本と読書をめぐる冒険


by silverspoonsjp
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ようやく「10年ぶりの新作公開」フィーバーも一段落し、昔からのファンはしみじみと、新たなファンは過去作見てみようかなと情報集めをしているのではないかと思われます「スター・ウォーズ」の今日この頃。

ちゃっちい子ども騙しの映画じゃん、一体どこが面白いのよ? とおっしゃる方々には、ハイさようでございます、でも子どもを騙すのこそ大変だと思いますけどね…と流しておき、

あれマニア向けの映画で面白くない、と言われれば、ハイさようでございます、初めて観る人にかなり気を遣ってたみたいですけどね、と庇っておく。

そもそも、良識のある作り手ならば、子ども向けの作品こそ、細心の注意とエネルギーを注いで作るはず。

何しろ、子ども向けの作品は当然大人も見に来ますし(付き添いで)、小さいときに目にしたものは一生にわたって影響力も大きく、成功すれば長く名声を手にすることが出来るということは、お子様を優遇するデパートしかり、世界のジブリしかりで、日常あらゆる場面で証明されています。

…って、別に宣伝部員でもマニアでもないのに、何で自分がこんな解説をしなければならないのだろうか....と思う、ごく普通の「スター・ウォーズ観たけど面白かった」ご同輩の皆様も、いざ、じゃどこが面白かったの、と言われると言葉に詰まるのではないでしょうか。

そこに焦点を当てた、ありそうでなかった本が「スター・ウォーズ論」

この本は、巷によくある、「○○論」といいながら、その作品の分析に名を借りて、他のことを論じようとしている便乗本でもなければ、作品のオタクすぎてそれしか見えてない、という本でもありません。

「スター・ウォーズ」の面白さを、映画産業に携わる人の目から見て、映画史の中での位置づけや、興行作品としての意味合い、シリーズ自体の価値といった面から、きちんと分析、紹介、考察している本なんです。こういう本はマニアやファンでは書けません。

マニアやファンが悪いと言うのではなく、そういう「ファンの声」を読むのも楽しいものなのですが、本として出版するならば、きちんと当事者に話を聞いて書いている、こういうレベルの仕事を取り上げて欲しいものです。

とは言っても新書なので、文章は堅苦しくないし、他の映画の話もいろいろ出てきて読み応えがあります。

この本を読むといちいち、へぇ、なるほどねぇ、とか、ふーん、そうだったのか、と感心してしまいますが、それはトリビアが満載だからじゃなく、映像作品を、芸術面や技術面、興行面など、各方面から知っている人でないと書けない内容だからです。

シリーズの生みの親ジョージ・ルーカスと作品の関わりや、最初はボツだった企画が、どのように映画史に残る作品になったのか、スター・ウォーズが描いているもの何か、スター・ウォーズが作り上げた文化とは何なのか、これらが説得力を持って考察されていきます。

ジャニーズ事務所と同じくらい業界の人が恐れている、ディズニー関係の内容もしっかり入っており、ディズニーの功績について評価すべきところはきちんと押さえている点にも好感が持てますし、

著者のレベルの高さに唸るのは、同じ著者によるもう1冊のいかにもファン向けなタイトルの本、

「スター・ウォーズ フォースの覚醒 予習復習最終読本」

でも同じです。

こちらは、新作「フォースの覚醒」の公開前に発行された本なのですが、驚くべきことに、今読んでみると、ここに書かれた予測内容は、ほとんど外れていません。

もちろん、ストーリーを公開前に知っているのが重要なわけではないのですが、それが出来る人の発信する情報に信頼がおけるという傍証にはなります。

あれほど厳しい情報統制がなされていたにもかかわらず、そんなことが出来たのはなぜかといえば、ズバリ、これまでの作品を良く知っていたこと、作品に愛情を持っていること、情報を幅広く集めることができ、その取捨が正しく、その読み方が正しかったからだ、と言えるからです。

ネット上には、新作に関して無数の推測や憶測が流れていましたが、ほとんどのものは、その正しさについて製作者側がYesともNoとも言っていません。製作者側のリークもなく、こうした玉石混交の情報のなかから正確なものを選び取れるというのは、正しくプロの書き手の仕事だと感じます。

つい「予習」の方ばかり取り上げてしまいましたが、この本の「復習」部分も周到に整理され、読みやすく書かれています。ただ単にあらすじ紹介にとどまらず、当時ファンが(現在と同じように)推測していた内容や、途中で放棄された設定なども上手いこと織り込んで、公開時の雰囲気や作り手の視点なども知ることができ、興味深いです。

春休みにリピート鑑賞をする前に、あるいは、次回作をより楽しむために、または、見なかったけどちょっと気になる、という方にも、ぜひにとお勧めしたい2冊です。

「スター・ウォーズ論」 河原一久著 NHK出版新書 

「スター・ウォーズ フォースの覚醒 予習復習最終読本」 河原一久著 扶桑社
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by silverspoonsjp | 2016-02-21 18:48 | センス・オブ・ワンダーの本

金環日食

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皆様お住まいの地域では見えましたか?

本当に不思議な光景ですよね…。

いちおう日食観察用のメガネも買いましたが、直接見た太陽よりも、
ピンホールを通してみた景色の方が神秘的でした。
ちょうど金環食になったときは薄雲がかかり、うまく写真に撮れなくて残念!

ちなみに、メガネはなぜか「ヤマト」柄。対閃光防御!ってセリフが印刷してあるのが
ニクイです。
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by silverspoonsjp | 2012-05-21 23:52 | プチ日記

ついに…  !!

お盆の間もどこへも行かず、ひたすら働いておりました勤労者…もとい、勤労食器、銀の匙でございます。一日中座りっぱなストレスがそうさせたのでしょうか、はたまた「定価の半額」以下という殺し文句にうかうかと乗ったのがいけなかったのでしょうか、ついポチッと…

してしまいました…






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ご紹介しましょう、ルンバくんです!

こんな贅沢品(半額以下とはいえ、やはり良いお値段)、うちみたいに狭いところに必要なの?とか、本体が半分以下のサイズになったら買っても良い、と、わにを叱り続けること幾年月、敵の、これがあれば鼻炎が治るかも…朝早く起きられるかも(一体何の関係が?)…家が綺麗になるかも…(ならなきゃ困るんですけど)…等々のサブリミナル作戦が奏功したようでございます。

届いてみると直径38センチというのは巨大で(あくまで、狭い部屋での話です)座布団1枚余計に置いてあるような感覚です。

操作は大変簡単で、真ん中のボタン(写真では充電中なので赤いランプのついている箇所)をポチッと押すだけ。これで、30分、または1時間、勝手に掃除を続けてくれるのです。

手前にバンパーが着いていて、障害物にぶつかると向きを変えたり、少しずつ障害物を押しのけたりして(!)進みます。

その有様は、まさにリアルピンボール。ピンボールおたくの私はもう夢中になってしまい、掃除しているルンバくんを充電器(ドック)から出て充電器に戻るまでじっと見守ってしまいます。一生懸命働くルンバくんと、見守る私。まるで、シンデレラに掃除させてるイジワルなお姉さんみたい…(これこれ)

電気が足りなくなると、いそいそと自分でドックに戻るところがまた萌え…(これこれ)

狭いところに入れないから、部屋の真ん中だけしか掃除できないんじゃ?と思っていましたが、本体から回転ブラシが10センチ近く外にはみ出すため、入り込めないところもかなり掃除してくれます。段差2センチまでは乗り越えるので、掃き出し窓の桟も掃除します。基本的にはブラシでかき出して吸い取るという単純な動作なのですが、ウワサ通り、びっくりするほど床が綺麗になりました。

段差2センチ以上の場所には行かないので、階段を転げ落ちるというようなことはありません。

おうちでペットを飼ってらっしゃる方などは、明らかな効果を実感できると思いますが、うちのような狭小部屋の場合、はっきり言って、ルンバくんを買って家が綺麗になった第一の理由は、ルンバくんが通れるように、床の上にモノを置かなくなったということかと思います(爆)

ま、取りあえず、私としては機能よりも、家事ロボットが居るということが面白くて、その点、大変満足しております。

欠点といえば、3回くらい使ったら、ネジを外したりして本体を掃除しなくちゃいけないことでしょうか。ホコリも出るし、結構大変です。あ、オチはもうわかったって?はいはいそうです。ルンバくんを掃除してくれるルンバくんが居ればいいのにな~ってことですね(爆)。
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by silverspoonsjp | 2010-08-21 22:57 | プチ日記

三つ子の魂

こんにちは。今日は夏休みでようやくのんびりしています。あ、もう9月ですね、早いなー。

さて、日経パソコンの8月号を見ていたら、とても気になる記事がありました。
と言っても、新製品のレビューとかではありません。

アメリカのラトガース大学教授、ヘレン・フィッシャーさん(写真で見る限りではメリル・ストリープに似てる)の紹介記事で、タイトルは

「現実世界で愛し合う二人は 仮想空間でも恋に落ちる」

恋愛の世界にネットの影響はまだなく、たとえ仮想世界の恋愛であっても、やはり現実を反映するとの結論です。

ほほー。

ま、そりゃネットでお見合いサイトを監修している博士の結論としては、そうでしょうとも。
しかし、私が気になったのは仮想か現実かより、この部分。

「そもそも脳は5歳から8歳ごろまでに、無意識のうちに自信の理想的な恋人のイメージを築き上げる」

それ以降にどんな小細工をしようとも、好きな人のタイプを変える事はできない、という説です。つまり、「だめんず」を選んでしまう人は、5~8歳の時に刷り込みが完了しているので、何度痛い目に遭ってもまた「だめんず」を選ぶ、と、そういうことですね。(お父さん、お母さん、気をつけましょう)

でも、この頃会う人のタイプなんて限られてますもんね(巻き毛の人も見たことなかったしさ)、どうもにわかには信じがたいんだけど…といいつつも、当時どんなタイプが好きだったか思いだしてみるとですね、




えーっと?



あっ、それは「バビル2世」(年バレバレやん)

ロデム。(こらこらこらっ!)

ロプロスでないあたり、自分の鳥好きも大したことないなーって思えてちょっとしょぼん(そういう問題??)

ひさびさなのにくだらないエントリーですみません。
皆様いかがでしょうか。
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by silverspoonsjp | 2009-09-01 16:23 | プチ日記
先日、ひょんなことで「2001年宇宙の旅」(懐かしい)のスチル探しをしたのですが、画像を見ると条件反射的に、あの印象的なテーマ曲、リヒャルト・シュトラウス作曲「ツァラトゥストラはかく語りき」が頭の中で鳴り響いて止まらなくなり、あー何とかこいつを止めねば、しかし、「かく語りき」って、一体何を語ったんですか?と今度はそちらが気になりはじめました(試験が目の前に迫った受験生のような、困った状態です)。

まともな人なら、じゃ、ここで一丁、このタイトルの元になったニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を読んでみますかね、となる訳ですが、生来怠惰な 気が短い江戸っ子なため、そんなかったるそーな本、読んでいられるかぃと思って(全国1千万のニーチェファンの皆さん、私をお許しください)、つい図書館からこんな本を借りてきてしまいました。

青木健 著「ゾロアスター教史」(刀水書房)

2色印刷の地味な表紙を見たとたん、一体何の間違いで、ニーチェよりこっちの方が簡単に読めそうだと思ったんだろうと後悔しました。…でも序論の2ページくらい読んでみたら意外や面白く、一気呵成に読み終えてしまいました。

だいたい、私が世間知らずなだけかも知れませんが、この21世紀に、拝火教徒が存在していること(しかもインドでは財閥として結構な勢力を築いており、インドつながりで言えば、クラシックファンならご存じの指揮者ズービン・メータやロックバンド・クィーンのフレディ・マーキュリーもゾロアスター教徒)、ニーチェつながりでは、イエス・キリストをも凌ぐアーリアの超人としてあのナチスが持ち上げ、熱狂的に研究していたこと、等々の事実には驚かされましたし、実に興味深いものがあります。

してみると、日本語でツァラトゥストラ/ザラスシュトラ/ゾロアスターを書き分けてるのは単に、ドイツ語/元来の読み/英語経由という、それぞれの発音の由来を書き分けたいという語学オタク的なこだわり以上に、由来の「含み」を表現したいという欲求が働いてるんでしょうね。

本来のザラスシュトラはと言えば、実体がよくわからない宗教家であったらしいのですが、彼の事を伝え聞いたローマ人やヨーロッパ人が勝手に神秘的イメージを付け足して理想化し、尾ひれが付け加わっていったようです。

この本は看板に偽りなく「教史」なので、教えの伝播や変遷に焦点があり、ゾロアスター教の中身そのものについては補足的な扱いです。そのため、もう少し教義そのものについて知りたいと、懲りもせずもう1冊読んでみました。タイトルはズバリ、

「ゾロアスター教」(講談社選書メチエ)

著者は「教史」と同じく青木健さんです。

こちらの方は、教義や儀礼について、もっと詳しく書いてあります。現代に残る儀礼も写真付きで紹介され、儀式で使われるナゾの植物ハオマ草の現状や、イスラム化したイランに今も残るゾロアスターの伝統(詩を暗唱してる人がエライとか、緑が好きとか…)またまた興味深い話題満載なのですが、読みやすさを優先してか一つの話題が短いので、ダイナミックさでは「教史」に一歩譲るように感じました。

さて、「教史」によりますと、「ザラスシュトラがかく語った」内容とは、世界は善と悪の二つの勢力の戦いである、という考え方や、善悪どちらにつくかは個人の選択である、という人間の自由意志の存在、その選択に伴って死後の行き先が決まるという考え方、個人だけでなく世界にも終末があるという終末論、救世主の出現を予想する思想などだそうで、そうだとすれば、キリスト教や仏教、イスラム教などに直接間接に与えた影響は確かに多大なものがあります。

とは言え、後から付け足された「東方の大賢人」というイメージもかなり当社比300パーセント増しくらいのバブリーな評価になってるらしいですね。

そこで、話は最初にもどって「2001年」との関係をつい考えてしまう訳ですが、ニーチェは、ツァラトゥストラの名に仮託して「神は死んだ」「超人思想」「永劫回帰」の思想を語っている(と、「ツァラトゥストラはかく語りき」のあらすじに書いてある…(爆))なので、その辺が映画のテーマ曲に使われる理由なんでしょうね…。さすがキューブリック監督。
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by silverspoonsjp | 2009-02-02 23:58 | 人文科学の本
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皆さまこんばんはー。
暑さも峠を越えましたね。近所では昨日から、夜に鳴く虫が蝉からコオロギに衣替えしております。

と、優雅な前ふりで油断させておいて、本日のエントリーはコレ←
「スターウォーズ」でございます。
天下のランダムハウスが何でスターウォーズ本を?と驚くのはまだ早い、
何とこれがオール2Dイラストの本なんですねー。

今年は劇場で3Dアニメの新作が公開されますが、その予告編を見ると、
登場人物たちのキューブリックみたいな妙なキャラはともかく、
ドロイド兵たちのシーンが本編と同じなので、思わず無言に。

つまり、何ですよ。

私たちはこれまで、実写版を見に行ったつもりだったのに、
実はほとんどの部分がCGアニメだったって、そういうことですよ(今さら怒ってどうする?)

そんなものより、この本を読んだほうがよっぽど面白いですよ(もうヤケクソ)。

さて、前置きが長くなりましたが、この本は英語学習用に作られた、
副読本なのでございます。
しかもシリーズタイトルは「ジェダイ・リーダーズ」! 参ったか。
映画のエピソードそのままの本もありますが、
こちらはエピソード1の背景だけ借りたオリジナル・ストーリー。
それが、子ども向けなのにとっても面白いんです。

きっと「スターウォーズ」シリーズの世界を良く把握してる書き手が書いたのでしょうね。

舞台は映画でもクライマックス、大一番の「ポッドレース」の日。
アナキン・スカイウォーカーは、ジェダイの励ましを受け、レースに臨みます。
その言葉はもちろん
「May the Force be with you」(フォースが共にあらんことを)(これよ、これこれ~!!)

ところがぎっちょん、大事な部品がいかれてしまい、搭乗機のエンジンがかかりません。
アナキンは、かいがいしく立ち働いている整備ロボットに、
部品を調達してくるようお願いするのですが…。

なんとかご主人のお役に立ちたいと必死な整備ロボットのカワイイこと!!
どうなったかは本を御覧いただくとして、
ちゃんとセブルバやジャバ=ザ=ハットなども登場し、
ファンにも納得のいく展開となっております。

たった48ページの「整備ロボット君、はじめてのおつかい」、お楽しみください。

絵がまた、そっくりさんイラストながら
昔懐かしい副読本風の絵柄なのが郷愁をそそります。
Step1から段階を追って英語の難易度も上がるように工夫されています。
続編にDarth Maul's Revenge(「ダース・モールの復讐」)なんてあったりして、
気になるな~。なるでしょう~?

StarWars Episode1 Anakin's Pit Droid
ISBN 0-375-80431
Random House
amazon jp でも取り扱いがあります。
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by silverspoonsjp | 2008-08-18 22:58 | 英語の本
本日は千代田区立図書館の標題イベントに行って参りました。
日本科学未来館で開催中の「エイリアン展」とタイアップした催しで、会場には関係者もちらほら。定員25名の面々は、仕事で翻訳やってるか、修行中でしょ?という感じの人ばかり(ぱっ!と本格的な電子辞書を取り出すあたり、普通の会社員とは思えない)。

講師の土屋さんは、カズオイシグロの翻訳等でご存じの方が多いと思いますが、今回は展示説明の翻訳を担当された縁での講義、ということらしいです(ということは、「エイリアン展」、見るべきものはフィギュアではなく、説明プレートらしい…)。

で、講義も、実際の展示に使われている原文と訳文を例として示しながらの、とても具体的なものでした。

高校時代にアメリカにいらしたとかで、プレゼンテーションの仕方からしてあちらで教育を受けた人らしい、良く整理されたもので、大変勉強になりました。

演題には「わかりやすい文章」とあったのですが、「わかるとはどのような事か」から始まり、中心となったのは「単にわかりやすいだけにしない、土屋さんなりの工夫」の話でした。

まず、「わかるとはどのような事か」については、「自分のことばでそれが説明できること」と明快です。そして、原文のレベルをそのまま保つこと、これが「単にわかりやすいだけはない」ということです。

後者を実現するために、土屋さんはご自分なりの基準-セーフティネットとおっしゃってましたが-を2つお持ちでした。その2つとは、

①情報量の維持
②データ量の抑制

です。

情報量の維持とは、読んで字のごとく、原文に含まれている情報を落とさずに訳すということです。と言っても、ある文章にどんな情報が含まれていると判断するか、それは全くの主観によると、土屋さんは展示説明の実例で説明されていましたが、確かにその通りです。原文のあまり一般的でない例えなどは上手く回避されていますが、別の訳者なら、元の言い回しを生かしてそのまま訳出するかもしれないし、微妙なところです。

もう一つのデータ量の抑制とは、原文の分量を訳文でもほぼ保つ、ということです。一般に、他の言語を日本語に翻訳すると長くなると言われていますので、締まった訳文にするにはそれなりの技が必要です。

同趣旨のことを、以前、孫玄齢先生から伺ったことがあります。孫先生も、上手い訳者なら、日本語訳は原文の中国語とほぼ同じ長さになる、とおっしゃっていました。その理由については特におっしゃってませんでしたが、土屋さんはこれを、「各民族で知的レベルには差がないのだから、同じ内容を伝えようとするなら、どんな言語でもほぼ同じデータ量になる」と説明されています。英語から日本語の場合は、日本語が漢字交じり表記である分、少し短くなるそうです。

もう一つ、これはあまり他では聞いたことがなかった工夫ですが、土屋さんは、文単位ではなくパラグラフ単位で訳を作られるそうです。確かに、英語文の基本単位はパラグラフですから、その中で意味が通るように訳文を組み立てるというのは理にかなっています。

土屋さんは訳文から連想される通りのダンディな方で、やっぱり文は人なりだなあ、という感想を抱きつつ、「翻訳者の腕の見せ所」をたっぷり堪能させて頂いた2時間でした。
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by silverspoonsjp | 2008-05-27 23:39 | 英語の本
(以下の講演に言って参りました。詳しくはこちらのエントリーにて)

千代田区立千代田図書館にて、
「日の名残り」「わたしを離さないで」等々、数々の名翻訳をされている土屋政雄氏の講演会があります。

この方の訳文は素晴らしいなといつも思っておりましたが、産業翻訳から出発された方とは存じませんでした。

以下、千代田図書館のHPより

開催日時 2008年5月27日(火) 18:30-20:00
場所 MIW 交流サロン
( 千代田区男女共同参画センター/千代田区役所10 階)
※千代田図書館と同じ建物内です
定員 25名(申込先着順)
参加費 無料
申込方法 お電話または千代田図書館10階カウンターにてお申し込みください
※事前申込制(先着順)
※受付時間 月曜日~金曜日 10:00-18:00
※申込受付開始しました
お問い合わせ 千代田図書館 イベント受付担当
TEL:03-5211-4289・4290

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by silverspoonsjp | 2008-05-13 00:16 | 本にまつわるエトセトラ
早いとこベネルクスの書店編を完結したいのに、GWも写真の整理をしないまま何やかやと外出して過ごしてしまいました。

そして最近思い切って携帯替えたばかりなのに、これを見てしまい、
こっちにすれば良かった、とかなり後悔。


森本レオがナレーションを担当していると聞いたばかりに、こんな呆れた映画を見てしまったのに、兄弟、まさか実物を拝む日が来ようとは。
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by silverspoonsjp | 2008-05-07 22:10 | プチ日記
ようやく帰還致しました。

いやー大変だろうとは予想してましたが、さすがにここまでとは思ってませんでした。
担当部署に他にアメリカチームと意思疎通のできる人がいなかったため、
拙い英語しかできないにもかかわらず、ずっと持ち場に貼り付いている羽目になってしまいました。
おかげで、せっかく遊びに来てくれた方々とはロクにお話もできず、本当に失礼しました。
ほぼ持ち場と本部を移動するだけの3日半だったので、会場がどんな様子だったか良くわかりません。
皆様が楽しんでくださったのなら良いんですけど…。

ということで、今日はとにかく寝ます。お休みなさい~!
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by silverspoonsjp | 2007-09-05 00:18 | プチ日記