本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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西の東京人チェック

懲りもせず、「江戸人チェック」の続き。
小学生の頃、都下にもいました。道路で遊べない都内とは違い、自然いっぱいの都下での生活は今でも懐かしく、良い思い出です。

ちなみに、江戸人チェックもやってみました(ヒマ)。

それでは西の東京人チェックを見る!
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by silverspoonsjp | 2007-03-29 00:50 | プチ日記 | Trackback | Comments(0)

東京人チェック

foggyかおるさんの「foggyな読書」で紹介してらして、面白かったのでやってみました。
いつも、郷土愛という言葉を見るたびに、東京に郷土愛なんてあるのか?と思っていたワタシ。でも、あったんだな、これが!ということがちょっとわかって感動;
ただ、たぶん、23区生まれの人は、自分の属しているエリアには愛着があるけど、それ以外の場所にはあまり行かないのでは?たとえば仕事でもない限り、品川区の人が北区とか、荒川区の人が世田谷区について聞かれても、あまりわからないんじゃないかと思うのですが。
だから、東京の人、とひとくくりに言われると、とても違和感がありますね…。

ちなみにこのチェックリストを置いているHPの元ページもスゴイっすね。

いちおう、生まれは都内なので、江戸人チェック、いってみました。
この項、「西の東京人チェック」に続く!

それでは江戸人チェックを見る
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by silverspoonsjp | 2007-03-28 23:55 | プチ日記 | Trackback | Comments(2)

図書館戦争

世間様は春闘ということで、ふだんはあまり聞かない業界ゴシップ、業界ニュースが飛び込んで参ります。

なかでも驚いたのは、岩波書店が訴えられた、という話。岩波書店が出した沖縄戦に関する本が、名誉毀損に当たるとして裁判になっているそうです。

この件に関しては原告・被告双方の関係者の記事しか見つからなかったので、詳細を知りたい方は検索して両方読んでみてください。

この訴訟に勝ったところで、特段名誉が回復されるとも思えませんが、訴えている側は、この手の本を出すと厄介なことになるからやめとこう、と、出版側が自主規制する風潮を作りたいんでしょうね。

それにしても、高額の経費や弁護士団を用意して、戦争に反対する個人や出版社をバッシングして回る人たちって、何が面白いんだろ。それに、これがネオナチとかブッシュ支持者の話だったら冷静に反対できる人たちでも、こと自国のことになると、自虐的なのは良くないとか思っちゃうのはなぜかな…。

と、先行き暗そうなところで、なんかこれがSFじゃなくなったらやだな、という小説を読んでしまいました。

その名も 「図書館戦争」 (有川浩 著)。

中味もタイトル通り(ええーっ!?)
公序良俗に反するという名目で抹殺されてしまう本を、武装して守る図書館(と図書館員たち)の話です。

登場人物の描き方とか文体が軽いのが、ちょっと好みに合わなくて、30ページくらいでギブアップしてしまいましたが、私の頭がもうちょい柔らかかったら面白く読めたかもしれません。この荒唐無稽な話を考えついたきっかけが、この本の扉に掲載されている「図書館の自由に関する宣言」という、本当に各図書館に掲げられている決議文である、というエピソードが、自分にとっては一番面白かったです。

図書館の自由を守るために、

第1 図書館は資料収集の自由を有する
第2 図書館は資料提供の自由を有する
第3 図書館は利用者の秘密を守る
第4 図書館はすべての検閲に反対する
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。


どうですか…?カッコいいでしょ。確かに、何かお話が書けちゃいそうです。でも、勇ましいばかりじゃありません。前文には、こんな一文もあります。

わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。

検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館は、これらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。
それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいることなく、国民の知る自由を守る。


こうまでして守って貰えるような本を出してるのか、だんだん疑問になりつつあるけど…。

宣言の原文はこちらからどうぞ。
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by silverspoonsjp | 2007-02-17 02:40 | 本にまつわるエトセトラ | Trackback | Comments(0)

カラーバトン

ガンコ寿司のネタより頑固な性格を「旅とこもごも」のElfarranさんに見切られ、頂戴しました白の「カラーバトン」

ん十年前は色を見るとすぐCMYKで割ってしまう職業病を有しておりました。いまだに灰色を見ると「銀鼠」とか「「ダークグレー」などの名前と対応せず、アミ10%とか20%とか反射で言ってしまいます。しかし、もはやRGB全盛時代、活版手組技術同様、お払い箱の危険を刻々と感じる今日この頃でございます…。
さあ、気を取り直して行ってみよう!

好きな色は?
強いて言えば、単色だと、DICの186番とか?(^^;)…少し紫の入った透明な青が好きです。好きな青に一番イメージが近いのは、青い花でしょうか。デルフィニウムムスカリブルーベルヤグルマギク…そうそう、愛読書もノヴァーリスの「青い花」でございます。ただ、私は色は単体より組み合わせが好きなので、家にも青の小物はほとんどありませんし、青い服も持っていません。

さて、せっかくバトンを頂いたので、大日本インキさんが日本橋でやっている、色関係のイベントにお邪魔してみました。

アメリカあたり、いろいろな肌や髪の人がいるところでは、「黒~茶色の髪」=赤、というのがパターンになってて、コートは赤が似合うとかセーター赤にしろとか指導されたものでございます。むかし「大草原の小さな家」で茶色い髪のローラはいつもピンクの服でむくれていたと書いてあいましたが、未だにそうなんですね~。

イベントでやってた「パーソナルカラー診断」はそれにちょっと似ていますが、単体の色を決めるわけではなく、その人が持っている個性に合わせて、色のトーンを決める、というものです。イメージしやすいよう、「春」「夏」「秋」「冬」の4タイプに分かれています。ちなみに、私が好きなのは、ほぼ全て「秋」に属する色。実際に似合う色はどうなのか、料金500円ナリで、10分ほどで診断してもらえます。すると驚くべき結果が!

なんとソフトで淡い「夏」タイプらしい(つまり、黄色がかって濃い「秋」とは全く正反対)。ワードロープは反対のタイプの服ばかり、こんな色一枚もございません!私の性格にも合わないし(お嬢様でも上品でもない)。この結果、ホントなの~!?(号泣)

こんな地獄を見てもいいから御自分でやってみよう、という方はこちらの説明がわかりやすいし、判断結果も正確なようです。

ちなみに、「パーソナルカラー診断」イベントについてはこちら。会期は2月1日までですので、ご興味をお持ちの方はお早めに。

キライな色は?
淡くて上品な中間色(憎)…いえいえ、単体だとペパーミントグリーンとか大キライなんですが、焦げ茶との組み合わせはとても好きです。

携帯の色は?
黒です。当時は欲しい機種が黒しかなかったので。

あなたの心の色は?
灰色ですかね…一番似合う色だって言われたし。「鬼太郎キャラ占い」とかあったら、ねずみ男なのよ、きっと(大号泣)

次の五色の似合う人にバトンタッチ
オレンジ 、緑、黒 、白 、ピンク


う~ん。青があったら絶対crannさんに振ったのですが。
緑のエルさんからはバトンを頂いちゃったし、ピンクのTitmouseさんへは渡っちゃったし、黒なんてメーテルの色だし。

foggyかおるさんはワインレッドのイメージだしなあ…(困)でも、ショッキングピンクが似合うと書いてらしたので、ピンクでお願いしてもよろしいでしょうか?

wataさんはblogの水色のイメージだけど、何にでも効くビタミンのイメージにこじつけて、オレンジということで、お願いできませんか?

うーん、お忙しいと思いますが、「大福帳」のゆきみさま、ブログ名にちなんで「白」をお持ち致します。ご無理でしたら納戸に片づけて頂いて結構ですので、よろしく…。

のちほどお願いにあがります。

面白いなと思った方、どうぞ拾っていらしてくださいね。
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by silverspoonsjp | 2007-01-30 00:43 | バトンいろいろ | Trackback(2) | Comments(6)
日本文学に疎いのはカッコ悪いなーと反省しております今日この頃、慣れぬ「国文学」雑誌など読んでみましたところ、2月号は大変面白い特集でした。

「芸術は爆発だ!」でおなじみ、岡本太郎は芸術一家の出身で、お父さんの一平は「代議士ほど稼ぐ」漫画家、お母さんのかの子は小説家でした。

岡本太郎の絵をまともに見たことすらないので、いわんやその経歴をや、20代をずっとフランスで過ごしたとはつゆ知りませんでした。しかもバタイユの主催する秘密結社に入っていたとは…。

「法隆寺、焼けて結構。伝統が失われたのなら、新しく伝統を作ればいい。自分が法隆寺になればいいのです」
とはスゴイ言葉です。

これを契機に、著書「美の呪力」「日本の伝統」あたりを読んでみようかなと思ってます。

「童女」としてのかの子に触れた論文では、ロリータを、検索でヘンなのが引っかからないように「ロリィタ」って書くというのを初めて知ったような次第で。
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by silverspoonsjp | 2007-01-20 02:52 | 人文科学の本 | Trackback | Comments(0)
先日「ぴあ」を見てたら、各大学のミス○○大学が、どんなクリスマスを過ごすかや彼氏と行きたいスポットなんかを紹介していました。

そんな中でただ一人、クリスマスには家族とミサに行きます、という人がいて、そうだよねー、クリスマスってそのお祝いだもん…と少し反省致しました。

幸い、今日は1日だけですが休めたので、最寄りの教会に行ってみることに。

中学生まではちゃんと日曜学校に行ってたのに(←しかしホンネは、ただ聖歌隊で歌いたいだけだったの…爆)、クリスマスだけ教会にいくとは転びも良いとこなんですけど、まあ行かないよりはマシでしょう…と礼拝堂へ入ってビックリ。

そこは礼拝から賛美歌まで全部英語のプロテスタントの教会だったんですが、大編成のバンドとゴスペル隊が歌い踊り、まるで「レント」かなんかオフブロードウェイの舞台を見に来たみたい。

賛美歌もポップにアレンジされていて、
「もろびとこぞりて」

「Joy to the world」
になっただけで軽くなったような気がしてるこちらには違和感ありすぎ。
途中にDVDの映像が流れたりして、プロテスタントっていうより、なんだか別の新興宗教のようです。

アメリカあたりじゃ教会に来ない人も多くなっただろうから、こういう一般ウケ(日本人に受けるかどうかは不明)しそうな演出が必要なのかもしれないけど、教会とは静粛な祈りの場と思ってたこちらにはちとキビシいシチュエーションだったのでありました。

仕方ないので、夜はそのまた近くのカトリック教会に(←良い子は真似してはいけません)。

今度はちゃんとした(?)昔ながらの礼拝だとほっとしてたら、賛美歌や主の祈りの文句が違う!

こういうのって暗記してますから、意味は同じでも文言が違うとキモチ悪いんですよね。

「我らに罪を犯す者を我らが赦す如く、我らの罪をも赦したまえ」

「わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。 」
に至っては膝かっくん…。

もちろん、意味が分かる言葉でお祈りするのは大事なんでしょうけど、雰囲気ってものがありますからね。私は文語訳の方が好きだなあ…。
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by silverspoonsjp | 2006-12-24 23:52 | プチ日記 | Trackback | Comments(7)
ルーマニアの作家、ミルチャ・エリアーデの作品集。

収録されている11編のうち、一番有名なのは「ムントゥリャサ通りで」でしょうね。ただ、この話は手強いので、他のを見てみましょう。

「十四年昔の写真」
この作品は、奇跡を起こすという説教師のもとへ、彼のおかげで妻の病が治ったと感謝しに来る男の物語。男は外国人で言葉が上手くない、という設定になっていて、何とももどかしい会話が展開します。

回りくどく、なかなか核心に入らないモノローグ、周りで聞いている者たちの苛立ちと勝手な解釈、実際に起こった出来事は何だったのかという考察…この辺、「ムントゥリャサ通り」と同じ手法ですが、短いだけに輪郭がはっきりしています。男の言っていることは、本人にとっては紛うことなき真実なのに、聴衆や、話に登場する人物にとっては全く違う意味合いを持っているのです。

これこそが幻想文学だと言われれば、はぁそうですか…と言うしかないんですけど、どうも私にはファンタジックな空想物語とは読めないんです。私の幻想文学の定義が間違ってるのかもしれませんが…。

エリアーデは宗教学者だそうですが、「十四年昔の写真」で描いていることは、宗教というものの本質を突いてるんじゃないかと思いますし、実は人間の認識の仕方をものすごくリアリステックに描いたとすれば、こうなるんじゃないかという気がするのです。

この本の詳しい内容は、作品社のHPにてどうぞ。

ミルチャ・エリアーデ 著 
住谷 春也 編 
作品社
四六判  555ページ 5,040円
ISBN 487893576
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by silverspoonsjp | 2006-11-06 22:42 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback | Comments(0)
a0003079_12332663.jpg
「ユービック」…奇妙なタイトルです。何か変な機械の名前か、人の名前かしら。地名かも知れない…と期待しながらページを繰ると、第一章の冒頭に、いきなり説明があります。

みなさん、一掃セールの時期となりました。当社では、無音、電動のユービック全車を、こんなに大幅に値引です。そうです、定価表はこの際うっちゃることにしました。そして-忘れないでください。当展示場にあるユービックはすべて、取扱い上の注意を守って使用された車ばかりです。

なーんだ、ユービックって車かぁ…。特別な機能があるのか、不思議な車なのかしら…ともあれ、思っていたより平凡な展開らしいとガッカリしつつ、本文を読み始めると、一行目から唐突に、太陽系最高のテレパス(読心能力者)が行方をくらましたという尋常ならざる事態から物語が展開します。

「不活性者」の反超能力を使って超能力者を押さえ込む会社を経営しているランシターにとって、超能力者の足取りが掴めなくなることは大いなる危機です。助言を仰ぐため、彼は妻の元へと赴くのですが…

と章が変わり、また短い「ユービック」の説明が始まります。

一番いいビールの注文のしかたは、ユービックとさけぶことです。よりぬきのホップと吟味された水を原料に、完全な風味をつけるためゆっくりと醸成されたユービックは、わが国最高の特選ビールです。クリーブランドでしか作られていません。

あ、あれ…?たった10ページかそこらで車がビールになってしまいました…これは一体…。

その瞬間、こちらは見事にディックの術中にはまっています。ページから忍び寄る悪夢の予感、しかし、あまりにも巧みな語り口に引き込まれ、続きを読まずにはいられません。恐るべし、フィリップ・K・ディック!

そして私たちは出し抜けに悟るのです。私たちはすでに「ユービック」という言葉を知っている!この発見によって、読み手はさらなる悪夢の中へ-いえ、夢の中で私たちは、これが夢かも知れないなんて考えたりしないのだから、自分が生きているかどうかすら疑っている主人公ジョー・チップの状態というのは、もっと救いようのない状態なのでしょう-引きずり込まれていきます。いや、違う。自分は同じ場所に座っているのに、場所が崩壊していくんだった。

最終章で、ユービックの正体すら実は知っていたのだと読み手を愕然とさせながらも、奇妙な慰めを与えて物語は終わります。

構成の巧みさ、読み手に与えるインパクトの大きさで言えば、「ブレードランナー」というタイトルで映画化されたディックの代表作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を超える作品ではないでしょうか。作者はこうして世界を作り、作られた世界は崩壊していく。私たちが属しているこの世界はどうやって作られたのかをシミュレーションしてみせるかのように。それが「ユービック」についての私の「読み」なのですが…。

なお、本書裏カバーについている作品紹介はネタバレではないのですが、読むと新鮮さが薄れるかもしれませんので、見ない方がいいかもしれません。

フィリップ・K・ディック著
浅倉久志訳
早川書房
ISBN415010314
長編

ハードSF度   ★★☆☆☆(「竜の卵」を★5とカウント)
ファンタジー度  ★☆☆☆☆ SF(サイエンス・フィクション)度 
個人的好み   ★★★★★★(一個おまけ)

〈お好きかも〉
とんでもない設定でも一応は読んでみようという、チャレンジ精神旺盛な方
フィリップ・K・ディックのファン
ミステリーやホラーのファンでもイケるかも知れない

SFのその他のオススメ作品は、下のSFタグからどうぞ。
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by silverspoonsjp | 2006-09-24 12:33 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback | Comments(0)
a0003079_23195181.jpgさて、ここで一つ手強い作品に参りましょう。とは言っても、理屈っぽいSFではないので、これがファーストSF、ということでも好きな人は好きになるだろう短編集であります。

全く偶然に、収録作の「アルファ・ラルファ大通り(Alpha Ralpha Boulevard)」というタイトルに惹かれて、本も手にとってみた、というだけなのですが、作品を読む前に、まえがきですでにノックアウトされてしまいました。

コードウェイナー・スミスというのはペンネームで、本人は戦時下においてはアメリカ陸軍情報部の大佐であり、戦後は日本・中国・フランス・ドイツで少年時代を過ごし、あの孫文に「林白楽」という中国名を授けられた、という、ある意味SF的な経歴の持ち主。

「運命が決められている人々」というモチーフはカート・ヴォガネット・ジュニアの『タイタンの妖女』に通じるところがありますが、予告された通りに物語が進む運命論的な語り口は、どことなく東洋っぽいものを感じさせます。

友情や優しさ、ロマンスやハッピーエンドといった要素がちりばめられていながら、読み込んでいくうちに、社会の仕組みの冷酷さというか、組織の論理みたいなものに気づかされたりもします。

そして何といっても一番の魅力は、一種独特のセンスを持った、そのことばの遣い方です。例えばタイトルでは、先にあげた「アルファ・ラルファ大通り」の他にも、
「スキャナーに生きがいはない(Scanners Live in Vain)」
「黄金の船が-おお!おお!おお!(Golden the Ship Was- Oh!Oh!Oh!)」
など印象的なものがありますし、
何の説明もなく文中に登場する「人類補完機構(The Instrumentality of Mankind:この訳は面白いですね。「エヴァンゲリオン」にも引用されてます)「クランチ」といった用語にも惹かれます。たとえば、「アルファ・ラルファ大通り」の一節-


「それできまった」とマクトはいった。「三人でいっしょに戻ってみましょう」
「戻るってどこへ?」とわたし。
「アバ・ディンゴへ」
(中略)
「そこへはどうやって行くんですか?」とヴィルジニー。
マクトは悲しげに眉をひそめた。「道は一つしかありません。アルファ・ラルファ大通りです」ヴィルジニーが立ち上がった。わたしもそれにならった。


ここへ至るも、アバ・ディンゴって何なんだ?アルファ・ラルファ大通りって何??とはてなマークが頭の中で点灯しっぱなし。最後まで、はっきりとは説明されない用語も多数あり、いろいろと解釈できて面白いです。

とは言っても、アシモフの「ファウンデーション」同様、スミスの「補完機構」も切れ切れながら、一つのまとまった世界を形作っているので、続けて読むとそれなりにわかりはしますが…。

コードウェイナー・スミス著
伊藤典夫、浅倉久志訳
早川文庫
ISBN 4150104719

短編
ハードSF度   ★★★★☆(「竜の卵」を★5とカウント)
ファンタジー度  ★★★☆☆ SF(サイエンス・フィクション)度 
個人的好み   ★★★★★

〈お好きかも〉
意味のわからない言葉でも響きがよければ好きな方
見方によっては暗い作品でもOKな方
イメージするのも困難なほど途方もない話が好きな方

SFのその他のオススメ作品は、下のSFタグからどうぞ。
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by silverspoonsjp | 2006-09-21 23:22 | センス・オブ・ワンダーの本 | Trackback | Comments(4)

ぬばたまの…

展覧会を見ようと上野に出かけたら、公園の中の野球場に「正岡子規記念球場」と看板が掲げられていました。

何で球場が子規なの、と一瞬思ったけど、そういえば「野球」って日本語は子規が命名したんですよね。(←これは違うという説もあったなあと気になって調べたら、この日本語を使い出したのは子規らしいんですけどペンネームとしてで、「ベースボール」に当てはめたのは他の人らしいです。すみません)ちょうど正岡子規に触れた面白い文章を読んだばかりだったのを思い出しました。佐藤勝明先生という方が書かれた短い論文で、子規の

「久方の アメリカ人のはじめにし ベースボールは 見れど飽かぬかも」

という短歌が挙げられています。

「久方の」っていうのは枕詞で、元は何か意味があったにせよ、歌で使われているときはそれ自体には意味がないとされています。例えば、

「あおによし 奈良の都…」
では「あおによし」が、
「あしひきの 山鳥の尾の…」
では「あしひきの」が枕詞で、それぞれ後ろにある「奈良」とか「山」を導き出すために置かれた言葉だとされます。

で、この子規の歌なんですが、「久方の」は「光」とか「天(あめ)」なんかを導く枕詞なのを、同じ発音とはいえ「アメリカ人」に使っているところがナイスです。しかも「久方」っていうと、遠い感じですもんね。「遙か彼方のアメリカ人が発明した」って如何にもカッコいい。

こんな感じに、枕詞を形式的じゃなくて、ちょっとシュールに使ってみるって例が論文中に挙げられています。私が好きなのはこれ。

「ぬばたまのクロネコヤマトひっそりと君のメールをポストに落とす」(入谷いずみ)

まるでぬめぬめと生きているような「ぬばたまのクロネコヤマト」がちょっとシュールで怖いですね。「ぬばたま」は黒や闇を導くそうですから、こんなのはどうでしょう。

「川の瀬の石踏み渡り ぬばたまの 黒の乗り手は常にあらぬかも」
(本歌:川の瀬の石踏み渡り ぬばたまの 黒馬来る夜は 常にあらぬかも って同じやん…)

「ブルイネン 瀬を早みかも ぬばたまの 黒の乗り手に逢はむ夕星(ゆうづつ)」
(本歌:天の川 瀬を早みかも ぬばたまの 夜は更けにつつ逢はぬ彦星)

こういうことやり出すと、いくらでも指輪短歌が出来ちゃいそう。
 
家にあれば 6度の食事 ホビットも 旅にしあればレンバスを食う

…いえ、何でもないです。  
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by silverspoonsjp | 2006-09-09 01:14 | プチ日記 | Trackback | Comments(6)