雨柳堂夢咄
2006年 04月 11日
時は明治の末あたり、東京は根津の界隈にある雨柳堂という骨董屋さん。祖父の代わりに店番をする蓮青年の元へ、今日もいわくありげな品々がやってくる…。
長い年月を経ると物にも魂が宿るといいますが、持ち主の強い想いがこもった骨董は、想い人のところへ帰ろうと店を勝手に抜け出したり、絵から出て行ってしまったりとやりたい放題。蓮はいつもため息をつきつつ、その後始末に追われます。
「泉鏡花」か「聊斎志異」かと言った趣も少しありますが、大部分のエピソードは英国モノも描いている著者らしい、ロマンティックなストーリーに彩られています。
何か面白いマンガないかなー?と聞いたら、この道のプロたる茶道具商の娘さんが貸してくださった本なので、内容的にも確かなはず(^^)。ちょっと絵にはクセがありますが、ストーリーを追っている分には気になりません。
なんて少女趣味なお話なんでしょと呆れつつ、涙グズグズになってしまいました(喫茶店で泣きながら読んでるのは我ながらマズイと思ったけど)。
早く続きを借りなくちゃ…。
波津彬子 朝日ソノラマ
590円
by silverspoonsjp
| 2006-04-11 23:07
| センス・オブ・ワンダーの本