【素敵なビジュアルの本】ku:nel 2005年1月号
2004年 11月 24日
しあわせな物語の後ろには、いつも知りたくなかった物語が隠れている。小さいころ、数少ない蔵書(?)の1冊だった「ちいさいおうち」もそうでした。
「ちいさいおうち」は絵本で、丘の上にたつちいさな家が、周りにどんどん街が出来て取り残されてしまったものの、最後にはまた田舎に引っ越すというお話です。
そのふるさとを訪ねる、という記事に惹かれて買いましたが、読む前から何となく、読みたくないようなことも書いてあるという気はしてました。
本なら本そのもの、絵画なら絵画そのものを見るべきで、作者のことを知る必要はないんじゃないかといつも思うものの、知ってしまった後では、作者抜きに作品を見ることは難しくなります。第一、作者について何の知識もなかったにしても、やはり作品を見ればなんとなくわかってしまう。逆に、作者のことを知ってしまうと作品の解釈が限定され、ずいぶん簡単にオチがついた気がしてしまうので、知るのを避けてしまうのかも。
とぐるぐる考えてしまった特集は全体のたった10分の1。読者対象も取り上げる事柄も全然違いますが、かつての「暮らしの手帖」を思わせる雑誌です。今回は松谷みよ子さんのインタビューも掲載。いろいろなカフェに置いてあるのでいつも買わずじまいでしたが、今回は全体的に好きな内容だったので買ってみました。
マガジンハウス
月刊
680円
by silverspoonsjp
| 2004-11-24 19:17
| 素敵なヴィジュアルの本