っていった時期にあたるので、どちらかが一方的に優位な時代に比べると交渉も盛んだったのではと思われます。

昨年イタリアを旅行して以来、イタリア(フランスも)とイスラム圏との関わりが気になっていたのですが、なかなかイスラム側から見たものがなかったので、ここでようやく少しつながりが見えてきました。またブローデルの「地中海」あたり、読み返してみようかと思っております。(あの翻訳が体質に合わないので、あまり進まないんですけど…)

砂糖のイスラーム生活史
佐藤次高 著
岩波書店
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by silverspoonsjp | 2009-03-03 23:42 | 人文科学の本 | Trackback | Comments(2)