本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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皆さまこんばんはー。
暑さも峠を越えましたね。近所では昨日から、夜に鳴く虫が蝉からコオロギに衣替えしております。

と、優雅な前ふりで油断させておいて、本日のエントリーはコレ←
「スターウォーズ」でございます。
天下のランダムハウスが何でスターウォーズ本を?と驚くのはまだ早い、
何とこれがオール2Dイラストの本なんですねー。

今年は劇場で3Dアニメの新作が公開されますが、その予告編を見ると、
登場人物たちのキューブリックみたいな妙なキャラはともかく、
ドロイド兵たちのシーンが本編と同じなので、思わず無言に。

つまり、何ですよ。

私たちはこれまで、実写版を見に行ったつもりだったのに、
実はほとんどの部分がCGアニメだったって、そういうことですよ(今さら怒ってどうする?)

そんなものより、この本を読んだほうがよっぽど面白いですよ(もうヤケクソ)。

さて、前置きが長くなりましたが、この本は英語学習用に作られた、
副読本なのでございます。
しかもシリーズタイトルは「ジェダイ・リーダーズ」! 参ったか。
映画のエピソードそのままの本もありますが、
こちらはエピソード1の背景だけ借りたオリジナル・ストーリー。
それが、子ども向けなのにとっても面白いんです。

きっと「スターウォーズ」シリーズの世界を良く把握してる書き手が書いたのでしょうね。

舞台は映画でもクライマックス、大一番の「ポッドレース」の日。
アナキン・スカイウォーカーは、ジェダイの励ましを受け、レースに臨みます。
その言葉はもちろん
「May the Force be with you」(フォースが共にあらんことを)(これよ、これこれ~!!)

ところがぎっちょん、大事な部品がいかれてしまい、搭乗機のエンジンがかかりません。
アナキンは、かいがいしく立ち働いている整備ロボットに、
部品を調達してくるようお願いするのですが…。

なんとかご主人のお役に立ちたいと必死な整備ロボットのカワイイこと!!
どうなったかは本を御覧いただくとして、
ちゃんとセブルバやジャバ=ザ=ハットなども登場し、
ファンにも納得のいく展開となっております。

たった48ページの「整備ロボット君、はじめてのおつかい」、お楽しみください。

絵がまた、そっくりさんイラストながら
昔懐かしい副読本風の絵柄なのが郷愁をそそります。
Step1から段階を追って英語の難易度も上がるように工夫されています。
続編にDarth Maul's Revenge(「ダース・モールの復讐」)なんてあったりして、
気になるな~。なるでしょう~?

StarWars Episode1 Anakin's Pit Droid
ISBN 0-375-80431
Random House
amazon jp でも取り扱いがあります。
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by silverspoonsjp | 2008-08-18 22:58 | 英語の本 | Trackback | Comments(0)

チョクシ

ここのところ立て続けにお葬式の手伝いがあり、結構疲れました。
いずれも95才を越え、天寿を全うされた方ばかりだったので、あまり湿っぽくもなかったのが救いですが、自分の時は海かできれば宇宙にまいてもらって(無理かなー)、お葬式はなしにしてもらえると周りも疲れないし嬉しいなーと思った次第。

さて、あるお葬式では始まる前に「これからチョクシがいらっしゃいますから、車を通してください」とおふれがまわりました。

言われた方は意味がわからず、「えっ、何が来るって?」「車が通るって?」とザワザワ。
チョクシって、勅使のことかなぁ??来るっていえばそれにしか変換できないけど、そんな時代劇みたいなもの来るわけないしね…まさか牛車が来るとかね~と冗談を言っていたところ、当然といえば当然ですが牛ではなく、黒塗りの車がやってきました。
あわててお辞儀する私たち。

中にはぽつーんと男性が一人。

なんと、「勅使」で合ってました。
なんでも亡くなった方はやんごとなきあたりとゆかりのあった方らしく、わざわざ弔問にいらしたとか。喪主はお葬式では初めてみたかもなフロックコートでお出迎えしていました。

いきなり時代劇の世界へワープしたような気がした一瞬でした。
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by silverspoonsjp | 2008-06-20 22:27 | プチ日記 | Trackback | Comments(2)
本日は講演会のお知らせです。

関西の皆さまに朗報です。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」日本語吹き替え版でエルフ語の監修をされた伊藤盡先生の特別講義が西宮の神戸女学院で行われます。

貴重なお話&あの神戸女学院の校内に大手を振って入れる、滅多にないチャンス(爆)をお見逃しなく!

詳しくはトールキン協会日本スミアル「クウィヴィエーネン」のブログを御覧下さい。

テーマ エルフに森の中で出会ったら・・
        「エルフ語」の解説と実践

講師 : 伊藤 盡 杏林大学外国語学部准教授

日時 : 7月5日 土曜日 14時~15時半
場所 : 神戸女学院大学 理学館 S-24
      〒662-8505 兵庫県西宮市岡田山4-1
              神戸、大阪より阪急電車で15分
       西宮北口駅よりタクシー5分または、
                門戸厄神駅より徒歩10分
資料費:500円 (要参加申し込み)
定員:50名
申し込み締め切り:6月30日
    どなたでもご参加いただけますので、お気軽にどうぞ♪    

主催:英国トールキン協会 スミアル クウィヴィエーネン
共催:神戸女学院大学

問い合わせ・お申し込み :クウィヴィエーネンまでメールでどうぞ。
*件名「エルフ語」 お名前(HNでも構いません)と参加人数をお知らせください。
       e-mail:cuivienen@infoseek.jp

駐車場はございませんので、どうぞ公共の交通機関をご利用の上、お越しくださいませ。
尚、構内は全面禁煙となっておりますので、ご協力よろしくお願い申し上げます。


万一変更などがありました場合は、上記「クウィヴィエーネン」のブログに掲載されますので、参加を予定される方はご注意下さい。
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by silverspoonsjp | 2008-05-29 21:48 | 「指輪物語」関連の本 | Trackback | Comments(0)
本日は千代田区立図書館の標題イベントに行って参りました。
日本科学未来館で開催中の「エイリアン展」とタイアップした催しで、会場には関係者もちらほら。定員25名の面々は、仕事で翻訳やってるか、修行中でしょ?という感じの人ばかり(ぱっ!と本格的な電子辞書を取り出すあたり、普通の会社員とは思えない)。

講師の土屋さんは、カズオイシグロの翻訳等でご存じの方が多いと思いますが、今回は展示説明の翻訳を担当された縁での講義、ということらしいです(ということは、「エイリアン展」、見るべきものはフィギュアではなく、説明プレートらしい…)。

で、講義も、実際の展示に使われている原文と訳文を例として示しながらの、とても具体的なものでした。

高校時代にアメリカにいらしたとかで、プレゼンテーションの仕方からしてあちらで教育を受けた人らしい、良く整理されたもので、大変勉強になりました。

演題には「わかりやすい文章」とあったのですが、「わかるとはどのような事か」から始まり、中心となったのは「単にわかりやすいだけにしない、土屋さんなりの工夫」の話でした。

まず、「わかるとはどのような事か」については、「自分のことばでそれが説明できること」と明快です。そして、原文のレベルをそのまま保つこと、これが「単にわかりやすいだけはない」ということです。

後者を実現するために、土屋さんはご自分なりの基準-セーフティネットとおっしゃってましたが-を2つお持ちでした。その2つとは、

①情報量の維持
②データ量の抑制

です。

情報量の維持とは、読んで字のごとく、原文に含まれている情報を落とさずに訳すということです。と言っても、ある文章にどんな情報が含まれていると判断するか、それは全くの主観によると、土屋さんは展示説明の実例で説明されていましたが、確かにその通りです。原文のあまり一般的でない例えなどは上手く回避されていますが、別の訳者なら、元の言い回しを生かしてそのまま訳出するかもしれないし、微妙なところです。

もう一つのデータ量の抑制とは、原文の分量を訳文でもほぼ保つ、ということです。一般に、他の言語を日本語に翻訳すると長くなると言われていますので、締まった訳文にするにはそれなりの技が必要です。

同趣旨のことを、以前、孫玄齢先生から伺ったことがあります。孫先生も、上手い訳者なら、日本語訳は原文の中国語とほぼ同じ長さになる、とおっしゃっていました。その理由については特におっしゃってませんでしたが、土屋さんはこれを、「各民族で知的レベルには差がないのだから、同じ内容を伝えようとするなら、どんな言語でもほぼ同じデータ量になる」と説明されています。英語から日本語の場合は、日本語が漢字交じり表記である分、少し短くなるそうです。

もう一つ、これはあまり他では聞いたことがなかった工夫ですが、土屋さんは、文単位ではなくパラグラフ単位で訳を作られるそうです。確かに、英語文の基本単位はパラグラフですから、その中で意味が通るように訳文を組み立てるというのは理にかなっています。

土屋さんは訳文から連想される通りのダンディな方で、やっぱり文は人なりだなあ、という感想を抱きつつ、「翻訳者の腕の見せ所」をたっぷり堪能させて頂いた2時間でした。
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by silverspoonsjp | 2008-05-27 23:39 | 英語の本 | Trackback | Comments(0)
パター(って読むのかしら…?)おじいさんと猫のタビィが主人公のシリーズ。
日本語訳が出てるのかどうかはわかりませんが、40ページしかないパンフレットみたいな絵本なので、英語のまま読みました。

子ども向けなのでとてもシンプルな英語で書かれていて、それがまた、
とても良いんですね…。

Putterという名の通り、のんびり暮らしてるおじいさんとその飼い猫のお話です。
鉛筆と淡い水彩画で描かれた挿絵ともあいまって、何とも言えない味があります。
裏表紙を見ると、5才から8才向きって書いてあるんだけど、この本の本当の良さがわかるのは、読み聞かせをしているお父さん、お母さん…でもまだ早いかも知れない(爆)

Putterさんは一人暮らしのおじいさん。
おいしい紅茶を入れて
おいしいイングリッシュ・マフィンを焼いて、
楽しいお話もいろいろ知っているけど、いつも一人ぼっち。

で、ここはいっちょう猫を飼おうと思いつくわけです。

ペットショップに行くと、そこには可愛らしい子猫ばかり。
お店のお姉さんには、
年寄り猫なんて可愛くもないし寝てばかりで、
欲しがる人なんていません、と言われてしまいます。
とっくに可愛くもなく、ごろごろしてばかりのPutterさん、
やっぱり子猫は要らないんです…。

やっと見つけた年寄り猫と二人(?)、まったりしている描写が
たまりません。(Mr. Putter and Tabby Pour the Tea)

かと思うと、どうしても梨の御菓子が食べたいのに、
寄る年波で、たわわに実るわが家の梨を取ることが出来ないPutterさん。
昔とった杵づかで梨を取ろうとするのですが…
(Mr. Putter & Tabby Pick the Pears)

といった、ペーソスあふれるお話が展開します。

年を取ってしまったので、雪の日に外で遊べないPutterさん。
(Mr.Putter&Tabby Write the Book)

子ども時代の夢だった飛行機を手に入れるけど、
やっぱり子どもに譲ってしまうPutterさん。
(Mr.Putter&Tabby Fly the Plane)

Putterさん自身はそれはそれで諦めて、上手いこと他の楽しみを考えつくのですが、
年を取ることの哀しさは、やはり惻々と胸に迫ります。
しかし最後には、読者をほっとなごませて終わる。
ニクい、実に心ニクい展開のお話であります。

シリーズは10冊以上あるんですけど、読み出すと止まりません。
私のお気に入りは、上の 4冊以外に、

・Mr.Putter&Tabby Feed the Fish
意を決して魚を飼うことにしたPutterさん。
でも、ワクワクしてるご本人以外にも、ワクワクしてるのがもう1匹…

・Mr. Putter & Tabby Paint the Porch
いつも玄関先のポーチでお茶してるPutterさん。
いいかげんペンキを塗り替えようとするのですが、次から次へと邪魔が入り…

Cynthia Rylant著
Harcoutr Brace&Company
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by silverspoonsjp | 2008-05-24 22:45 | 英語の本 | Trackback | Comments(2)

ボヌール

以前に、ミュゼ浜口陽三で開催されていた南桂子の展覧会を見る機会があり、そのとき会場で見て以来、買おうかどうかずっと迷っていた画集でした。

気に入っていた鳥の絵が載ってなかった(泣)ということもあるんですが、荒くれ者なものですから、どうもこのメルヘンチックすぎる世界について行けない感じがしたからです。

もちろん、メルヘンチックに見えるというのはこちらの勝手な取りようであって、よく絵を見ると、ふわふわしたモチーフの中に驚くほど強固な意志がのぞいているのが、ありありと伺えます。

もう一度見てから考えよう…と、後日本屋に行くと、巻かれた帯に、谷川俊太郎の言葉が載っているのに気づきました。

物語は立ち止まり 詩は口をつぐむ
見つめる私たちを 見つめ返す絵…


これ以上的確に、この画の本質を捉えた言葉があるでしょうか。
中味の詮索はたちまちどうでもよくなり、この帯の文句を眺めるためだけに、
本を買ってしまいました。

恐るべし、谷川俊太郎!

南桂子 著
リトルモア
2940円
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by silverspoonsjp | 2008-05-21 23:39 | 素敵なヴィジュアルの本 | Trackback | Comments(0)

役に立たない記憶

すごーく久しぶりにmixiを見たら(それではmixiとして機能していない…;)、「変なところで記憶力が良い」というテーマで書き込みをしている掲示板があって、ついつい読みふけってしまいました。

記憶力とはちょっと違うと思うけど、私は各種機械が出す「お知らせ音」が異常に気になります。特に最近、駅は発車ベルの代わりにメロディーを流すし、各種電子機器は「できました」「終わりです」「お風呂が沸きました」など、いちいち音声で知らせると共に何かしらメロディーを流すので、それが耳についてしょうがないんです。機械を買い換えると、微妙に言い方のニュアンスが違うのも慣れるまで疲れてしまう…

今日もスーパーで一週間分の食材をまとめ買いしてたら、どこからともなく耳慣れたメロディーが聞こえたので、あっ、ここもうちと同じ◎◎社製の電子レンジ使ってるな…とつい思ってしまいました。そんな知識が何の役に立つかって、ホームズだったらともかく一般人じゃ何の役にも立たないですよね。(ホームズに「プライオリ学校」って短編があって、タイヤの跡を見ただけで、これはダンロップ製だ…とか当てて、それが解決の伏線になるんですけど…お話を知らない方はwikiのこちらをどうぞ。このページマジメで面白すぎる(爆))。

さりげなく各駅のアナウンス音などを留守電の背後に流すアリバイ用の効果音なんてのもありましたっけね。

あ、そういえばこれは仕事で聞いた話ですが、各メーカーのお知らせ音声は機械で合成してるのかと思ったら、いちいち録音してるんですね。そういうとき、キャスティングの担当者は、ライバルメーカーと音声がかぶらないように、別の声優/俳優さんに依頼しなくちゃならず、結構気を遣うんですって。

ほんの二言三言なんだから、いくらでも人はいそうな気がしますが、
機械に組み込む音声は圧縮されるので、圧縮後も聞きやすい声で録音できる、
という実績がある人にお願いしたりとか、門外漢にはわからない諸々の条件があるらしく、
大変だそうです。

家中の家電のお知らせ音をを好きな声優さんの声で、なんてサービス、どうでしょう。
なんかもうありそうですけどね。
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by silverspoonsjp | 2008-05-18 23:32 | プチ日記 | Trackback | Comments(2)
(以下の講演に言って参りました。詳しくはこちらのエントリーにて)

千代田区立千代田図書館にて、
「日の名残り」「わたしを離さないで」等々、数々の名翻訳をされている土屋政雄氏の講演会があります。

この方の訳文は素晴らしいなといつも思っておりましたが、産業翻訳から出発された方とは存じませんでした。

以下、千代田図書館のHPより

開催日時 2008年5月27日(火) 18:30-20:00
場所 MIW 交流サロン
( 千代田区男女共同参画センター/千代田区役所10 階)
※千代田図書館と同じ建物内です
定員 25名(申込先着順)
参加費 無料
申込方法 お電話または千代田図書館10階カウンターにてお申し込みください
※事前申込制(先着順)
※受付時間 月曜日~金曜日 10:00-18:00
※申込受付開始しました
お問い合わせ 千代田図書館 イベント受付担当
TEL:03-5211-4289・4290

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by silverspoonsjp | 2008-05-13 00:16 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(2)
なんだか最近、国文学関係で翻訳の特集を組むことが多くなったように思うんですが、気のせいでしょうか。

さて、2008年5月の特集は「翻訳を越えて」
目次はこんな感じ。


初めにことばがあった  柳父章
明治に生まれた翻訳ことば  飛田良文
シェイクスピア翻訳史の端緒と現在――漱石の逍遥批判をめぐって  河合祥一郎
雨森芳洲と翻訳  大西比佐代

「バラク・オバマ」を翻訳する  荒このみ
同時翻訳の難しさ  松本道弘
自動翻訳機はどこまで進むのか  富士秀
抒情の罠――金素雲と金時鐘  藤石貴代
ペソアを翻訳する――『不安の書』と相まみえて  高橋都彦
誤訳の名作――アメリカ文学作品邦題再検証   舌津智之

夢想の詩学――不断の創造的な裏切り  樋口覺
翻訳という名のアート――言葉の置き換えから創作へ  江藤裕之
短歌の翻訳  宿谷睦夫

カフカ以前とカフカ  池内紀


「誤訳の名作」なんてなかなか面白かったですが、本当の誤訳の例というのはたぶん上がってなかったんじゃないでしょうか?たぶんわかっててこの邦題にしたんだろうなという感じでした。

さて、私が一番感動しつつ読んだのは、大西比佐代さんの「雨森芳洲と翻訳」でした。

芳洲は江戸時代の儒学者であり、鎖国下ながら、中国語を20代半ば、朝鮮語を30代半ばから始めて通暁したという、稀有の人物であります。日韓関係が話題になったときに交流の先駆者として良く名前が出るので、知っている方も多いのではないでしょうか。

彼は儒学者なので、
「学問の目的は立派な人になることだ」
とか、言うことが説教臭いんですが、外交や貿易の現場に身を置き、外国人と接した体験に基づく言葉の数々は感動的です。

「国のたふときと、いやしきとは、君子小人の多きとすくなきと、風俗のよしあしとにこそよるべき」
(ある国の値打ちは、人々の行いに品格があるかどうかによって決まる)

ここで芳洲の言う「たふとき」人、つまり品格のある人とはどういう人か。
「定まりたる見識ありて、世のはやりにしたがはざるこそたふとけれ」

教養がきちんと身に付いていて、自分なりの考え方を持ち、自分で判断ができ、世の流行り廃りに流されない人、ということなんでしょうね。いちおう情報化社会とか、言論の自由があるとされている今でさえ難しいことを、江戸時代に実践していたのだから凄い人です。

ほんの8ページほどの短い論文ですが、言葉を勉強するとき何が大切なのかがぎっしり詰まっています。挙げられている参考文献なんかも読んでみようかなと思っています。

國文學 第53巻7号2008年5月号
1600円 學燈社 

http://www.gakutousya.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=0173
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by silverspoonsjp | 2008-05-01 23:39 | 人文科学の本 | Trackback | Comments(0)

合唱の練習

平日夜が使えるようになったので(ああーこれも10月まで)、マジメに合唱の練習に参加してます。区民合唱団は練習が週1回なので、定期演奏会のために1年かけて練習するんですね。

曲目はフォーレの「レクイエム」とサン=サーンスの「レクイエム」。カタカナで書くとカッコいいけど、要は葬式の曲を2曲も…まあ、キリスト教徒にとっては神様のところへ行くんですから、曲目的に別に縁起が悪くはないですが。

どちらも本番はオーケストラとの共演ですが、練習中はピアノ伴奏のみです。ピアノ伴奏のみのバージョンを聴けるのは、練習してる人の特権ですね。フォーレの、現在良く演奏されるオーケストラ譜はお弟子さんが作ったらしく、そちらは評判悪いですけど、同じ人が作ったこのピアノ伴奏は、伴奏の先生が上手いこともあって、ところどころ涙が出そうになるほど綺麗です。

サン・サーンスなんて「白鳥」くらいしか聞いたことなかったのですが、この「レクイエム」はモダンな印象で面白いです。

さて、こちらの合唱団は、この形態になってからはあまり歴史が長くありませんが、準備段階からカウントするともう結成から10年以上になるそうです。ただねー、遅れてくるお友達のために席取りしたりとか(遅れてくるなら後ろの方に坐りましょうよ)、知り合い以外とは口を利かないとか、先生が指導してるときに聞こえよがしに知識をひけらかしたりとか、雰囲気的には、あんまり良い感じじゃないんですよねー。

それでも、指導も伴奏も本格的なので、多少のことには目をつぶって参加しているわけです。

年末の第9はドイツ語でしたけど、今度の曲はラテン語です。そこでまた、「意味から言って、ここの歌詞はdominiじゃなくてdomineですよ!」と練習中に大声で指摘する人が居たりするのが、一体どういう人たちの集まりなんだか怖ろしい合唱団であります。

ともあれ、練習時に注意されることはいつも大体同じなんですが、なかなかできない団員のために、指導者はあの手この手で説明します。

音を長く保つために、ソバをすすってるつもりでー!とやったり、
のどを開けるために、はい、ここでビール瓶から一気飲みしてるつもりで!とやったり。
(ラッパ飲みはやったことないけど、そのつもりになると確かにのどが開きますね)

今日の注意事項は、歌ってるときは安全運転でね、ということでした。
空ぶかし、急発進、急ブレーキはやめましょう、さわやかマナーで歌いましょう、ということのようで。

あと、他のパートを見てて面白かったのは、バスの人たちです。音が下がるとき、自分も下向きに縮んじゃうんですね。先生に、自分がもっと伸びるつもりで、とか、音を前に出して、とか注意されていました。

私自身が一番ためになったと思うのは、p(弱く)の歌い方です。
声を小さくするのではなく、自分の声が出るスピーカーがだんだん遠ざかってるというのをイメージして歌いなさい、という指導でした。譜面にpの記号があったら、どうぞお試しください。
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by silverspoonsjp | 2008-04-29 23:50 | プチ日記 | Trackback | Comments(4)